トロントとナイアガラ(カナダの観光地 1)
トロント (Toronto) は、北アメリカの五大湖のうち、一番東にあるオンタリオ湖 (Lake Ontario) の北西岸にある人口260万人の大都市で、カナダ経済の中心地です。
周辺の人口をあわせると600万人が集中するカナダ最大の都市圏となっていて、北米ではニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴに次ぐ規模です。
18世紀のイギリス人入植者をはじめとして各国の移民が多い町として知られ、「人種のモザイク」と称されます。
英語圏に属し、カナダで唯一野球の大リーグ球団の本拠地のある都市でもあります。
日本からの直行便が入る町で、「ナイアガラの滝」観光や「メープル街道」の出発点としての拠点ともなっています。
トロント
- オンタリオ州議事堂 (Legislative Assembly of Ontario)
- ダウンタウンの中心部、楕円形のクイーンズ・パーク (Queen's Park) の中央にあるオンタリオ州の議事堂です。
1893年に完成したロマネスク様式で、外観は茶色の砂岩を使い、内部は大理石が多く使われており、夜は美しくライトアップされます。
ガイドツアーがあります。
- ロイヤル・オンタリオ博物館 (Royal Ontario Museum)
- クイーンズ・パークの北側にある国内最大級の博物館で、頭文字をとって"ROM"とも呼ばれます。
1914年の開館で、考古学、生物学、美術の分野の600万点の収蔵品があります。
古代から清の時代にわたる中国美術のコレクションは欧米一といわれます。
- オンタリオ美術館 (Art Gallery of Ontario)
- クイーンズ・パークの南1kmにある美術館で、頭文字をとって"AGO"とも呼ばれます。
イギリスの彫刻家ヘンリー・ムーアのコレクションでは世界屈指を誇ります。
ヨーロッパの絵画からカナダ作家の作品、イヌイットの芸術なども収蔵しています。
- 市庁舎 (City Hall)
- オンタリオ美術館の東南東0.7kmにある、1965年に完成した庁舎です。
設計コンペで選ばれたフィンランドの建築家の作で、湾曲した形状の2つの高層ビルの間にドーム型の議事堂がある構造になっており、別名「カキの殻」といわれます。
近くには1899年に建てられた旧市庁舎も残っています。
- ケンジントン・マーケット (Kensington Market)
- オンタリオ美術館の西0.7kmにある市場です。
古着屋が集まる市場として有名で、他に食料品やカフェなども軒を連ねます。
1930年代まではユダヤ人街でしたが、ポルトガル系や西インド諸島系などの移民が入り込んで、さまざまな人種のマーケットとなっています。
- CNタワー (CN Tower)
- クイーンズ・パークの南2.5km、国鉄トロント駅の近くに立つ高さ553mの電波塔で、世界屈指の高さを誇ります。"CN"とはカナダ国鉄の略称です。
展望台は高さ346mと447mの位置にあり、トロント一の眺望を誇り、天気の良い日にはナイアガラの滝も遠望できます。
市内のどこからでも見えるランドマークです。
- ロジャーズ・センター (Rogers Centre)
- CNタワーのそばにある世界初の開閉式屋根のドームスタジアムで、別名「スカイ・ドーム (Sky Dome)」とも呼びます。
野球の米メジャーリーグで唯一のカナダの球団、ブルージェイズの本拠地です。見学ツアーがあります。
- ヨーク砦 (Fort York)
- CNタワーの南西1.5km、オンタリオ湖畔にある要塞跡です。
1793年にアメリカからの防衛のため、イギリス軍が建造したものです。
1812年の米英戦争で破壊されましたが、1815年に再建、1934年には史跡となりました。
当時の兵舎や大砲が残り、その頃の兵士の衣装を着たスタッフによるガイドツアーがあります。
- ハーバーフロント (Harbourfront)
- 国鉄トロント駅の南側、オンタリオ湖沿いに1976年に再開発されたウォーターフロント地区です。
ブティックやレストランなどが建ち並び、骨董品屋が並ぶアンティーク・マーケットもあります。
桟橋からは湖のクルーズ船も発着します。
- トロント・アイランド (Toronto Islands)
- ハーバーフロントから2kmほど沖に防波堤のように囲む島々です。
かつては陸続きだったものが1853年に嵐で切り離された地で、公園やビーチがある市民のオアシスになっています。
ハーバーフロントからフェリーで約10分です。ここから市街の夜景もきれいです。
- オンタリオ・プレイス (Ontario Place)
- ハーバーフロントの西3km、オンタリオ湖岸近くの3つの人工島に造られた広大なレジャーパークで、コペンハーゲンのチボリ公園を模したといわれます。
遊園地の他、ドーム型の映画劇場や野外音楽堂、円形劇場などもあります。
- カーサ・ロマ (Casa Loma)
- クイーンズ・パークの北西2km、小高い丘にあるネオ・ゴシック形式の館です。
ナイアガラの水力発電で財を成したヘンリー・ペラットが1914年に建てた邸宅で、98の部屋を持つ城のような建物です。
贅の限りを尽くし、建設費がかさんで本人は破産して居住ができなかったということですが、歴史的価値のある建築物として保存されています。
- オンタリオ・サイエンス・センター (Ontario Science Centre)
- 市街の北東10kmにある科学博物館です。自分で操作して体験的に科学が学べるコンセプトの科学館です。
建物も未来都市を思わせるデザインで、1969年に日系のレイモンド・モリヤマ氏によるものです。
ナイアガラの滝
ナイアガラの滝 (Niagara Falls) は、トロントの南80kmのオンタリオ湖対岸、南のエリー湖 (Lake Erie) からオンタリオ湖に注ぐ約50kmのナイアガラ川 (Niagara River) の中間付近にある世界3大瀑布の一つです。
川の真ん中にゴート島 (Goat Island) があり、その西側(左岸)に「カナダ滝 (Canadian Horseshoe Falls)」、東側(右岸)に「アメリカ滝 (American Falls)」があります。
川の西岸がカナダ、ゴート島を含めた東岸がアメリカという両国の国境にもあたります。
滝の両岸ともに市街が広がる、町中の大滝です。
- カナダ滝 (Canadian Horseshoe Falls)
- カナダ側にある規模の大きな滝で、高さ56m、幅800mあり、中央が湾曲した馬蹄形になっています。
滝つぼの深さは55mあります。
毎分1億5500万リットルの水が流れ落ち、毎年3cmづつ後退しているといわれ、かつては毎年1mづつ後退したのが、1950年に上流にダムができて水量調節をするようになって現在の状態になったということです。
- アメリカ滝 (American Falls)
- アメリカ側にある滝です。
高さ58m、幅330mで、水量は毎分1400万リットルと、カナダ滝の10分の1以下です。
- テーブル・ロック (Table Rock)
- カナダ滝のそばにある岸から張り出した滝に最も近い展望台です。
観光案内所や土産物屋、レストランなどが入った「テーブル・ロック・ハウス (Table Rock House)」があり、ここから下に降りて滝の裏側に入る「ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズ (Journey Behind the Falls)」があります。
- コニカ・ミノルタ・タワー (Konica Minolta Tower Centre)
- カナダ滝近くにある高さ99m、30階建ての建物です。
日本のコニカ・ミノルタ社がスポンサーをしており、28、29階が展望台、27階がレストランになっています。
滝を真下に眺められます。
- スカイロン・タワー (Skylon Tower)
- カナダ滝の北、対岸のアメリカ滝が正面に見える高さ160mの展望塔です。
景色の見えるエレベーターで登れ、高い位置から滝が眺められます。360度回転するレストランもあります。
- ワールプール・エアロカー (Whirlpool Aero Car)
- 滝の下流約5km、川が流れを変える地点にある空中ゴンドラです。川に直径250mの巨大な渦巻きができる場所で、その真上から見ることができます。
水面からの高さは76mで、約540mの川幅を約10分で往復します。
カナダの観光地