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UNESCO(ユネスコ)は、「国際連合教育科学文化機関 (United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)」の頭文字を取ったもので、国連の専門機関のひとつです。
「世界遺産」は、1972年のユネスコ総会で採択された「世界遺産条約」にのっとり、世界の自然や文化の遺産を損傷や破損の脅威から保護していこうとする対象となったものです。
ユネスコは世界各国にこの条約の締結と、世界遺産の保護を奨励し、遺産保全のための技術的援助や専門的なトレーニングを提供しています。
「世界遺産」の登録は、条約締結国が自国内の候補リストを作成して UNESCO に申請し、専門家による現地調査の報告の上で、「世界遺産委員会」で可否を決定します。
決定の会議は、ほぼ年に1回、近年は6〜7月ごろに行われています。
「世界遺産」に登録された後は、対象物の計画的な保全管理や保護が国として求められます。
世界遺産は対象によって次の3種類に分類されます。
また2003年には、民族の無形文化財や口承による伝承文化も遺産の対象として保護していく「無形遺産」も世界遺産に編入するようになりました。
世界遺産の中で、武力紛争、自然災害、大規模工事、都市・観光開発、商業的密猟などで、普遍的な価値を損なうような深刻な環境にあるものは「危機遺産リスト」に登録されます。
リストに載ったものは国際的な協力のもとに保全計画が立てられ、緊急に処置をとっていきます。
危機を脱すれば「危機遺産リスト」からはずされますし、危機が解決できない場合は世界遺産から抹消されることもありえます。
すでに数百もの世界遺産が世界中で登録され、毎年その数が増え続けています。
もちろんそのひとつひとつが、人類の歴史の中で大きな価値があり、未来に向けて保護していくべきものと認められたものですから、見るべきものではあるはずです。
ただそのすべてが「観光」という観点から、その国の他の観光地より優れているというわけではありません。
人によって見る観点が違い、ある人は「見て感激した」と言う一方、同行した大半の人は「大したことないな」とがっかりするようなところもいっぱいあります。
つまり、「遺産」と「観光」は観点が違うということです。
結局旅行に行くのには、自分が何を見て、体験をしたいのか、ということを第一に考えるべきでしょう。
もしそこに「世界遺産」という "箔" が付いていたらよしとすべきでいいんじゃないでしょうか。
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