海外旅行準備室 ロゴ トップページこのサイトのご案内

日本に持ち帰る土産品について

海外旅行のお土産として買った様々な物品は、日本に帰国した時に「輸入品」とみなされ、税関でチェックされます。

関税については、もちろんすべてにかかるのではなく、規定の免税範囲を超えた分だけが対象となります。
関税がいかほどになるのか、あるいは輸入不可の品物とは何か、このあたりの知識も頭に入れておきましょう。

免税品

海外で「免税品」を買うことがあります。英語で「Duty free」です。

単純に、「税金がかからない品物」と読めますが、意味をよく理解しないと誤解します。
「外国人が自分の国に持ち帰るために、その国で物品にかけられる税金(日本でいうと消費税)を免除した品物」という意味で考えましょう。

外国への持ち帰り品ですから、その国の中で使用や消費はできません。
外国人に販売する品物のため、買うときにパスポートの提示が必要です。

その国の中で使用や消費ができないので、買った品物は店頭では受け取れず、空港などで出国手続きをした後の受け取りになります。
店で発行された引換証を、空港の引き取りカウンターで提示して品物が受け取ることができます。

EU加盟国については、商品の価格に付加価値税が含まれており、免税店であっても一旦税込み金額で支払いをします。(品物は店で受け取れます。)

品物とともに免税の書類をくれますので、EU圏を最後に出国する空港の税関で品物を見せて、その書類にスタンプをもらいます。
税関スタンプ入りの書類を空港内の銀行で持って行けば、税金分が払い戻されるという手続きになります。

なお換金の時間がない場合は、店で一緒にくれる返信用封筒に税関スタンプ入りの書類を郵送すれば、後日銀行振込や小切手で換金をしてくれます。

外国の免税品ショップで買ったとしても、日本に帰ってきたときには、「輸入品」のひとつであり、持ち帰ったすべてのお土産を総合して、「日本に持ち込める免税枠」からはみ出る分については、日本の税金(関税)がかかります。
「免税品」だから、日本での関税も免除というような誤解をしないようにしてください。

ちなみに、海外で買う時に「免税店だから安い」というわけではありません。

あくまで外国人相手に気に入りそうな商品を集めているという店であって、決してディスカウント・ショップのような本当の「安売り」をしているわけではありません。
やはり、ある程度値が張るような品物の買い物は、真剣にいくつもの店を回って比較するという態度が必要ではないかと思います。

別送品

海外で商品を買って、店から日本に送ってもらうことができます。
荷物が減るので楽でいいのですが、日本での引取りが面倒です。

買った商品の入った荷物は、荷物の表面や、税関告知書・送り状といった書類すべてに「別送品」(Unaccompanied Baggage)という表示をしてもらいます。
受取人は帰国者本人とします。店の人にきちんとこのことを伝えましょう。

表示がなかったり、受取人が違ったりすると、帰国時の免税措置のない一般輸入の扱いになって高い関税を取られることになります。

日本に帰国し、入国手続の際の税関では、免税範囲を超える携帯品の申告の場合に「携帯品・別送品申告書」を提出しますが、別送品がある場合はこれを2通書いて提出します。
そのうちの1通は、税関がスタンプを押してくれますので家に持ち帰ります。

後日、通知があったら荷物を引き取りに行きます。

郵便で到着したならば、通知は葉書で来ます。
この葉書と「携帯品・別送品申告書」を持って、葉書が差し出された郵便局(「税関外郵出張所」という特別の郵便局)へ行き、荷物を引き取ります。

郵送以外の運送で到着したならば、その運送業者(航空会社、船会社など)から通知が来ます。
パスポート、「携帯品・別送品申告書」などを持って到着地の税関に行き、手続きをして荷物を引き取ります。

別送品の場合は、一般の貨物便や船便などで送られますから、届くまでに相当な時間がかかります。
日本の宅配便のようなわけにはいかずに、早くて数日、遅い場合は1か月以上かかります。

日本に持ち込み規制のある品物

お土産といっても、日本の持ち込みについて規制がかかるものがあります。

  • 麻薬、覚せい剤、大麻、あへん吸引具、向精神剤。
  • にせ札、にせ証券。
  • 公安や風俗を害する書籍、図画などの品(わいせつなビデオ、DVDや本などです)。
  • にせブランド品、コピー商品。
  • 拳銃などの銃や砲弾、銃の部品など。

こういう犯罪臭が漂う品物は、当然持込み禁止で、税関で即没収です。

動植物やその部分、加工品 についてはいろいろ規制があります。
非常に細かい区分がありますので、旅行に出発前に一度目を通してみてください。

大雑把には、

  • 乳製品、水産物、製茶、漬物、ドライフルーツ、密封した乾燥香辛料、木工品などはノーチェック
  • 肉やソーセージ類、ビーフジャーキーなどの畜産加工品、および生きた動物は輸出国の検査証明書がないと持込み不可
  • 生きた植物は、果実も含めて地域や種類によって持ち込み不可のものが決められている

といったところです。

これとは別に、「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(ワシントン条約)に基づいた規制があります。
この条約にリストアップされた動植物やその加工品については、輸入が禁止、あるいは輸出国の輸出許可証がないと輸入不可です。
現在一般に知られている物品では、鯨肉、象牙、ワニ皮製品、海亀類のべっ甲製品などが輸入禁止になっています。

以上の物品以外では、

  • 化粧品、外用薬は標準サイズで24個以内はOK。これを越えると厚生労働省の管轄で輸入手続をしなければなりません。
  • 内服薬は個人使用に限り、2ヶ月分以内ならばOK。それ以上はやはり厚生労働省の管轄での輸入になります。
  • 韓国産の紬(つむぎ)類は2反(10u)程度まではOKですが、それ以上は持込み禁止です。

関税額の計算

日本の免税範囲は次の通りです。(下記は概略で、正式には細かく決められています)
海外で「免税品」として買ったものかどうかには関係ありません。

  • 酒類 = 760cc 程度が 3本以内。たとえば 1000ccの瓶は 1.3本と換算されます。
  • 香水 = 2オンス(約56cc)以内。
  • タバコ = 紙巻タバコで 200本以内、葉巻で50本以内。
  • 1品目の合計価格が 1万円以下 の品物は免税。
  • それ以外の品物の合計価格が 20万円 までは免税。
    ただし、1個で20万円を超える品物はそれ自体が課税対象になります。

上の範囲を越えた分について、税金(関税)がかけられます。
税額は、海外での通常の小売価格を最近のレート換算して計算します。

酒は、ウィスキーは 1リットルにつき 500円、 ラム、ジン、ウォッカは 1リットルにつき 400円、ビールとワインは 1リットルにつき 200円 などなど、酒の種類で税額が決まっています。

タバコは 1本 11円です。

そして、それ以外の物品については 価格の 15% という高い税額になります。

腕時計、貴金属製の万年筆、パソコン、ゴルフクラブ、貴石、書画、彫刻については関税はかかりませんが、かわりに日本の消費税(現在は5%)がかかります。

ただし少しホッとするのは、購入価格にダイレクトに税率がかかるのではなくて、購入価格の6割(これを「課税価格」と言います)に税率がかかるということです。


海外旅行の準備

出発から帰国まで

世界の観光地

このエントリーをはてなブックマークに追加

海外旅行準備室