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ギリシャの国旗 ギリシャ西部と北部(ギリシャの観光地 2)

アテネ近郊

ピレウス (Πειραιας / Pireas)
アテネ中心部の南西10km、海岸部にある港です。エーゲ海各地へ向かう船がここから発着する島巡り観光の拠点です。
周辺にはヨットハーバーやカフェなどもあり、港町として散策することもできます。
ダフニ修道院 (Μονη Δαφνιου / Daphni Monastery)【世界遺産】
アテネ中心部の北西8kmにあるビザンチン様式の修道院です。1080年の創建で、改修がありましたが比較的原形を留めています。
中央の丸屋根が特徴で、壁と天井に描かれた「旧約聖書」を題材としたフレスコ画が見ものです。
1999年の大地震で被害を受けたため、現在も長期にわたる修復の最中です。
マラトン (Μαραθωνας / Marathonas)
アテネの北東35kmにある小さな村です。
紀元前490年のペルシャ戦争で、劣勢のアテネ軍がペルシャ軍を打ち破り、勝利を伝える伝令がここからアテネに走って息絶えたという故事から「マラソン」の発祥地となっています。
実際には、1896年の第1回オリンピックでここからアテネまでの競争が行われ、それ以来現在のマラソン競技が確立されました。
観光地としてのマラトンは、当時の古戦場跡が公園として整備されている程度です。
スニオン (Σουνιου / Sounion)
アテネの南東70km、エーゲ海に向かって突き出す半島の先端にある岬です。
高さ60mの断崖の上に、紀元前5世紀に造られた海神ポセイドンを祀る「ポセイドン神殿」が建っており、15本の柱だけ残っています。
エーゲ海に浮かぶ島々の眺望が素晴しく、特に神殿をバックに沈みゆく夕陽の景観は絶品です。

ペロポネソス半島

ペロポネソス半島 (Πελοποννησος / Peloponnesos) は、アテネの西60km、幅6kmほどの狭い地峡で本土とつながった、九州の半分ほどの面積の半島です。
平地が少なく、ブドウやオリーブなどの栽培が盛んです。
紀元前2000年頃にミケーネ文明が発祥し、紀元前10世紀頃にはギリシャでも有力なスパルタやオリンピアなどの都市国家が生まれています。
半島全域にこれらの遺跡が点在しています。

コリントス運河 (Ισθμος τησ Κορινθου / Korinthos Canal)
アテネの西70km、本土とペロポネソス半島をつなぐ地峡を横断する運河です。全長6.3km、幅25m、深さ8mあります。
運河の両側は切り立った絶壁に仕上げられており、道路橋は水面から50mほどの高さに架かっています。
古代から運河建設の構想はありましたが、現在のものはスエズ運河の開通に触発されて1882年着工、1893年に完成したものです。
コリントス遺跡 (Κορινθος / Korinthos)
アテネの西80kmの町コリントスの南西7kmにある遺跡です。
紀元前9世紀頃のドーリア人の都市国家で海上貿易で繁栄しましたが、紀元前146年にローマ帝国によって破壊され、紀元前44年にカエサルが再建しました。発掘は19世紀末から行われています。
「古代のコリントス (Αρχαιασ Κορινθου / Ancient Korinthos)」といわれる地域には、紀元前6世紀建造で7本の柱が残る「アポロン神殿」、紀元前5世紀の「野外劇場」、1世紀のローマ時代の「アゴラ(広場)」や「音楽堂」、貯水場跡の「ペイレーネの泉」、「グラウケーの泉」などが残っています。
また「考古学博物館 (Αρχαιολογικο Μουσειο / Archaeological Museum)」には当地の出土品が展示されています。
「古代のコリントス」の南西3kmには、「アクロコリントス (Ακροκορινθοσ / Akrokorinthos)」があります。
標高575mの山の頂上にある遺跡で、神域としてのアクロポリスとしてギリシャ時代に造られましたが、中世には要塞として使われました。
ミケーネ遺跡 (Μυκηνες / Mycenae)【世界遺産】
コリントス遺跡の南西25kmの丘陵地にある遺跡です。紀元前20世紀頃に興り、紀元前16〜13世紀頃に最盛期だったミケーネ文明の中心地です。
1876年にドイツ人考古学者シュリーマンによって発掘され、それまで伝説とされたホメロスの叙事詩に登場する「トロイ戦争」が史実として証明されました。
遺跡の入口には石を積み上げ、獅子のレリーフがある「獅子の門」があり、敷地内には、「王宮跡」や黄金のマスクなどの財宝が出土した多くの「円形墳墓」、保存状態の良い石室式の集合墳墓「アトレウスの宝庫」などの遺構が残っています。
なお出土した財宝は、多くがアテネの「国立考古学博物館」に収められています。
ナフプリオン (Ναυπλιο / Nafplio) 
ミケーネ遺跡の南20km、アルゴリコス湾に面する風光明媚な町で、リゾート地ともなっています。
14世紀にはベネチアに占領され、16世紀からはトルコ支配となった歴史を持ち、1830年のギリシャ独立時に最初の首都とりました。旧市街には当時建設された国会議事堂や学校などが残っています。
18世紀にベネチア軍が造った要塞があり、町の西に突き出す岬の高台に「パラミディ要塞 (Παλαμηδι / Palamidi)」、湾内の小さな島に「ブルジイ要塞 (Μπουρτζι / Bourtzi)」があります。
ティリンス遺跡 (Τιρυνς / Tiryns)【世界遺産】
ナフプリオンの北5kmにある遺跡です。ミケーネ文明時代の城塞都市の一つで、1885年にドイツ人考古学者シュリーマンに発掘されました。
「キュクロペスの城壁」といわれる多くの石を積み上げて造った堅固な城壁に囲まれ、敷地の南側に宮殿跡が残っています。
エピダウロス遺跡 (Επιδαυρος / Epidavros)【世界遺産】
ナフプリオンの東北東30kmにある遺跡です。紀元前6世紀頃から医療の神アスクレピオスを祀る地となり、当時の総合医療センターの役目を果たしました。
中心には紀元前5世紀に造られ、台座だけ残る「アスクレピオス神殿跡」があり、そのそばに紀元前4世紀建造でギリシャで最も保存状態が良い「円形劇場」があります。1万4千人収容でき、舞台の肉声が観客席の隅々まで届く音響のよさを誇っています。
その他、病院やリハビリセンター、浴場などの施設跡が残っています。
スパルタ (Σπαρτη / Sparta)
ナフプリオンの南西70kmにある人口1万4千ほどの町です。
紀元前10世紀頃に北方から侵入したドーリア人が、先住民のアカイア人を奴隷として建てた都市国家があった地です。
市民は生後に虚弱者は遺棄され、幼少から鍛錬を受け、質実剛健に育成されたといい、ここから「スパルタ教育」の語ができました。
「人が城壁」という考え方で堅固な城壁は造られなかったため、郊外に野外劇場などわずかな遺跡が残るのみです。
ミストラ遺跡 (Μυστρας / Mystras)【世界遺産】
スパルタの西6km、タイゲトス山脈の東斜面に造られたビザンチン時代の廃都です。
1249年にフランク族が城塞を築いたのが始まりで、15世紀にはビザンチン帝国の文化の一大中心地となりましたが、1770年にアルバニア軍の侵攻で廃墟となりました。
最古の「聖テオドリ教会」、5つのドームの「聖ディミトリオス教会」など、ギリシャ正教の教会遺跡が点在します。
オリンピア遺跡 (Ολυμπια / Olympia)【世界遺産】
ペロポネソス半島北西部、コリントスの西120kmの山間にある遺跡で、ゼウス信仰の中心地だった地です。
紀元前20世紀頃から建設が始まり、紀元前776年から紀元後393年まで293回にわたってゼウスに捧げる古代オリンピック競技会が開かれたことで有名です。
基壇だけ残る「ゼウス神殿跡」を中心に、現代のオリンピックの聖火が採火される場所で遺跡中最古の「ヘラ神殿」、3万人収容で直線192mのトラックがある競技場「スタディオン」、紀元前2世紀の室内練習場「ギムナシオン」など古代オリンピック関連施設の遺構が残っています。
遺跡の他に、近代オリンピックを復活させた「クーベルタン男爵の碑」や、「考古学博物館」、「オリンピック競技博物館」などもあります。

ギリシャ西部から北部

デルフィ遺跡 (Δελφοι / Delphi) 【世界遺産】
アテネの北西130km、標高2457mのパルナッソス山 (Παρνασσος / Parnassos) 南西麓の谷の斜面にある都市国家遺跡です。
紀元前20世紀頃に造られ、「世界のヘソ」としてアポロン信仰の中心地として栄えました。
遺跡の中心にある「アポロン神殿」は最初は紀元前6世紀に建てられ、以後火災や地震による倒壊で、紀元前370年建造のものが残っています。
60m×23mの神殿遺構には6本の列柱が残り、周辺は神域とされていた場所です。神域のそばには、巫女や参詣者が身を清めた「カスタリアの泉」があります。
都市遺構部分には、紀元前4世紀建造で5千人収容の「野外劇場」や、紀元前5世紀建造でオリンピックの原型となるピュティア祭に使われた競技場「スタディオン」などがあります。
遺跡へは急な山道を登りますが、その沿道には宝物館や記念像跡が点在します。
麓の町には遺跡の出土品を展示する「デルフィ博物館」があります。
オシオス・ルカス修道院 (Μονη Οσιου Λουκα / Ossios Loukas Monastery)【世界遺産】
デルフィの南東30km、山間部にあるビザンチン様式の修道院です。
10世紀の聖人オシオス・ルカスを祀って10世紀半ばに造られたもので、ドームを持つ八角形の聖堂と小さな教会から成ります。
内部は黒大理石造りで、金を使った絢爛たるモザイク画やフレスコ画などで飾られています。
メテオラ (Μετεωρα / Meteora)【世界遺産】
アテネの北西280km、ギリシャ本土の中央部にある高さ400mの不毛の岩山の上に造られたビザンチン時代の修道院群です。
10世紀頃、巨大な塔のように屹立する岩山群の洞穴で僧が修行をしたのが始まりで、14世紀に”より神に近づきたい”思いから、岩山の頂上に24の修道院が建てられたものです。
6つの修道院が見学できますが、現在も修道院として存続しているのは5つで、元来滑車やはしごでしか登れませんでしたが、今は観光用に石段が付けられています。
最大の修道院は「メガロ・メテオロン修道院」で博物館や図書館があります。その他、「バルラアム修道院」、「ルサヌー修道院」、「アナパフサス修道院」、「聖ニコラス修道院」、「聖ステファノス修道院」が見学できます。
メテオラの麓には観光拠点の町カランバカ (Καλαμπακα / Kalambaka) があります。
オリンポス山 (Ολυμπος / Olympos)
アテネの北北西300km、ギリシャ北中部にそびえる標高2917mの国内最高峰です。頂上付近は急峻な峰が並び、冬季は雪で覆われます。
古代からゼウスをはじめとする神々が住むとされる神聖な山で、初登頂は1913年です。
周辺は国立公園に指定され、山麓には植物の固有種が生育し、エコツアーなどが実施されています。
テッサロニキ (Θεσσαλονικη / Thessaloniki)
ギリシャ北部、エーゲ海北西部の奥にある港湾都市で、人口100万人を擁するギリシャ第2の都市です。
紀元前316年にマケドニアのカッサンドロス王が建設したのが始まりで、良港を有するため現在に至るまで地中海とバルカン半島と結ぶ交易拠点として重要な町とされ、周辺諸国との争奪戦が繰り返されました。
市街はローマ・ビザンチンやトルコ文化の色が強く、5世紀創建の「聖ディミトリオス教会(世界遺産)」、4世紀建造で皇帝の墓陵だった「ロトンダ(世界遺産)」、かつての城壁の一部だった塔「ホワイト・タワー」など歴史的建造物が点在します。
ペラ遺跡 (Πελλα / Pella)
テッサロニキの西北西40km、田園地帯にある遺跡です。
紀元前4世紀のアレキサンダー大王の生地で、紀元前4世紀に古代マケドニア王国の首都がアイガイから遷都されたという地です。
正確に東西南北を向いた碁盤目状の街路遺構があり、床に描かれた美しい細密なモザイク画が見所です。
隣接の博物館には「獅子狩をするアレキサンダー」など傑作のモザイク画が収められています。
ベルギナ遺跡 (Βεργινα / Vergina)【世界遺産】
テッサロニキの西南西60kmにある遺跡です。
紀元前7世紀頃建設された古代マケドニア王国の最初の首都だったアイガイがこの近辺にあるとされ、ギリシャの考古学者アンドロニコスが発掘の結果、マケドニア王フィリポス2世の墓と発表してからいまだ議論が続いています。
王墓とされる発掘跡が博物館になっており、石造りの玄室や豪華な副葬品を見ることができます。


ギリシャの観光地

ギリシャ西部、北部の地図

修復中のダフニ修道院修復中のダフニ修道院
(Photo Daphni Monastery undergoing restoration by gypsy in moda)

スニオンの岬スニオンの岬
(Photo Cape Sounio, Attiki, Greece by Tilemahos Efthimiadis)

古代のコリントス古代のコリントス
(Photo Ancient Corinth by Ploync)

ミケーネ遺跡の獅子の門ミケーネ遺跡の獅子の門
(Photo Lion Gate, Mycenae by Sharon Mollerus)

スパルタの遺跡スパルタの遺跡
(Photo sparta greece by DON PUGH PERTH)

オリンピア遺跡、ヘラ神殿オリンピア遺跡、ヘラ神殿
(Photo Greece 2006 115 Olympia by David Holt London)

デルフィ遺跡、アポロン神殿デルフィ遺跡、アポロン神殿
(Photo Temple of Apollo, Delphi by PapaPiper)

オシオス・ルカス修道院オシオス・ルカス修道院
(Photo DSCN9347.JPG by Elisa atene)

メテオラメテオラ
(Photo Great Meteora Monastery by fran001@yahoo.com)

ペラ遺跡、モザイクのある床ペラ遺跡、モザイクのある床
(Photo The House of Dionysos, built in 325-300 BC, Ancient Pella by carolemadge1)

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