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イタリアの料理
特徴
イタリア料理は、フランス料理と双璧をなすヨーロッパの代表的な料理です。
フランス料理と比べ、食材や形式へのこだわりがなく、料理方法もシンプルです。
素材を生かして、地方の特徴を生かした料理が多く存在します。
イタリアでも南部地方がオリーブ油、トマトを多用する、日本で一般に「イタリア料理」というイメージの料理になっています。
パスタは乾麺が豊富で、食材に魚介類を多く使います。
北イタリアではバターや生クリームを使う、ヨーロッパ大陸的な料理になります。
パスタは生の手打ち麺が豊富で、食材は肉類中心になります。
イタリア料理のコースは、1)アンティパスト(Antipasto, 冷製が主の前菜)、2)プリモ・ピアット(Primo Piatto, 第一の皿:リゾット、スープ、パスタなど)、3)セコンド・ピアット(Secondo Piatto, 第二の皿:肉料理、魚料理)、4)ドルチェ(Dolce, デザート)、というのが主な流れです。
日本人にとっては、第一の皿で満腹になるほどのボリュームがあります。
パスタ
イタリア料理といえばパスタ (Pasta) といわれるほどの食材で、プリモ・ピアットに登場します。
基本的には小麦粉を水で練ったものですが、法律上は「デュラム小麦」を原料として、人工着色料や保存料を使っていないものとされています。
地方によって形状や調理法がバラエティに富みます。
ロング・パスタ
長さが25cmに揃えられ、太さや形状で名前が付いています。
一般的な丸形状では、直径0.9mmを「カッペリーニ (Cappellini)」、1.3mmを「フェデリーニ (Fedelini)」、1.5〜1.7mmを「スパゲティーニ (Spaghettini)」、1.9mmを「スパゲッティ (Spaghetti)」と言います。
平たい きしめん状のものは「フェットチーネ (Fettucine)」と言います。
ショート・パスタ
ロング・パスタ以外のもので、多くの種類があります。
筒状のものが「マカロニ (Maccheroni)」で、ペン先状の「ペンネ (Penne)」などはその仲間です。
特殊な形状のものでは、耳たぶ形の「オレキエッテ (Orecchiette)」、貝形の「コンキリエ (Conchiglie)」、ねじれた形の「エリ ケ(Eriche)」、蝶の形の「ファルファッレ (Farfalle)」など、並べればきりがありません。
長方形のシート状のものは素材として「ラザーニャ (Lasagne)」と言います。
具入りパスタ
ミート・ソースを煮詰め、卵黄とパン粉を練り合わせた「フィリング(具)」を平たいパスタで包んだもので、枕の形に包みギザギザに切った「ラビオリ (Ravioli)」が代表的です。
パスタの調理法
パスタの調理法もさまざまあり、主なものは次のとおりです。
- ポモドーロ (Pomodoro)= 最も基本的なトマト・ソースで、トマトをオリーブ油で煮込み、塩胡椒で味付けしたものです。
- カルボナーラ (Carbonara)= 卵やベーコン、粉チーズを使ったものです。
「石炭」の意で、上に振り掛ける黒胡椒の粒が石炭に見えるところからの命名といわれます。
- ボロニェーゼ (Bolognese)=「ボローニャ風」の意で、日本でいうミートソースのことです。
タマネギ、ニンジンなどの野菜とひき肉を炒め、トマトを入れて煮込んだものです。
ボローニャでは「スパゲッティ」は食べず、「ラザーニャ」か幅広麺の「タリアテッレ (Tagliatelle)」で食べるそうです。
- ジェノベーゼ (Genovese)=「ジェノバ風」の意で、バジリコの葉や松の実に、チーズやオリーブ油で作る緑色のソースです。
- ペペロンチーノ (Aglio Olio e Pepperoncino)= ニンニクをオリーブ油で炒め、パセリや唐辛子と一緒に茹でたてのスパゲッティにからめたものです。
- ネーロ (Nero)=「黒」の意で、イカ墨で色付けした真っ黒のパスタです。
- ボンゴレ (Vongole)= アサリを使うもので、トマトを入れる「ボンゴレ・ロッソ (Vongole Rosso)」と入れない「ボンゴレ・ビアンコ (Vongole Bianco)」があります。
- プッタネスカ (Puttanesca)=「娼婦風」の意で、トマトベースのソースにアンチョビが入ります。
- ペスカトーラ (Pescatora)=「漁師風」の意で、ムール貝、アサリ、ホタテ、イカ、エビなど魚介類が入ります。
- アッラビアータ(Arrabbiata)=「怒り」の意で、唐辛子で辛くしたトマト・ソースです。ペンネの代表的なソースです。
なお「スパゲティ・ナポリタン」は日本の創作料理で、ナポリに行っても同様のものはありません。
イタリアの名物料理
- ニョッキ (Gnocchi) = ジャガイモと小麦を練って作った団子で、さまざまなソースに入れて食べます。
- ミネストローネ (Minestrone) = イタリア北部の料理で、トマトや豆類とさまざまな野菜とベーコンを煮込んだスープです。
味付けは塩、胡椒です。ミラノではこれに米を混ぜ、ジェノバではチーズ・ソースを浮かせます。
- リゾット (Risotto) = イタリア風雑炊です。生米からブイヨンで煮立てて作ります。
「ミラノ風リゾット (Risotto alla Miranese)」はサフランで黄金色に染まっています。
- ピッツァ (Pizza) = 英語で「ピザ」です。ナポリが発祥で、専用釜で作るためレストランでなく「ピッツェリア」という専門のピザ・ハウスで食べられます。
本場ナポリでは、トマトとモッツァレラ・チーズの「マルゲリータ (Margherita)」とトマトとニンニクの「マリナーラ (Marinara)」といったシンプルなものが主流です。
生地は日本のものよりもっちり感があります。
なお日本でも多くのバラエティを競っている宅配ピザは、いずれもアメリカのピザの系統です。
- コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ (Cotoletta alla Milanese) = ミラノ風カツレツです。
仔牛のヒレ肉をたたいで伸ばし、カツの衣をつけて少量の油で揚げたものです。
- ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ (Bistecca alla Fiorentina) = フィレンツェ風ステーキです。フィレンツェ近郊のキアナ渓谷産の骨付き牛肉をタレに漬け込んで、炭火でレアに焼いたものです。
注文できる大きさが店によって異なるものの、それでも最低500g以上の巨大なものを食べる覚悟が必要です。
- カルパッチョ (Carpaccio) = 生の牛ヒレ肉にチーズやオリーブ油などを載せたものです。
ベネチア名物で、語源はルネサンス時代の人気画家ビットーレ・カルパッチョの絵の特徴からとったものだそうです。
- サルティンボッカ (Saltimbocca alla Romana) = 叩いた仔牛の肉に生ハムとハーブを貼り付け、小麦粉をまぶしてソテーしたものです。
「口に飛び込む」の意で、ローマ名物です。
- アクアパッツァ (Acqua Pazza) = 白身魚をベースに水から煮込むものです。ブイヨンは加えず、魚のうまみが身上です。
- カポナータ (Caponata) = ナスを中心にタマネギなどの野菜を、トマト、オリーブ油、白ワインなどで煮込んだものです。
シチリア島東岸のカターニアの郷土料理です。
イタリアの酒
- ワイン (Vino) = イタリア全土で作られ、生産量では世界一です。
フィレンツェを中心とするトスカーナ地方周辺や、北西部のトリノを中心とするピエモンテ州で高級ワインを産します。特に著名なワインとしては、トスカーナ地方の「キャンティ (Chianti)」があります。
また発泡性ワインは「スプマンテ (Spumante)」と呼ばれ、ピエモンテ州のアスティ産が逸品です。
- ベルモット (Vermouth) = 白ワインにニガヨモギなどのハーブを配合して作る酒で、アルコール度数は16〜18%程度です。
語源はドイツ語の「ニガヨモギ」から来ており、17世紀からトスカーナ地方で作られています。食前酒やカクテルの材料に使われます。
- グラッパ (Grappa) = ワインを醸造した後に生じるブドウの絞りかすを再発酵、蒸留して作ったブランデーです。
アルコール度は40%程度で、大半は樽発酵させないので、非常にドライで荒々しい風味です。
イタリア・旅の雑学
- トレビの泉の作法
- コインの投げ入れは、後ろ向きで、右手で、左肩越しに行います。
1回投げるとローマ再訪が叶い、2回投げると恋が叶い、3回投げると離婚が叶うといわれます。
- ベネチアのゴンドラ
- 中世から伝わる水上移動用の舟です。
その当時から裕福な市民が飾り立て競争に走ったため、16世紀に黒一色にするよう法律が作られました。
現在は歌を聞かせながら案内する観光用になっています。
市内の至る所で乗ることができますが、トラブルを避けるには、観光客の多いサンマルコ広場から乗るのが安全といいます。
値段は交渉次第ですが、6人まで1時間弱で60〜90ユーロ程度が相場です。
- ベネチアのアクア・アルタ
- 毎年10月から4月にかけてベネチアは「アクア・アルタ」という潮位上昇で町が水浸しになります。
なにせ町自体が海抜ゼロmに近く、地形的にアドリア海の最奥のため、満潮に気圧や風向の条件が重なって年に数十回発生します。
サン・マルコ広場が一番被害を受けやすいといいます。
通常は数10cmの浸水ですが、1966年には194cmのアクア・アルタが発生し都市機能がマヒしました。地盤沈下も進行、また地球温暖化の海面上昇もあり、今後は頻度、規模とも増える傾向になるものと思われます。
- ベローナのジュリエット像
- ベローナの「ジュリエットの家」のバルコニー下にブロンズ製のジュリエット像があります。
右胸を触ると幸せに結婚できるといわれ、多くの人に触られた結果ツルツルになっています。
- ナポリのカメオ
- カメオはナポリといわれますが、正確にはベスビオ山の南西麓の海岸の町トッレ・デル・グレコです。
地中海の貝を彫り上げる職人の工房が集まっています。
- カプリ島の「青の洞窟」
- カプリ島最大の人気スポット「青の洞窟」は、洞内から外を見たときに美しい青に見えることで有名です。
洞の入口は幅2m、高さ1mの小さなものですが、内部は奥行き54m、高さ15m、幅30mあります。
観光は洞窟の近くから4人づつ手漕ぎボートに乗って行います。
波が高い日は入れないため、観光ができるのは一年の1/3くらいといいます。
- シチリアのマフィア
- 19世紀のイタリア統一後、貧困にあえぐ農村を国家に代わって盗賊被害から守り、地主から強引に報酬を奪う「用心棒」組織として生まれたのが「マフィア」で、以後麻薬の密輸などを行う犯罪組織に変貌したといわれます。
現地人も恐れていますが、観光時に巻き込まれる可能性は少ないと見ていいようです。
- パスタの食べ方
- 日本ではスパゲッティなどを食べる時には、フォークにスプーンを添えて「上品そうに」食べるのが作法のように思われています。
現地ではスプーンを使うのは、子供か、「フォークだけで食べられない田舎者」とみなされます。スプーンは使わないほうがいいでしょう。
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