ローマ周辺(イタリアの観光地 1)
ローマ (Roma) は、イタリア中部のティレニア海側にある人口270万人ほどのイタリアの首都です。
市内を北から南にテベレ川 (Fiume Tevere) が流れ、7つの丘があります。
古代から都市国家として栄え、ローマ帝国の首都となりましたが、4世紀にコンスタンチノポリス(現トルコのイスタンブール)に都が移されました。
その後、中世から近世はローマ教皇領の首都として栄え、ルネサンス時代には文化の中心地になっています。
1861年にイタリア王国として統一された時に、再び首都として復活し、第二次大戦後は世界から観光客が訪れる観光都市となりました。
ローマ歴史地区 は、ローマ市内の中心部、テベレ川の東西岸を囲むように築かれた東西5km、南北5km城壁の内側の地区で、バチカン市国を含んで多くの歴史的建造物が残っています。
地域全体が世界遺産となっています。
なお、「ローマ」の綴りはイタリア語で "Roma" ですが、英語やフランス語では "Rome" となります。
テベレ川東岸・北部
- スペイン広場 (Piazza di Spagna)【世界遺産】
- 歴史地区北部にあるローマを代表する広場です。
正面に1726年に造られた広い137段の「スペイン階段 (Scalinata di Spagna)」があり、上がりきったところに2つの鐘楼が並ぶ「トリニタ・デイ・モンティ教会 (Santa Trinita dei Monti)」があります。
また広場中央には、16世紀のバロック時代の彫刻家・ピエトロ・ベルニーニ作の「舟の噴水 (Fontana della Barcaccia)」があります。
映画「ローマの休日」に登場する有名な広場で、終日多くの観光客で賑わいます。
なお「スペイン」という名称は、かつて一角にスペイン大使館があったことに由来します。
- コンドッティ通り (Via Condotti)【世界遺産】
- スペイン広場から南西に延びる通りで、ブランド・ショップが並ぶローマ屈指の高級ショッピング・ストリートです。
この通りを中心とした周辺の界隈にグッチ、ブルガリ、フェラガモ、アルマーニなど多くの名門店が並びます。
- ポポロ広場 (Piazza del Popolo)【世界遺産】
- スペイン広場の北西0.8kmにある19世紀に造られた広場です。
歴史地区の北の端に当たり、北側の「ポポロ門 (Porta del Popolo)」は正式には「フラミニア門 (Porta Flaminia)」と呼び、かつては北からやって来た旅人のローマの玄関でした。
広場の中央には、古代ローマ時代にアウグストゥス帝がエジプトから持ち帰ったという高さ36mのオベリスクが立っています。
- ボルゲーゼ公園 (Villa Borghese)【世界遺産】
- スペイン広場からポポロ広場の北、城壁の外側に広がる市内で最も大きな公園です。
東西1.5km、南北1kmほどあり、南東にはローマ時代の城壁の門「ピンチアーナ門 (Porta Pinciana)」があります。
もともと狩猟場だったところで、1901年に公園となり、噴水や建造物、庭園が点在しています。
- ボルゲーゼ美術館 (Galleria Borghese)【世界遺産】
- ボルゲーゼ公園の東の端にある美術館です。
1617年にボルゲーゼ枢機卿が狩のために建てたバロック様式の別荘を改造したもので、1891年に開館しました。
枢機卿のコレクションを中心に展示し、第一級のバロック美術を中心に、ルネサンスから18世紀イタリアの絵画や彫刻を収蔵しています。
- トレビの泉 (Fontana di Trevi)【世界遺産】
- スペイン広場の南0.5kmにある噴水です。
設計コンテストで優勝したニッコロ・サルビにより1762年に建造されたバロック様式の傑作で、中央に海神ネプチューン像、その両側に海神トリトーン像、壁面に女神の像があります。
左肩越しにコインを投げ入れるとローマ再訪が叶うという言い伝えで有名です。
- パンテオン (Pantheon)【世界遺産】
- スペイン広場の南西1kmにあるローマ時代の神殿です。
紀元前27年にアウグストゥス帝代の武将アグリッパがオリンポスの神々を祀る為に建造し、火災で焼失して135年に再建されたものです。
高さ12mの16本のコリント式列柱の正面入口の背後に、高さ、直径とも43mでドームがかかった円形の本殿があります。
- ナボーナ広場 (Piazza Navona)【世界遺産】
- パンテオンの西0.3kmにある広場です。
1世紀に建造の競技場があったところで、長さ240m、幅65mの細長い楕円形の広場です。
バロックの巨匠ベルニーニ作の「四大河の噴水 (Fontana dei Fiumi)」、「ムーア人の噴水 (Fontana del Moro)」と、ザッパラとピッタ作の「ネプチューンの噴水 (Fontana del Nettuno)」があります。
広場の西には「サンタ・アニェーゼ・イン・アゴーネ教会 (Santa Agnese in Agone)」があり、全体がバロック様式を表現しています。
- ローマ国立博物館 (Museo Nazionale Romano)【世界遺産】
- スペイン広場の東1kmにある博物館です。
展示館が分散されており、4世紀のディオクレチアヌス帝の大浴場跡 (Terme di Diocleziano)にある通称「テルメ博物館」が1911年に開館したのが最初です。
現在は遺跡の他、後に造られたミケランジェロ作の聖堂や回廊があり、主要な出土品や美術品は、近くの「マッシモ宮殿 (Palazzo Massimo alle Terme)」や、ナボーナ広場近くの「アルテンプス宮殿 (Palazzo Altemps)」などに移されています
テベレ川東岸・南部
- ベネチア広場 (Piazza Venezia)【世界遺産】
- パンテオンの南東0.3kmにある広場です。ローマ市街のほぼ中心に位置し、主要道路の起点となっています。
南には「ビットリオ・エマヌエーレ2世記念堂 (Monumento a Vittorio Emanuele II)」、西には広場の名前にもなり、現在は博物館の「ベネチア宮殿 (Plazzo Venezia)」があります。
- ビットリオ・エマヌエーレ2世記念堂 (Monumento a Vittorio Emanuele II)【世界遺産】
- ベネチア広場の正面にある、19世紀にイタリア統一を果たしたエマヌエーレ2世を称えて1911年に完成した白亜の建物です。
外観から「白いウェディングケーキ」と呼ばれます。
- フォロ・トライアーノ (Foro Traiano)【世界遺産】
- ベネチア広場の東にある古代ローマ遺跡です。
トラヤヌス帝がダキアの戦いで勝利した記念に114年に建造した、高さ38mの大理石柱「トラヤヌス帝記念柱 (Colonna Traiana)」があります。
道路を挟んだ東には、2世紀ごろに建てられ、150ほどの商店が入ったといわれる建物跡「トラヤヌスの市場 (Mercati Traianei)」があります。
- カピトリーニ美術館 (Musei Capitplini)【世界遺産】
- ベネチア広場の南、カピトリーノの丘 (Monte Capitolino、別名カンピドーリオ (Campidoglio) の丘)」にある「カピトリーノ美術館 (Museo Capitolino)」と「コンセルバトーリ美術館 (Museo Conservatori)」の2館をあわせた美術館です。
ヨーロッパ最古の1471年に教皇シクトゥス4世が創立した美術館で、歴代教皇のコレクションを展示し、ローマ時代の彫刻や中世の絵画の他、歴代皇帝や古代の思想家などの胸像が見所です。
- フォロ・ロマーノ (Foro Romano)【世界遺産】
- ベネチア広場の南西0.5km、北はカピトリーノの丘 (Monte Capitolino)、南はパラティーノの丘 (Monte Palatino)に挟まれた古代ローマの遺跡です。
当時の政治、宗教、商業の中心地だった地で、東西600m、南北200mの敷地に、いくつもの神殿や元老院、裁判所、バシリカなどの公共施設や、凱旋門、市民の家などが残っています。
なお「フォロ」は公共広場の意です。
- パラティーノの丘 (Monte Palatino)【世界遺産】
- フォロ・ロマーノの南にある丘で、紀元前753年に双子の兄弟ロムルスとレムスがこの地に町を造ったのがローマの始まりといわれています。
帝政時代には初代皇帝アウグストゥスが住んで以後、歴代皇帝が宮殿を建てました。
宮殿を表す "Palazzo"、英語で "Palace" の語源になっています。
原形をとどめない遺構が広がり、19世紀以来の発掘調査が今も続けられています。
- コロッセオ (Colosseo)【世界遺産】
- フォロ・ロマーノの東にある古代ローマ最大の闘技場跡です。
紀元80年に完成し、4階建てで高さ52m、長径188m、短径156mの楕円形、最大5万人が収容できました。
剣闘士同士の戦いや模擬海戦、猛獣と人間の戦いなど、命を懸けた戦いが行われた場所です。
- コンスタンチヌスの凱旋門 (Arco di Constantino)【世界遺産】
- コロッセオの南西にあるローマで最大の凱旋門です。
315年にコンスタンチヌス帝がマッセンツィオ帝との戦いに勝利した記念に建てられたものです。
高さ28mで3つのアーチを持ち、表面のレリーフは大半が他の建造物から移築されたものです。
パリの凱旋門はこれをモデルにしたものです。
- チルコ・マッシモ (Circo Massimo)【世界遺産】
- パラティーノの丘の南にある古代ローマのスタジアム跡です。
長さ620m、幅120mの長楕円形で、戦車の競争が行われ、549年が最後のレースだったといわれています。
約2万5千人の収容能力を持っています。
- サンタ・マリア・イン・コスメディン教会 (Santa Maria in Cosmedin)【世界遺産】
- チルコ・マッシモの北西にある教会です。
6世紀に建てられ、12世紀にロマネスク様式の鐘楼が付け加えられました。
入口にある顔の石盤「真実の口 (Bocca della Verita)」が有名で、嘘つきが手を入れると食いちぎられるという言い伝えがあります。
もともとは紀元前4世紀ごろの井戸の蓋だということです。
- サンタ・マリア・マッジョーレ教会 (Santa Maria Maggiore)【世界遺産】
- コロッセオの北東1kmにある、ローマ最大の聖母マリアに捧げられた教会です。5世紀の創建で、13世紀に大改修が行われました。
正面はバロック、高さ75mの鐘楼はロマネスクと様式が混在しています。
天井には貴重な13世紀のモザイク画「マリアの戴冠」があります。
- サン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ教会 (San Giovanni in Laterano)【世界遺産】
- コロッセオの東1.5kmにある、キリスト教が公認された直後の313年創建という由緒ある教会です。
1309年の「アビニョンの捕囚」までは法王庁だったということで、サン・ピエトロ寺院を凌ぐ格式を持ちます。
- カラカラ浴場跡 (Terme do Caracalla)【世界遺産】
- コロッセオの南1kmにある古代ローマの浴場跡です。
217年にカラカラ帝が建造し、330m四方の敷地に幅220m、奥行き110mの建物がありました。
1600人を収容でき、浴室の他、娯楽室や図書室も完備されていたということです。
毎年夏には野外オペラが開催されています。
テベレ川西岸
- トラステベレ地区 (Trastevere)【世界遺産】
- パラティーノの丘の西1km付近、テベレ川西岸の地域です。
入り組んだ狭い石畳の道と、古い家並みが残り、ローマの下町といわれるところです。庶民的でリーズナブルなレストランが集まり、地元の若者で夜遅くまで賑わいます。
反面治安が悪く、ひったくりも多いので注意が必要です。
地区の南端、テベレ川河畔にある「ポルテーゼ門 (Porta Portese)」では、日曜日に行われる「ノミの市」、通称「泥棒市」が有名です。
- サンタ・マリア・イン・トラステベレ教会 (Santa Maria in Trastevere)【世界遺産】
- トラステベレ地区の中央にある教会です。
聖母マリアに捧げられたローマ最古の教会で、3世紀の創建といわれます。12世紀に大改修され、その時に描かれたモザイク画が見所です。
- ジャニコロの丘 (Monte Gianicolo)【世界遺産】
- トラステベレ地区の北にある丘です。ローマ市街の全景が見渡せるスポットとして人気です。
- サンタンジェロ城 (Castel Sant'Angelo)【世界遺産】
- ナボーナ広場の北西、テベレ川の対岸の河畔にある城跡です。
西暦139年にハドリアヌス帝の廟として建てられ、中世には城塞や政治犯の牢獄として使われました。
「聖天使」の意で、590年にローマでペストが流行した時に、天使ミカエルが降り立ち疫病を追い払ったという伝説によるものです。
五角形の敷地の中にある直径64mの円形の城で、現在は古代ローマ時代からの兵器、武器の博物館になっています。
バチカン
バチカン市国 (Stato della Città del Vaticano) は、サンタンジェロ城の西0.5kmにある世界最小の独立国家です。
東西1km弱、南北0.7kmほどで、入口にあたる東側のサン・ピエトロ広場以外は城壁に囲まれています。人口900人ほどの国民はほとんどが聖職者です。
4世紀に聖ペトロの墓所に教会を建てたのが始まりで、中世からカトリックの本拠地として発展しました。
しかし1861年のイタリア王国成立時に、イタリア政府が教皇領接収を行ったためにローマ教皇庁は反発し、イタリア政府と関係を断絶してバチカンに引きこもりました。
この不正常な関係は、1929年のムッソリーニ首相の時に独立国家として認めることでようやく修復し、現在のような国家形態になったという経緯があります。
なおローマ市内からの入国は自由で、パスポートの提示や検疫はありませんが、観光客が多く、入場にかなりの待ち時間を覚悟する必要があります。
- サン・ピエトロ広場 (Piazza San Pietro)【世界遺産】
- バチカンの東側、玄関となる長径240mの楕円形の大きな広場です。
バロック建築の巨匠ベルニーニが1656〜1667年に建設したもので、周囲は左右対称に284本の円柱が配された回廊、その上部に140人の聖人像が立っています。
広場の中央には、ローマ時代の紀元40年頃にエジプトから運ばれ、建設時に建てられたオベリスクが立っています。
- サン・ピエトロ寺院 (Basilica di San Pietro)【世界遺産】
- サン・ピエトロ広場の西に隣接する世界最大のカトリック寺院で、世界のカトリック教会を支配する総本山です。
キリスト12使徒の一人の聖ペトロ(サン・ピエトロ)の墓に、ローマ時代の350年頃コンスタンチヌス帝が教会を建て、1506年からラファエロ、ミケランジェロ、ベルニーニなど10人の当時の代表的芸術家が手をかけて1626年に大改修が完成しました。
奥行き186m、「クーポラ (Cupola)」と呼ばれる大ドームの直径は42m、高さ132mあり、6万人を収容できる規模を持ちます。
クーポラにはエレベーターで登ることができ、バチカンからローマ市内が眺められます。
寺院に入ってすぐ右に、ミケランジェロの傑作「ピエタ像」があります。
- バチカン宮殿 (Palazzi Vaticani)【世界遺産】
- サン・ピエトロ寺院の北に隣接する宮殿で、ローマ教皇の住居です。
中世に増築を重ねてきたもので、1309年の「アビニョンの捕囚」以後教皇の住居となりました。
宮殿内には、「システィーナ礼拝堂 (Capella Sistina)」をはじめ美術館や図書館など多くの施設があり、公開部分は「バチカン博物館」として見学することができます。
バチカン博物館 (Musei Vaticani)
バチカン宮殿内にある30近い博物館、美術館などの集合体です。
16世紀以降の教皇が収集した膨大な美術品を収蔵し、古代エジプト、ギリシャやローマの美術品から中世の絵画を中心に見ることができます。特に著名なものは次のようなものです。
- システィーナ礼拝堂 (Capella Sistina)【世界遺産】
- 15世紀建造の礼拝堂で、ミケランジェロの天井画「創世記」と祭壇壁画「最後の審判」が有名です。
新たなローマ教皇を選出する会議「コンクラーベ (Conclave)」はここで行われ、結果を煙突の煙の色で知らせるというのが有名です。
- ラファエロの間 (Stanze di Raffaello)【世界遺産】
- 「コンスタンティヌスの間」、「ヘリオドロスの間」、「署名の間」、「ボルゴの火災の間」の4部屋から構成される一連の教皇庁の応接間の総称です。
ラファエロとその弟子たちによる多くのフレスコ画が展示されていて「アテネの学堂」、「聖体の論議」などが有名です。
- 絵画館 (Pinacoteca)【世界遺産】
- 古代から現代までのイタリア絵画を15室に展示しています。
ラファエロの「キリストの変容」などが有名です。
- ピオ・クレメンティーノ美術館 (Museo Pio-Clementino)
- 古代ギリシャやローマの彫刻を展示しています。
「ラオコーン」、「ベルベデーレのアポロン」などの傑作が並びます。
ローマ近郊
- アッピア街道 (Via Appia)
- ローマのカラカラ浴場付近から、南東に向けてイタリア南東部のアドリア海沿岸の町ブリンディジ (Brindisi) までの約750kmに及ぶ街道です。
紀元前312年から紀元前190年にかけて整備され、当時の軍事や行政に大きな役割を果たしました。
約1.5km毎に史上初のマイルストーンが置かれ、沿線には城や要塞跡などが残っています。
1784年には平行して新街道が造られましたが、旧街道はところどころ元の石畳の状態で保存されています。
- カタコンベ (Catacombe)
- 2〜5世紀頃の古代ローマの地下墓地で、ローマの城壁内には死者の遺体を埋められない法律により、ローマ周辺の大きな街道沿い各所に造られたものです。
9世紀頃の異民族侵入による略奪や破壊でカタコンベは忘れ去られ、17世紀以後に改めて遺跡として調査が行われて現在に至ります。
ローマ周辺では5つのカタコンベが見学可能で、都心の南南東5kmほどのアッピア街道沿いには「サン・カリスト教会 (San Callisto)」や「サン・セバティアーノ教会 (San Sebastiano)」があります。
- エウル (E.U.R)
- ローマ中心部の南10kmにある副都心です。
1942年に開催予定だったローマ万国博覧会に向けて、1930年代にムッソリーニが建設した近代的な計画都市です。
第二次大戦により万博は中止されましたが、古都ローマにあって唯一の近代建築が集まる地域です。
なお名称は、"E.U.R"は"Espsizione Universale di Rome"(ローマ万国博覧会)の頭文字です。
- ティボリ (Tivoli)
- ローマの東30km、自然豊かな田園地帯の丘の上にある町です。
ローマ時代から皇帝や貴族に愛され、別荘がいくつも建てられています。
- エステ荘 (Villa d'Este)【世界遺産】
- ティボリ市街の西にあるルネサンス時代の別荘です。
1550年にイッポリート・デステ枢機卿が修道院の建物を豪華な別荘に改築したものです。
後期ルネサンス様式の美しい庭園に、彫刻を施した噴水や泉が500以上もあります。
これらはすべて動力を使わず自然に吹き上がるように仕掛けられ、135mにわたって続く「100の噴水」や、「ドラゴンの噴水」、「ネプチューンの噴水」など個性的なものばかりで、「水の劇場」の観を呈しています。
- ハドリアヌス帝の別荘 (Villa Adriana)【世界遺産】
- ティボリの西3kmにあるローマ時代のハドリアヌス帝の別荘です。
西暦117年から130年頃に建設されたもので、地中海遠征で見聞したものを建造に生かしたとされ、宮殿や神殿、海上劇場、浴場などが80haの敷地に点在しています。
138年の皇帝の死後は異民族の侵入で廃墟となりましたが、15世紀に発掘が行われて、その全貌が明らかになったということです。
- オスティア・アンティカ (Ostia Antica)
- ローマの南西25km、テベレ川河口にある古代都市遺跡です。
紀元前4世紀にローマの外港として栄え、人口10万人を擁する大都市になりました。
4世紀には疫病や異民族の侵攻で衰退して廃墟となり、川砂の堆積で埋もれていたのを20世紀に発掘されたものです。
東西1km、南北500mの範囲に、庶民の住宅や店舗を中心に、神殿や浴場、劇場などの遺構が保存状態良く残っています。
イタリアの観光地