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オーストリアの国旗 ザルツブルク周辺(オーストリアの観光地 3)

ウィーンが「音楽の都」ならば、神童モーツァルトを輩出した ザルツブルク は「音楽の巡礼地」といわれます。

ザルツブルク (Salzburg) は、オーストリア中北部、ウィーンの西250kmにある人口15万人ほどの町です。
市内をザルツァハ川 (Fluss Salzach) が流れ、すぐ西はドイツと国境を接しています。
「塩の砦」の意そのままに、有史から岩塩の採掘で栄えた地です。

モーツァルトが1756年に生まれて25歳まで住んでいた町で、音楽の聖地として愛好家が集まり、とりわけ夏の「ザルツブルク音楽祭」の時期は大変な混雑になります。
また大指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンの生地でもあり、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台としても有名です。

ザルツァハ川の南側が「旧市街 (Altstadt)」、北側が「新市街 (Neustadt)」と分かれ、両者をあわせた中心部の歴史地区が世界遺産に登録されています。

なお、標準ドイツ語では "Sa" は「ザ」と濁りますが、当地方の日常語では濁らず「サルツブルク」と発音するようです。

ザルツカンマーグート (Salzkammergut) は、ザルツブルクの東方、2千m級のアルプスの山々に囲まれ、標高500〜800mの高原に多くの湖が点在する景勝地域です。
景勝地巡りの他、温泉や登山、ハイキングなどのアクティビティもあります。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台となった地域です。

ザルツブルク旧市街

大聖堂 (Dom)【世界遺産】
旧市街の中心に建つ聖堂です。
774年に聖ヴィルギルが建立し、12世紀にはロマネスク様式に改築、1598年に火災で焼失後、1628年にバロック様式で再建されました。
6千本のパイプを持つヨーロッパ最大のパイプオルガンや宝物を展示する博物館などの見所をはじめ、モーツァルトが洗礼を受けたという洗礼盤など興味深いものがあります。
レジデンツ (Residenz)【世界遺産】
大聖堂の北西側にある、12〜19世紀に当地を支配した歴代大司教が住んだ宮殿です。
現在の建物は17世紀初め頃のもので、豪華な内装の180余の部屋があり、中世絵画のギャラリーもあります。見学はガイドツアーのみです。
東側の「レジデンツ広場 (Residenzplatz)」には、中央にバロック様式の「レジデンツ噴水 (Residenzbrunnen)」や、ベルギー製の35個の鐘がついた時計がある鐘楼「グロッケンシュピール (Glockenspiel)」があります。
ザンクト・ペーター教会 (St.Peterskirche)【世界遺産】
大聖堂の南西側にある、7世紀末に造られた国内最古のベネディクト派の教会です。12世紀以後何度も改築され、ロマネスクやバロックなどさまざまな様式が混在します。
裏手の多くの著名人が眠る墓地は美しい墓碑や花壇があり、映画「サウンド・オブ・ミュージック」のロケも行われた場所です。
ホーエンザルツブルク城塞 (Festung Hohensalzburg)【世界遺産】
大聖堂の南、約50mほどの高さの丘・メンヒスベルク (Mönchsberg) に建つ城塞です。
皇帝派と教皇派が対立していた1077年にザルツブツクの大司教が建設を始め、以後600年にわたって大司教の居城として増改築が行われました。中部ヨーロッパでは最大規模で保存状態も良く、内部は博物館や礼拝堂、拷問室などの見学ができます。
眺望も良く、コンサートも開かれます。大聖堂近くからケーブルカーで登れます。
ゲトライデ通り (Getreidegasse)【世界遺産】
レジデンツの少し北から、西へ約400m続く旧市街のメインストリートです。
レストランや高級ブティック、民族衣装の店などが並び、どの店も伝統的な鋳物の看板を出しています。
沿道に「市庁舎」や「モーツァルトの生家」などのスポットがあり、いつも賑わっています。
モーツァルトの生家 (Mozarts Geburtshaus)【世界遺産】
ゲトライデ通りの中ほどにある、モーツァルトが1756年に生まれて17歳まで過ごした家です。
オレンジ色の6階建てで博物館となっており、部屋が保存され、当時のバイオリンやピアノ、自筆の楽譜などが展示されています。
祝祭劇場 (Festspielhaus)【世界遺産】
大聖堂の西0.3km、メンヒスベルクの丘の麓にある、夏の「ザルツブルク音楽祭」の会場となるホールです。
1693年に建造されたかつての大司教の厩舎を改造したホール「フェルゼンライトシューレ (Felsenreitschule)」に、1924年完成の「祝祭小劇場」、1960年完成の「祝祭大劇場」の3ホールがあります。
音楽祭は1920年が最初で、第二次大戦中に中断はありましたが、毎年7月末から8月に世界の一流オーケストラや歌劇団、演奏家によるコンサートや演劇が行われます。

ザルツブルク新市街

ミラベル宮殿 (Schloss Mirabell)【世界遺産】
大聖堂の北西0.7km、新市街の中心部にある宮殿です。
1606年にディートリヒ大司教が、愛人サロメ・アルトとその子供たちのために建てたもので、巨費を投じて非難を浴びたといわれます。
1818年に火災で焼失しましたが再建し、美しい「天使の階段」は創建当時の姿を残しています。
周囲は美しい庭園となっており、映画「サウンド・オブ・ミュージック」では「ドレミの歌」のシーンがここで撮影されています。
モーツァルト博物館 (Mozart Wohnhaus)【世界遺産】
ミラベル宮殿の南東、「マカルト広場 (Makartplatz)」に面して建つ博物館です。
モーツァルトが17〜25歳の期間を過ごした家で、初期から中期の作品をここで多く生み出しました。
第二次大戦の戦火を受けて1996年に博物館として再建され、自筆の楽譜や書簡、楽器の展示などがあります。
モーツァルテウム (Mozarteum)【世界遺産】
マカルト広場の西にある1914年設立の音楽院です。
研究機関とともに、ザルツブルク音楽祭で室内楽コンサートが行われるホールがあります。
マリオネット劇場 (Marionettentheater)【世界遺産】
モーツァルテウムのそばにある人形劇の劇場です。1913年創設の世界でも著名な人形劇場で、精巧な人形で本格的にオペラやバレエを演じます。
年間160回ほどの公演があります。

ザルツブルク近郊

ヘルブルン宮殿 (Schloss Hellbrunn)
旧市街の南南東5kmにある宮殿です。
1619年にシティクス大司教が建設した離宮で、建物は天井画のある大広間や八角堂が見所です。
バロック様式の庭園がハイライトで、すべて水力による遊び心あふれる噴水や仕掛けがあちこちに造られています。
オーベルンドルフ (Oberndorf)
ザルツブルクの北20kmにある小さな村で、聖歌「聖しこの夜」が誕生した地です。
1818年のクリスマスイブに礼拝堂のオルガンが壊れ、ミサで歌えるよう司教の友人グルーバーが作ったギターで歌える曲が「聖しこの夜」でした。
当時の礼拝堂は後に洪水で流され、その後現在の「聖夜の礼拝堂 (Stille Nacht Kapelle)」が建てられています。
ハライン (Hallein)
ザルツブルクの南15kmにある町で、南郊にザルツブルクの繁栄を支えた岩塩坑があります。
12世紀頃にはすでに操業の記録があり、1989年までは実際に操業していました。
見学ツアーがあり、坑道や地底湖の見学の他、順路途中には作業者が坑道を降りるのに使っていた滑り台を体験できます。

ザルツカンマーグート

フッシュル湖 (Fuschlsee)
ザルツブルクの東20kmにある、長さ4km、幅1km足らずの小さな湖です。ザルツカンマーグートの入口にあたり、周辺は自然保護地域になっています。
湖畔に15世紀の古城を利用したホテルがあります。
モント湖 (Mondsee)
フッシュル湖の東8kmにある、長さ10km、最大幅2kmの湖です。
北岸の町モントゼー (Mondsee) には、映画「サウンド・オブ・ミュージック」で結婚式を挙げたシーンで使った教会があります。
ヴォルフガング湖 (Wolfgangsee)
フッシュル湖の南東8kmにある、長さ12km、最大幅2kmでザルツカンマーグート中で最も美しいといわれる湖です。
北西端にはモーツァルトの母の生家があるザンクト・ギルゲン (Sankt Gilgen)、東岸中央部には中世の美しい街並みの町ザンクト・ヴォルフガング (Sankt Wolfgang) があります。
ザンクト・ヴォルフガングは、1930年にラルフ・ベナツキー作のオペレッタの舞台となった瀟洒なホテル「白馬亭 (Hotel Weißes Rössel)」が人気で、北にそびえるシャーフベルクへの登山鉄道も出ています。
シャーフベルク (Schafberg)
ヴォルフガング湖の北5kmにある標高1783mの山で、頂上からはザルツカンマーグートの主な湖とアルプスの山々の大パノラマが眺められます。
ザンクト・ヴォルフガングから登山鉄道で登れ、途中の花畑は映画「サウンド・オブ・ミュージック」にも登場します。
アッター湖 (Attersee)
モント湖の東10kmにある、南北20km、最大幅3kmのザルツカンマーグートでは最大の面積を持つ湖です。
鉄道や高速道路からのアクセスが便利で、宿泊施設やキャンプ場、スポーツ施設などが充実しています。
画家クリムトが夏を過ごした地として知られています。
バート・イシュル (Bad Ischl)
ザンクト・ヴォルフガングの東15kmにある町です。人口1万5千人のザルツカンマーグート最大の町で、古くからの温泉保養地です。
塩分の強い低温の温泉が湧き、入浴施設や飲泉所があります。
トラウン湖 (Traunsee)
アッター湖の東20kmにある、南北15km、最大幅2kmの湖です。
北端の町グムンデン (Gmunden) は陶器の産地で、作曲家のシューベルトやブラームスが一時住んだことがあります。
ハルシュタット (Hallstatt)【世界遺産】
バート・イシュルの南20km、ハルシュタット湖 (Hallstätter See) の西岸にある人口2千人の小さな町です。切り立った斜面の麓にある街並みと周囲の自然が保護された、世界で最も美しい湖岸といわれる景観を持ちます。
世界最古の紀元前10世紀頃から岩塩の採掘が行われて栄えた歴史を持ち、近くの岩塩坑のガイドツアーもあります。
鉄道で訪れる場合は、列車は湖の対岸に着いて、渡し舟で町に入ります。
ゴーザウ湖 (Gosausee)
ハルシュタットの西南西15kmにある湖です。標高935mでザルツカンマーグートでは最も高く、場所的にも一番の奥地にあり、手付かずの自然の中の美しい湖です。
標高2995mのダッハシュタイン (Dachstein) と標高2455mのゴーザウカム (Gosaukamm) に囲まれ、これらの山々を望む景観が写真などによく登場します。
湖は入口に近い「前ゴーザウ湖 (Vorderer Gosausee)」と奥にある「後ゴーザウ湖 (Hinterer Gosausee)」に分かれています。
ダッハシュタイン (Dachstein)【世界遺産】
ゴーザウ湖の南にそびえる標高2995mの山です。
アルプス最東端の氷河があり、ロープウェーで山頂に登ることができます。


オーストリアの観光地

ザルツブルク中心部の地図


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大聖堂とメンヒスベルク上のホーエンザルツブルク城塞大聖堂とメンヒスベルク上のホーエンザルツブルク城塞
(Photo Salzburg Dom and Fortress by Anthony J)

レジデンツレジデンツ
(Photo 2004-04-18 Salzburg 004 Dom by Allie_Caulfield)

ゲトライデ通りゲトライデ通り
(Photo DSC_0118 by Trishhhh)

ミラベル宮殿と庭園ミラベル宮殿と庭園
(Photo Mirabell Gardens, Salzburg by heatheronhertravels)

モーツァルト博物館、彼の使ったピアノモーツァルト博物館、彼の使ったピアノ
(Photo Mozart WohnHaus: Museum by razvan.orendovici)

オーベンスドルフ、聖夜の礼拝所オーベンスドルフ、聖夜の礼拝所
(Photo Stille Nacht Kapelle by Scarygami)

ザルツカンマーグートの地図


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ウォルフガング湖ウォルフガング湖
(Photo 110912_Salzkammergut 06 by weisserstier)

シャーフベルクの展望台シャーフベルクの展望台
(Photo DSC_8551 by brandiatmuhkuh)

ハルシュタットハルシュタット
(Photo Hallstatt by sanderovski)

ダッハシュタインの展望台ダッハシュタインの展望台
(Photo DACHSTEIN by Wolfgang Wildner by Wolfgang Wildner)

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