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タイの国旗 タイ北部(タイの観光地 3)

スコータイ

スコータイ (Sukhothai) は、タイ中北部、バンコクの北400kmにある古都です。
1238年にカンボジア支配からタイ族によるはじめての王朝の都が置かれた地です。
1438年に王位後継者が途絶えてアユタヤ朝に併合されるまでに、仏教の導入や、タイ文字の誕生など、現在のタイ文化の基礎ができました。
現スコータイ近郊の「スコータイ遺跡公園」と、北方の拠点都市遺跡「スィ・サッチャナライ遺跡公園」が観光のポイントです、これらは世界遺産に登録されています。

スコータイ遺跡公園 (Sukhothai History Park)【世界遺産】
スコータイ市街の西12kmにあるかつての都の市街跡です。
東西1.8km、南北1.4kmのほぼ長方形の外側を3重の城壁で囲み、その内部と周辺に主なもので130近い遺跡が残っています。
ワット・マハタート (Wat Mahathat)【世界遺産】
旧市街跡のほぼ中央部にある、スコータイの最大の王室寺院跡です。
1345年の創建で、200m四方の敷地に本堂と185の仏塔、18の聖堂があり、現在はかなり朽ち果てています。
仏塔は頂上にハスのつぼみの飾りのあるスコータイ様式で、クメールやスリランカ様式の建造物も見られます。
ワット・スィ・サワイ (Wat Sri Sawai)【世界遺産】
ワット・マハタートの南、旧市街の南端にある寺院跡です。
スコータイ王朝成立以前の12〜13世紀にクメール人によって建てられたもので、トウモロコシの形をしたクメール様式の塔堂が並び、他のスコータイの建造物とは感じが違います。
ワット・サー・シー (Wat Sra Sri)【世界遺産】
ワット・マハタートの北西、池の中央の小島にある寺院跡です。
スリランカ様式の仏塔と、釈迦の座像があります。
ワット・スィ・チュム (Wat Sri Chum)【世界遺産】
城壁の北西角の外にある寺院跡です。
壁に囲まれた32m四方の本堂いっぱいに、高さ15mの漆喰の大仏座像「アチャナ仏」が置かれています。
壁の中には大仏の頭が見える頂上に登る階段があります。
ラームカムヘン国立博物館 (Ramkhamhaeng National Museum)【世界遺産】
城壁の南東角の外にある博物館です。
1964年の開館で、スコータイ周辺の出土品を見ることができます。
また遺跡の修復前の写真が展示され、修復の大変さを感じ取ることができます。
スィ・サッチャナライ遺跡公園 (Sri Satchanalai History Park)【世界遺産】
スコータイ新市街の北50kmにある、スコータイ時代の第2の都市の遺跡です。
歴代王の息子が統治し、軍事、交易上の重要な拠点だったといわれています。
約1km四方の城壁に囲まれた都市遺跡の内外に140近い遺跡が残っています。
なお現在のスィ・サッチャナライの町は、この北西10kmにあります。
ワット・チャン・ローム (Wat Chang Rom)【世界遺産】
遺跡公園の北東部にある、スィ・サッチャナライの中核となった寺院跡です。
1286年にラームカムヘン王が創建したといわれています。
39頭の象の彫刻がが支える基壇の上に、スリランカ様式の釣鐘形の仏塔が立っています。
ワット・チェディ・チェット・テーオ (Wat Chedi Chet Thaeo)【世界遺産】
ワット・チャン・ロームの向かいにある寺院跡です。
中央にハスのつぼみの頂上を持つスコータイ様式の仏塔(チェディ)が立ち、あわせて7種類33基の仏塔があります。

ピサヌローク

ピサヌローク (Phitsanulok) は、スコータイの東南東50kmにある町で、一時期スコータイ、アユタヤ両王朝で首都にもなったことがあり、古くから商業都市として栄えてきた町です。
鉄道駅と空港があり、これらの交通機関によるスコータイへの玄関になっています。

ワット・プラ・スィ・ラタナ・マハタート (Wat Phra Sri Rattana Mahathat)
通称は「ワット・ヤイ (Wat Yai)」で、市街の北西部、ナーン川河畔にあるタイ北部随一の寺院です。
1357年創建で、本堂の背後には高さ36mのクメール様式の仏塔と大きな仏像が建っています。
本堂内にある高さ3.5mの仏像「プラブッタ・チナラート」はタイで最も美しい仏像といわれ、ビシュヌ神の化身がその製作を手伝ったという伝説があります。

チェンマイ

チェンマイ (Chiang Mai) は、スコータイの北北西230km、標高300mほどの盆地にある北部の古都で「北方のバラ」と称されます。
13世紀末に建国したランナータイ王国の都で、16世紀にビルマの侵略を受けるまでタイ北部の中心地でした。
スコータイ同様に仏教を採り入れたため、多くの仏教寺院が残っています。
この地方独特の「ランナー文字」を使い、タイ語は通じますがかなり強い方言が使われています。

旧市街
市の西寄りにあるかつての都の中心地です。
一辺約1.5kmのほぼ正方形の敷地が城壁と濠で囲まれ、北、西、東辺の中央と、南辺の2ヶ所に城門があります。
城壁の内側の市街には数十の仏教寺院が点在し、安宿も多くあります。
なお東側の「ターペー門 (Thapae Gate)」は新市街への出口であり、その東側に毎晩開催で観光客も訪れる「ナイト・バザール」があります。
ワット・プラ・シン (Wat Phra Sing)
旧市街の西門「スアンドーク門 (Suan Dok Gate)」の近くにあるチェンマイで最高の格式を誇る寺院です。
1345年にランナータイ朝第4代カムプー王を祀るため建立されました。
本堂の奥には1817年の建造で、市内で最も美しいといわれる「ウィハーン・ライカム礼拝堂」があり、チェンライから伝わった黄金仏「プラ・シン仏」を安置しています。
昔の北部タイの生活様式を描いた壁画も有名です。
ワット・チェディ・ルアン (Wat Chedi Luang)
旧市街のほぼ中央部にある寺院です。
ワット・プラ・シンと並んで格式が高い寺院で、1468年に第9代ティローカラート王が、現在バンコクのワット・プラケオにあるエメラルド仏を最初に祀って建立したものです。
境内に高さ86mのシンボルである仏塔は、16世紀の地震で倒壊していたものをユネスコと日本の援助で1992年に修復したものです。
ワット・チェン・マン (Wat Chiang Man)
旧市街の北東部にある寺院です。
ランナータイ王国の建国者メンラーイ王が都を建設した1296年に建てたもので、チェンマイ最古の寺院です。
本堂には水晶製の「プラ・セータンカマニ−」と、大理石製の「プラ・スィラー・カオー」という2対の仏像が納められています。
これらは4月13〜15日の「ソンクラン祭(水掛祭り)」に登場することで有名です。
ワット・スアン・ドーク (Wat Suan Dok)
旧市街の外、「スアンドーク門」の西1kmにある寺院です。
1383年に第6代クーナー王が創建したもので、本堂には国内最大といわれる15世紀頃の青銅製の仏像が安置されています。
境内奥に歴代王族の遺骨を納めた3つの白い仏塔があります。
ワット・チェット・ヨート (Wat Chet Yot)
旧市街の北西2kmにある寺院です。
1455年の創建で、1477年には仏教経典の編纂が行われたところです。
建物の上に大小7本の仏塔が立っているのが特徴で、建物の壁面には合掌する神々のレリーフが一面にちりばめられています。
ワット・プラ・タート・ドイ・ステープ (Wat Phra That Doi Suthep)
旧市街の西北西15km、標高1073mの山、ドイステープの中腹にある寺院です。
1383年に第6代クーナー王が仏舎利を納めるために造ったもので、中央に仏舎利を納める黄金に輝く仏塔があり、多くの建物が並んでいます。
参道は約300段のけわしい階段を登るか、ケーブルカーでも登ることができます。市内を一望できるスポットでもあります。
メーサ・エレファント・キャンプ (Maesa Elephant Camp)
旧市街北西20kmのメーサ渓谷にある、数十頭の象をトレーニングするセンターです。
象が芸をするショーがあり、近くから象に餌をあげることもできます。
また象に乗ってジャングルをトレッキングすることもできます。
オーキッド・ファーム(蘭園) (Orchid Farm)
メーサ・エレファント・キャンプの東5kmにある、ランの栽培農園です。
温室風の造りの中にタイで見られるほとんどの種類の蘭が見られます。園内では南国の蝶も飛んでいます。

タイ北部国境地帯

チェンライ (Chiang Rai)
チェンマイの北東160kmにあるタイ最北県の中心地で、1262年にメーンライ王がランナータイ王国建国時に最初に都を置いた町です。
町の中心に「メーンライ王の銅像」が建ち、中心となる寺院「ワット・プラ・シン (Wat Phra Sing)」、エメラルド仏が最初に祀られた「ワット・プラ・ケオ (Wat Phra Kaeo)」、市街北西の河畔の丘に建つ「ワット・プラ・タート・ドイ・トーン (Wat Phra That Doi Thong)」といった仏教寺院が点在します。
またカレン族、リス族、モン族、アカ族、ヤオ族など少数山岳民族を訪問するツアーも出ています。
また1990年にタイのアーティストによって創建されたという白い寺院「ワット・ロンクン (Wat Rong Khun)」も人気の観光スポットになっています。
メーサイ (Mae Sai)
チェンライの北60km、メーサイ川に臨むミャンマーとの国境の町です。
タイ最北端の標識や、タイ、ミャンマー、中国の民芸品店などがあり観光客で賑わいます。
橋を渡ってミャンマー側の町タチレクを日帰りで訪ねることもできます。
国境地帯の川をめぐるボートツアーも出ています。
チェンセーン (Chiang Saen)
チェンライ北東50km、メコン川に臨むラオスとの国境の町です。
ランナータイ時代に国境警備のために造られた古い町で、いくつも仏教寺院があります。
ランナータイ王朝の工芸品を集めた「チェンセン国立博物館」も見所です。
町の北8kmのメコン川とルアク川の合流点が、タイ、ミャンマー、ラオスの国境が交わる「ゴールデン・トライアングル」で、ボートツアーが出ています。
かつてこの地域は悪名高いアヘンの原料のケシの生産地でしたが、タイでは厳しく取り締まられて撲滅されました。
ただミャンマーやラオス側では依然ケシ栽培地があるらしく、麻薬を勧めてくる者もいるそうなので注意が必要です。
メーホンソン (Mae Hong Son)
チェンマイ北西120km、ミャンマーとの国境近くにある山間の町で、住民の半分近くがビルマ系のシャン族というビルマ文化の影響が濃い町です。
霧が多く幻想的で静かなたたずまいが特徴です。
町の南西の山の頂にある白亜のビルマ風寺院「ワット・プラ・タート・ドイ・コン・ムー (Wat Phra That Doi Kong Mu)」、南東部にある屋根に銀の装飾が美しい隣り合う2つの寺院「ワット・チョン・クラン (Wat Chong Klang)」と「ワット・チョン・カム (Wat Chong kham)」など多くの寺院があります。
また北西25kmには、1980年代のミャンマーからの政治難民で、女性が首を長くするように真鍮の首輪を何重にも巻く習慣のあるパダウン (Pa Dong) 族の村があります。


タイの観光地

タイ北部の地図


スコータイ、ワット・マハタートスコータイ、ワット・マハタート
(Photo by 日本アセアンセンター (c)ASEAN-Japan Centre)

ワット・スィ・サワイワット・スィ・サワイ
(Photo by 日本アセアンセンター (c)ASEAN-Japan Centre)

スィ・サッチャナライ遺跡公園スィ・サッチャナライ遺跡公園
(Photo by 日本アセアンセンター (c)ASEAN-Japan Centre)

仏像「プラブッタ・チナラート」仏像「プラブッタ・チナラート」
(Photo Phitsanulok, Thailand by Stefanie Weijsters)

チェンマイ、ナイト・バザールチェンマイ、ナイト・バザール
(Photo by 日本アセアンセンター (c)ASEAN-Japan Centre)

ワット・プラ・シンワット・プラ・シン
(Photo DGJ_3920 - Bye to Wat Phra Singh by archer10 (Dennis))

ワット・プラ・タート・ドイ・ステープワット・プラ・タート・ドイ・ステープ
(Photo Doi Suthep-12 by travelinknu)

メーサ・エレファント・キャンプメーサ・エレファント・キャンプ
(Photo by 日本アセアンセンター (c)ASEAN-Japan Centre)

チェンライ・白い寺チェンライ・白い寺
(Photo Doi Suthep-12 by travelinknu)

ゴールデン・トライアングルゴールデン・トライアングル
(Photo Golden Triangle, Thailand-30.jpg by Ryan Harvey)

パダウン族の女性パダウン族の女性
(Photo IMG_0552 by beggs)

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