慶州と釜山(韓国の観光地 2)
慶州(ギョンジュ)は、韓国南東部の大都市・大邱(テグ)の東50kmの盆地にある人口28万人の町です。
紀元前57年から935年まで千年にわたって新羅の都として栄えた古都で、市内や郊外に名残が多く残っています。
奈良と姉妹都市で、歴史地区全体は世界遺産となっています。
釜山(プサン)は、韓国の南東岸に位置し、ソウルに次ぐ人口370万人を擁する大都市です。
福岡からの高速船で入ることができる南の玄関口です。
山がちの地形で変化に富んだ海岸線があり、大都市ながら景勝地があちこちにあります。
慶州(ギョンジュ)
- 古墳公園(コブンゴンウォン)【世界遺産】
- 市内南部にある23基の古墳がある広大な公園で、正式名称は「大陵苑(テヌンウォン)」です。
どれも大きな古墳で、すべて王か王族が葬られたものとみられています。
中でも「天馬塚(チョンマチョン)」は、1973年に天を駆ける白馬の図をはじめ、装身具や馬具などが多数発掘された古墳で、内部の見学ができるようになっています。
- 瞻星台(チョムソンデ)【世界遺産】
- 古墳公園の南東にある7世紀前半に造られた天文台跡です。
高さ9mほどのとっくりに似た円筒形で、花崗岩を旧暦の日数である361個積み上げられてできています。東洋では最古の天文台です。
- 雁鴨池(アナプチ)【世界遺産】
- 瞻星台の東にある離宮跡です。
新羅の文武王が674年に三国統一を記念して造ったもので、当時は王族の宴会や賓客の接待などに使われましたが、現在は「臨海殿(イムヘジョン)」の一部と池、庭園が残るのみです。
- 半月城(バンウォルソン)【世界遺産】
- 瞻星台の南東にある新羅王朝の王宮の跡です。
101年に半月の形の敷地に造営されたと言われています。
現在は石垣の一部と、世界最古の氷室といわれる石造りの「石氷庫(ソクビンコ)」が残るのみです。
- 芬皇寺址(ブンファンサジ)【世界遺産】
- 市内東部にある寺の跡です。
634年に創建された新羅の四大寺院の一つでしたが、当時は9層で現在は3層しかない石塔と小さな法堂、井戸が残るのみです。
- 国立慶州博物館
- 市内南東郊にある博物館で、先史時代から新羅に至る文化遺産を展示しています。
1926年に日本総督府の博物館分館として設立されたもので、収蔵点数は3万点を数えます。
遺跡発掘のたびに所蔵品が増えているということです。
- 武烈王陵(ムヨルワンヌン)
- 市の南西2km、仙桃山の麓にある古墳です。
朝鮮半島を統一した新羅29代の武烈王を葬った円墳で直径37m、高さ11mあります。
近くには国内最大の幅2.5m、高さ3.8mの石造りの亀をかたどった台座「亀趺(きふ)」が残されています。
- 仏国寺(ブルグックサ)【世界遺産】
- 慶州の南東12km、吐含山(トアムサン)の西麓にある韓国最大の寺院です。
535年に創建され、建物の内外の装飾は新羅仏教美術の最高峰といわれます。
8世紀には現在の10倍近い規模だったといわれ、壬辰の乱で大半が焼失しました。
1968年から発掘調査が行われ、1973年に全伽藍が復元されました。
本堂をはじめ境内の多くの建造物が国宝になっています。
- 石窟庵(ソックラム) 【世界遺産】
- 仏国寺の東、吐含山の尾根の反対側にある人工石窟で、751年に仏国寺の付属施設として造られました。
花崗岩を積み上げてドームのようにし、土をかぶせて石窟のように仕上げてあります。
奥に鎮座する高さ3.4mの釈迦如来坐像は白い花崗岩を丸彫りした傑作で、その周囲を囲む石壁には多くの仏像が彫られています。
- 慶州民俗工芸村
- 仏国寺北西2kmにある工芸品工房の集まった村です。
新羅工芸の伝承と育成を目的に創られ、陶磁器、漆器、仏画、刺繍、竹細工などの工房があります。
見学することもできます。
- 南山(ナムサン)
- 慶州の南郊にある海抜468mの山で、新羅時代の仏教の聖地でした。
この山を中心にした丘陵地帯に100を越える寺院跡が残り、石仏、石塔も多く残っています。
- 鮑石亭(ポソクジョン)
- 慶州の南4km、南山の西麓にある新羅の離宮跡です。
花崗岩を彫って造ったアワビ形の石溝だけが残っています。
溝に水を流して酒盃を浮かべ、詩を詠む宴が行われた場所です。
926年に景哀王が宴の最中に百済兵に急襲され、新羅が滅ぶきっかけになったという歴史があります。
- 普門リゾート(ポムン・リゾート)
- 慶州の東6km、普門湖の東岸に造られたリゾート地です。
ホテル、コンドミニアムなどの宿泊施設や、遊園地の「慶州ワールド」、ゴルフ場、外国人向けカジノなどレジャー施設が集まっています。
釜山(プサン)
- 龍頭山公園(ヨンドゥサン・ゴンウォン)
- 釜山港のすぐ西、標高180mの山の上に広がる公園です。
頂上に高さ120mの釜山タワーがあり、釜山のランドマークとなっています。
壬辰の乱で秀吉軍を破った英雄、李舜臣の銅像も立っています。
- チャガルチ市場
- 釜山港南西の海沿いにある水産市場です。
韓国最大の漁港にふさわしく大変な賑わいをみせており、一般市民も買物ができ、食堂もあります。
- 国際市場(ククチェシジャン)
- 龍頭山公園の西にある商店街です。
「国際市場」というビルを中心に小さなビルが集まっています。
朝鮮戦争後の闇市から始まったため、日用雑貨、衣類、革製品など様々な品物が揃っています。
- 太宗台(テジョンデ)
- 釜山港の南に浮かぶ影島(ヨンド)の南端にある岬で、松や椿に覆われた断崖絶壁が続き、展望台や遊園地などがあります。
影島は本土と釜山大橋で結ばれているので、バスなどで訪れることができます。
- 海雲台(ヘウンデ)
- 市内東部にある砂浜海岸です。
白い砂浜が2kmも続く美しい風景は韓国八景にも選ばれています。
夏は海水浴場で賑わいますが、他の季節でも散策ができます。
ホテルや温泉街もあります。
- 梵魚寺(ポムオサ)
- 市の北部、金井山(クムジョンサン)の東麓にある韓国唯一の禅宗の総本山です。
678年に創建しましたが壬辰の乱で焼失し、1613年に再建されたものです。
広大な境内にかつては360もの仏殿や仏舎がありましたが、現在は大雄殿と3層石塔、一柱門などが残っています。
釜山近郊の各地
- 通度寺(トンドサ)
- 釜山の北40kmにある寺です。
646年に唐から仏舎利を持ち帰った慈蔵律師が建立した名刹で、壬辰の乱で焼失し17世紀にに再建されました。
仏舎利が本尊のため仏像はありませんが、境内には30を超える大小の仏舎があります。
- 海印寺(ヘインサ)【世界遺産】
- 釜山の北西100km、大邱の西40km、伽倻山(カヤサン)南の山中にある寺です。
802年創建ですが、何度も戦火で焼失し、そのたびに再建されてきました。
境内には、中心となる「大寂光殿」をはじめ、90余の仏舎や山門があります。
81258枚の版木に経文が彫られて納められている「八万大蔵経(パルマンテジャンギョン)」は必見です。
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