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トルコの国旗 カッパドキアとトルコ中央部(トルコの観光地 2)

アンカラ

アンカラ (Ankara) は、イスタンブールの東南東350km、アナトリア高原 (Anatolia / Anadolu) 東部の標高850mにある人口500万人の首都です。
旧市街は紀元前3世紀にケルト人が造った町で、ローマ帝国時代にはアナトリア地方の中心地でした。
オスマン・トルコ時代は重要性が低下しましたが、ケマル・アタチュルクの独立戦争の基地となって重要性を回復し、1923年の現トルコ共和国成立時にイスタンブールから遷都されました。
トルコの中で最も近代的な建物の多い町です。

アタチュルク廟(アヌトゥカビル) (Anitkabir)
新市街中心部の西の高台にある、現トルコ共和国建国の父ケマル・アタチュルクの霊廟です。1938年の死去の後、1944年から1953年にかけて建設されたものです。
広大な敷地の中央にギリシャ神殿のイメージを持つ現代風の巨大な廟があり、広い参道が続いています。
本人の愛用品や贈られた品々、写真パネルなどを展示する博物館があります。
アンカラ城 (Ankara Kalesi)
市街北部、旧市街が広がるウルス (Ulus) 地区の東の丘の上にある城塞跡です。
紀元前3世紀にガラテア人が建設したもので、ローマ帝国時代からビザンチン、セルジュク・トルコ時代まで改修、増築が行われました。
城塞には4つの小さな門があり、内部は住民も暮らすひとつの閉鎖的な町を形作っています。
アナトリア文明博物館 (Anadolu Medeniyetleri Müzesi)
アンカラ城の南にある1923年開館の博物館です。
アナトリア地方で出土した遺物を多く収蔵しています。特に紀元前1700年ごろから数百年続いたヒッタイト王国時代の遺物が充実しています。
なお建物は古い隊商宿を改造したもので、屋根には10のドームが並んでいます。
ローマ浴場跡 (Roma Hamami)
アンカラ城北西2kmにあるローマ帝国時代の浴場遺跡です。
3世紀にカラカラ帝によってローマ兵士の保養のため造られたもので、冷水浴、温水浴、サウナといった浴室があったといわれています。
基礎部分と1階部分が残っています。
ユリアヌスの柱 (Julianus Sütunu)
ウルス地区にある高さ15mの石柱です。ローマ皇帝ユリアヌスの来訪を記念して362年に造られたといわれています。
柱の頂上に木の葉の飾りが彫られています。

アナトリア高原北部

サフランボル (Safranbolu)【世界遺産】
アンカラの北150km、山間の谷間に広がる静かな小さな町です。
17〜19世紀頃のオスマン・トルコ時代に造られた独特の木造家屋が多く残り、石畳や坂道のある美しい街並みが世界遺産になっています。
19世紀の知事の邸宅だった「カイマカムラル・エビ (Kaymakamalar Evi)」は当時の生活を再現した博物館になっており、昔の建物をホテルやブティックなどに改装して使っているものもあります。
なお地名は、昔からサフランの産地であったことから付けられています。

アナトリア高原中央部

ハットシャシュ遺跡 (Hattusas)【世界遺産】
アンカラの東150kmにある村・ボアズカレ (Bogazkale) (ボアズキョイ (Bogazköy) ともいいます)の南郊にある遺跡です。
紀元前17世紀頃に人類最初の鉄器文化を生み出したヒッタイト王国の都の跡です。
南北2.5km、周囲6kmの範囲はところどころに門が設けられた城壁が囲み、内部は神殿や建物の土台だけが点在しています。
敷地からは多量の楔形文字の書かれた粘土板が発見されています。
20世紀初めから発掘が始められ、現在も未発掘部分があるということです。
なお周辺には北3kmに「ヤズルカヤ (Yazilikaya)」、北35kmに「アラジャホユック (Alacahöyük)」というヒッタイト遺跡があります。
コンヤ (Konya)
アンカラの南220km、12〜13世紀にセルジュク・トルコの都だった町で、当時の建造物が多く残っています。
町の中心に1220年創建のイスラム寺院「アラアッディン・ジャミイ (Alaeddin Camii)」があり、その北に博物館となっている「カラタイ神学校 (Karatay Madrasa)」、西にも「インジェ・ミナーレ神学校 (Ince Minare Madrasa)」があります。
またこの地でその当時誕生した異色のイスラム神秘主義教団の祖メブラーナの霊廟で、現在博物館となっている「メブラーナ博物館 (Mevlana Dergahi)」が有名です。
なおメブラーナ教団は、音楽にあわせて旋回して踊るのが特徴です。

カッパドキア

カッパドキア (Kapadokya/Cappadocia) は、アンカラの南東200km、アナトリア高原の中南部に250kuにわたって「妖精の煙突」といわれるキノコやロウソクの形をした奇岩が無数に屹立する地域で、世界遺産に登録されています。
太古の火山活動で形成された凝灰岩が風雨で浸食を受け、岩盤の固い部分が残されたものです。
風変わりな自然の彫刻に、中世以後イスラムの迫害を受けたキリスト教徒が地形を利用した穴居生活を送った歴史も加わった、一種独特な観光スポットとなっています。
西側にある町、ネウシェヒール (Nevsehir) が観光の拠点になります。
なお、2015年にネウシェヒールの地下で新たに巨大な地下都市跡が発見されました。

ウチヒサール (Uçhisar)【世界遺産】
ネウシェヒールの東7km、町の中心に大きな一枚岩の岩山がそびえ、中をくり貫いて多くの部屋や住居を造り、全体で要塞となっている町です。
ヒッタイトの時代から造られたという古い歴史を持ちます。
岩山の中を通って頂上に登ることができ、カッパドキア全体を展望することができます。岩山自体、カッパドキアのどこからでも見えるランドマークとなっています。
裏側は岩を彫った鳩の巣があり、フンを採取して付近のブドウ畑の肥料としているそうです。
ギョレメ (Göreme)【世界遺産】
ネウシェヒールの東10km、カッパドキアの中央にある町です。
4世紀以後イスラムの迫害を逃れ、奇岩に洞窟を掘って造ったキリスト修道院や教会が多く造られた地域で、その数は300ほどあり「ギョレメ野外博物館 (Göreme Açikhava Müzesi)」として公開されています。
洞窟教会の内部壁面には色鮮やかなフレスコ画が描かれています。
保存状態が良い教会として、「エルマル・キリセ (Elmali Kilise /リンゴ教会)」、「ユランル・キリセ (Yilanli Kilise /蛇教会)」、「ジャルクル・キリセ (Carikli Kilise /サンダル教会)」などがあります。
オルタヒサール (Ortahisar)【世界遺産】
ギョレメの南東3kmにある岩山を要塞とした町です。
ウチヒサールに比べて岩山の高さは低いですが蜂の巣のように穴があけられ、まわりにマッチ箱のような住居が密集しています。
クズルチュクール (Kuzilçukur)【世界遺産】
オルタヒサールの北3kmにある奇岩が広がる渓谷です。全般に岩の色がピンク色をしており「ローズ・バレー」ともいわれます。
頂上が平らなテーブル状の岩山があり、夕陽に染まる景観が非常に美しいスポットです。
ユルギュップ (Ürgüp)【世界遺産】
ギョレメの東10kmにある町で、カッパドキアの東の拠点になっています。
町の中まで奇岩が入り込み、付近に「妖精の煙突」などを見ることができます。
かつての住居や教会として使われた洞窟があちこちにあります。これらの洞窟をホテルや民宿として、宿泊体験できるところもあります。
付近はワインの産地で、ワイナリーもあります。
ゼルベ野外博物館 (Zelve Açikhava Müzesi)【世界遺産】
ギョレメの北東5kmにある奇岩が林立する景観が最も有名な渓谷で、そのまま野外博物館となっています。
「妖精の煙突」も多数点在し、岩山には1950年代まで人が住んでいたという無数の洞窟が掘られていて、多数の修道院跡もあります。
広さの点ではギョレメを凌いでいます。しかし岩の浸食が進み、崩落の危険が進んでいるため、政府は見学の中止の検討も始めているといわれます。
アバノス (Avanos)
ギョレメの北10kmにある町です。
町を東西に流れるクズルルマック川 (Kizilirmak) で鉄分を含んだ粘土が採れるため、陶器の産地となっています。工房の見学もできます。
地下都市 (Yeralti Sehri / Underground Cities)【世界遺産】
カッパドキア全般に点在する、イスラムの迫害を逃れるためにキリスト教徒が地下に造った都市です。
アリの巣のように、通路を何階にもめぐらして通気孔を通し、住居や台所、貯蔵庫などの他にワイナリーなども完備して数万人もの人が暮らしたといわれています。
20ほどの町があったといわれ、主な町はネウシェヒール南20kmのカイマクル (Kaymakli)、その南10kmのデリンクユ (Derinkuyu)、アバノス北10kmのオズコナック (Ozkonak) などです。
ウフララ渓谷 (Ihlara Vadisi)
ネウシェヒールの南西110kmにある渓谷です。
メレンディズ川(Melendiz Suyu)が12kmにわたって深さ100m、幅100〜150mほどに浸食してできたものです。
谷底の川岸沿いには樹木が繁り、4kmほどのトレッキング・コースがあります。
川沿いの絶壁には岩を掘って造った教会や病院、住居の洞窟が点在します。


トルコの観光地

トルコ中央部の地図

アタチュルク廟アタチュルク廟
(Photo DSC04550.JPG by willismonroe)

アンカラ城アンカラ城
(Photo ankara kalesi by Ömer Ünlü)

サフランボルの街並みサフランボルの街並み
(Photo IMG_0896 by samurai_dave)

コンヤ、メブラーナ博物館コンヤ、メブラーナ博物館
(Photo Konya Mevlana Museum by diaper)

ウチヒサールウチヒサール

ギョレメギョレメ
(Photo GOREME by mekiaries)

クズルチュクール、ローズ・バレークズルチュクール、ローズ・バレー
(Photo Rose Valley, Cappadocia by surrealpenguin)

ゼルベ野外博物館ゼルベ野外博物館

カイマクルの地下都市カイマクルの地下都市
(Photo Passageway in the underground city of Kaymakli, Cappodocia, Turkey by Alaskan Dude)

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