フランス旅行のいろいろ情報
フランスの料理
特徴
あえて言うまでもない、西洋を代表する料理です。国際的な会合での正式な食事もフランス料理で行われます。
フランス革命後に、職を失った宮廷料理人たちが町でレストランを開いて、これが庶民の料理として広がったものといわれています。
フランスは自給率の高い農業国で、穀物、野菜、果物が豊富、また大西洋や地中海の海産物、さらに内陸の鳥獣肉類とチーズやバターなどの乳製品、ワイン、川魚と、ありとあらゆる食材に恵まれています。
また、珍味といわれるフォアグラ、トリュフ、エスカルゴといった特産物もあります。
調理はバターと、何百種類ともいわれるソースを使って、高い調理技術で、多様な料理を作り出しています。
フルコースの順序が決まっていて、1)オードブル、2)スープ、3)魚料理、4)肉料理とサラダ、5)ソルベ(シャーベット)、6)ロティ(肉のローストか蒸し焼き)、7)デザート、8)チーズ、9)フルーツ、10)コーヒー、の順です。
もちろん、すべてがこのように出てくるわけではなく、4)、6) はどちらかを省略したり、主菜を肉か魚のいずれかにすることがあります。
フランス料理も地方によって特徴があります。
- ノルマンジー地方 = フランス北西部の酪農地帯で乳製品の産地です。バターや生クリームがよく使われ、名産の蒸留酒カルバドスも料理に使われます。
- ブルターニュ地方 = 北西部の半島で、大西洋の魚介類が豊富で、特産のそば粉も使います。
- ロワール川流域 = フランス中央部から西部で、川カマスなど白身の川魚料理が特徴です。
- ブルゴーニュ地方 = パリの南東部で、ワインの産地。赤ワインの煮込み料理が名物です。
- プロバンス地方 = 地中海沿岸地方で、オリーブ油やハーブ、ニンニクを使うのが特徴です。暑さに弱いバターや生クリームはあまり使われません。
フランスの名物料理
- ポトフ (Pot au Feu) = フランス家庭料理の代表です。牛肉と野菜を塩とコショウでじっくり煮込んだシチューで、「火にかけた鍋」の意です。
- トリープ・ア・ラ・モード・ド・カン (Tripes à la Mode de Caen) = ノルマンジー地方の町カンの料理です。
牛の胃袋を野菜とともにカルバドスやブイヨンなどで煮込んだものです。
- ガレット (Galette) = ブルターニュ地方の名物で、ソバ粉のパンケーキです(小麦粉のパンケークが「クレープ」です)。
名物のリンゴの発泡酒「シードル」を飲みながら、ハムやチーズ、野菜などを巻いて食べます。
- ブフ・ブルギニョン (Boeuf Bourguignonne) = ブルゴーニュ地方の料理で、牛肉の赤ワイン煮込みです。
- エスカルゴ・ア・ラ・ブルギニョン (Escargots à la Bourguignonne) = ブルゴーニュ地方の料理です。殻付きエスカルゴの口に、バター、ニンニク、パセリ、エシャロットなどを混ぜて作った「エスカルゴ・バター」で蓋をしてオーブンで焼いたものです。
- コック・オー・ヴァン (Coq au Vin) = ブルゴーニュ地方の料理で、鶏肉の赤ワイン煮です。
- シュークルート (Choucroute) = アルザス地方の料理です。発酵させた酢キャベツで、ドイツの「ザウアークラウト」にあたります。
そのままでも、また塩漬け肉やソーセージなどと煮たりして食べます。
- ラタトゥイユ (Ratatouille) = プロバンス地方の料理です。ナス、トマト、ピーマン、ズッキーニなどの野菜をオリーブ油で炒め、深鍋に入れて野菜自身の水分で煮込んだものです。
- ブイヤベース (Bouillabaisse) = 南仏マルセイユの名物料理です。
各種の魚介類をタマネギやニンニクなどと鍋で煮てサフランやローリエで香りをつけ、身が崩れるまで煮込んでスープを食します。
好みに応じて「ルイユ」という唐辛子入りのマヨネーズ風調味料を混ぜます。
- カスレ (Cassoulet) = 南仏ラングドック地方からピレネー山地にかけての料理です。白インゲン豆と肉類を煮込んだものです。
フランスのワイン
高品質のワイン (Vin) を産するフランスは、生産量ではイタリアと並ぶ世界の双璧で、全土に産地が分布します。
AOC(原産地呼称統制)の規定をクリアしたワインだけがラベルに産地を表示できます。("Appellation
地名 Controlee"と表示)
生産地は、地方→地区→村と限定されるほど規定が厳しくなります。
- シャンパーニュ地方 = 通称「シャンパン」といわれる発泡性ワインが特徴です。
フランス北西部の冷涼な気候で、天候に左右されます。
毎年の出来のばらつきを複数年代物でブレンドして品質を保っています。
- ブルゴーニュ地方 = 「ワインの王」と称され、ボルドーと双璧をなすワインを産します。
酸味が利いた赤、辛口の白が特徴です。
軽いタイプの赤を産するボージョレ村の新酒「ボージョレ・ヌーボー」は有名です。(毎年11月第3木曜日に販売解禁)
- ジュラ / サボワ地方 = ブルゴーニュ地方の東、スイス近くの地域です。
軽めの白が特徴です。「ヴァン・ジョーヌ」という個性的な黄ワインもあります。
- ロワール川地方 = 香り高い赤、さわやかな白が味の特徴です。
アンジュで産する半甘口のロゼも有名です。
- アルザス地方 = ドイツの影響が強く、ほとんどが辛口の白を産します。
ブドウの品種がワイン名となります。
- ボルドー地区 = 「ワインの女王」と称されるフランス・ワインの最高峰です。
タンニンが多い渋みのある赤が主流です。ソーテルヌでは極甘の貴腐ワインを産します。
古くからブドウの栽培からワインの生産まで一貫して行う「シャトー」とよばれる醸造所が多くあります。
- ローヌ川流域 = フランス中南部で、北部は高級ワイン、南部は大量生産という作り方です。
南部は温暖で完熟するためアルコール度が高く、味が濃厚です。
- プロバンス地方 = 日差しが強く温暖で、完熟します。ロゼが主流です。
- ラングドック・ルシヨン地区 = フランス南部でブドウがよく育ち、フランスの生産量の4割を占めます。日常的で安価なワインが主流ですが、AOC昇格のものも増えています。
フランスのその他の酒
高品質のワイン (Vin) を産するフランスは、生産量ではイタリアと並ぶ世界の双璧で、全土に産地が分布します。
AOC(原産地呼称統制)の規定をクリアしたワインだけがラベルに産地を表示できます。("Appellation
地名 Controlee"と表示)
生産地は、地方→地区→村と限定されるほど規定が厳しくなります。
- コニャック (Cognac) = フランス南西部のコニャック地方で作られる上質のブランデーです。
ブドウの蒸留酒で、ブドウの品種や地域、製造法が規定され、それに合うものだけが「コニャック」と呼べます。アルコール度数は規定で40%以上とされ、通常40〜43%のものがほとんどです。
熟成年数によって「VSOP」や「ナポレオン」などのランクが付けられます。
- アルマニャック (Armagnac) = フランス南西端のアルマニャック地方で作られる上質のブランデーです。
コニャックが2〜3回蒸留するのに対して、アルマニャックは1回だけです。
柏材の樽で熟成させるため、香りが強く辛口で、製法にばらつきがあるため良否の差が大きく出ます。
アルコール度数は40%以上と規定され、これも原産地統制があります。
- シードル (Cidre) = ノルマンジー地方、ブルターニュ地方で作られる醸造酒です。
リンゴ果汁を自然発酵させたもので、アルコール度は4〜5%と低く弱発泡性です。
- カルバドス (Calvados) = シードルを2度蒸留して作る蒸留酒です。
樫の木の樽で熟成するために、黄褐色で独特の香りを持っています。
アルコール度は42〜45%程度で、これも原産地統制があります。
フランス・旅の雑学
- パリでのショッピング
- シャンゼリゼやルーブル、マレ界隈以外では日曜、祝日は一般の小売店、デパートは休みになりますので注意が必要です。
買物スポットとしては目抜き通り以外に、シャンゼリゼの北にはアーケードのような屋根付き商店街の「パサージュ」または「ギャラリー」がいくつもあります。
また食料品、花、古本など同種の店の集まる市「マルシェ」が市内の至る所にあります。
- シャンソニエとキャバレー
- いずれもパリを代表するナイト・スポットです。
シャンソニエは弾き語りのシャンソンが聴ける酒場で、夜9時頃から開きます。
モンマルトルにある「オ・ラパン・アジル」はピカソやユトリロも訪れたという有名どころです。
キャバレーは華やかなショーを見ながらディナーやお酒が飲める場所で、芸術として女性も楽しめます(日本のキャバレーとは違います)。
有名店はホテルや旅行代理店で予約が必要です。またキャバレー鑑賞の付いたバス・ツアーもあります。
モンマルトルの丘の麓の「ムーラン・ルージュ」はフレンチ・カンカンで有名です。
- TGV
- フランスの高速鉄道で、フランス語では「テジェヴェ」と発音します。
1981年にパリ〜リヨン間で当時の日本の新幹線を上回る最高速度260km/hで開業し、現在はパリを中心に国内各都市に路線を増やしていて、国内の移動には非常に便利です。
現在は最高速度320km/hの営業運転(日本の新幹線は300km/h)を行っています。
日本の新幹線が在来線とは完全別線を建設して全車が電車の方式に対し、TGVは中間の客車を両端の機関車がひっぱり、都市部は在来線、郊外で専用の高速線を走る方式をとっています。
在来線を使うため、車内は新幹線に比べて幅が約60cmほど狭く、横3列シートと4列シートの車両があり、4列シートではかなり狭いようです。(新幹線普通車は横5列)
日本の新幹線は、開業以来無事故の安全性、優秀性を持ちながら、コスト面や外交の行き詰まりで、TGVの方が海外輸出実績はリードしています。(スペイン、韓国などに輸出。日本は台湾のみ。)
- シャンパン
- シャンパーニュ地方の発泡性ワインです。
17世紀に修道士ドン・ペリニョンによって作られたといわれています。
一旦できたワインを瓶の中で二次発酵させることで作られます。
シャンパーニュ地方の決められたブドウ、製法のもののみ「シャンパン」と名乗ることができ、それ以外は「スパークリング・ワイン」として区別されます。
- ノルマンジーのリンゴ
- ノルマンジーの代表的農産物はリンゴで、土地のケーキにはリンゴを使うものが多くあります。
発泡酒「シードル」、蒸留酒「カルバドス」もリンゴの恵みによります。
- カマンベール・チーズ
- 18世紀の末に、カマンベール村の農婦マリー・アレルが考案したといわれています。
表面を白いカビが覆い、中は柔らかいというもので、今では世界中で作られていますが、「本物」といわれるものはノルマンジーの5つの村で作られるものに限るとされています。
- モン・サン・ミシェルの海
- 島と本土をつなぐ堤防ができて以来砂が堆積し、干満の差が大きい当地で見られた「馬が駆けるように」押し寄せてくる上げ潮があまり見られなくなったため、堤防から橋に替えて本来の姿に戻す環境整備工事が行われています。
- モン・サン・ミシェルのオムレツ
- 1888年に料理人アネット・プーラールがこの地で宿屋を開き、ここで出したのが好評で名物になったといわれています。
ノルマンジーの良質の卵とバターを使っているからだといい、店は現存して賑わっています。
- ディジョンのマスタード
- ディジョンはマスタードの都としても有名です。
色が淡く、滑らかなペースト状でまろやかな辛さがあります。「マイユ社」が老舗です。
- ブルゴーニュのエスカルゴ
- かたつむりの「エスカルゴ」ですが、食べられる種は限られていて「ブルゴーニュ・エスカルゴ」や「プチ・グリ」などわずかで、中でも「ブルゴーニュ・エスカルゴ」が最も大きいものです。
ブドウの葉を食べて育つため、エスカルゴの産地はワインの産地に重なるといいます。
- ペリゴール地方
- ボルドーの東、ラスコーの洞窟などがある地域です。
フォアグラの産地として知られ、近年はトリュフの産地としても知られるようになったそうで、世界三大珍味の2つを有しています。
- プロバンス・プリント
- 南フランスの植物の文様を描いた美しい木綿のプリント生地です。
衣服やテーブルクロスの他、さまざまな生活雑貨に仕立てられます。
15世紀にインド更紗のプリント技術がマルセイユに入り、プロバンス地方の文化として産業になったといわれています。
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