レイキャビク周辺(アイスランドの観光地 1)
レイキャビク (Reykjavik) は、アイスランドの南西部、西に突き出すレイキャネス半島 (Reykjanesskagi)
北岸の付け根にある首都で、首都圏といわれる範囲の人口ですら20万人に満たない小さな町です。
ただこれでも国民の6割がこの地域に集まっているということで、アイスランド自体はいかに人口が少ない国であるかがわかります。
北緯64度8分にあり、世界最北の首都となっています。
国会をはじめ、政府機関がここにすべて集中していますが、どれも非常に小規模です。
しかし普通の都市同様に、ホテルやレストラン、土産物屋などはこの町に集中しています。
かわいいカラフルな建物も多く、激しい雑踏もなく、のんびりとした風情があります。
レイキャビク
- チョルトニン湖 (Tjörnin / The Pond)
- レイキャヴィク市街の中心部、港の近くにある湖で、市民の憩いの場です。
周辺には国会議事堂や市庁舎などがあって、アイスランドの中心部となっています。
東西200m、南北500mほどの大きさで、白鳥や鴨など水鳥が多く生息し、また冬は凍結してスケート場となります。
なお「チョルトニン」はアイスランド語でそのまま「湖」の意味です。
- 国会議事堂 (Alþingi / Althing)
- チョルトニン湖の北にある、1881年に創立の世界最古の議事堂で、議会を意味するアイスランド語で「アルシング」と呼ばれます。
小さな町の役場程度の大きさで、外壁は玄武岩でできています。
- アイスランド国立博物館 (Þjóðminjasafn Íslands / National Museum of Iceland)
- チョルトニン湖の南西にある博物館です。
1863年創館で、バイキング時代の漁船や生活用具の展示や、アイスランドの文化遺産「サガ」の古典の写しなどが見ものです。
- ロイガヴェーグル通り (Laugavegur)
- チョルトニン湖と港の中間付近から東へ走る、市内随一の目抜き通りです。
多くのショップやレストランなどが立ち並んでいますが、道路はあまり広くなく、高い建物もありません。
またレイキャビクは人口1人あたりの書店の数が世界一ということで、書店も多く見かけます。
- ハットルグリムス教会 (Hallgrímskirkja)
- チョルトニン湖の東0.6kmにあるプロテスタント系の教会です。
1945年に着工して1986年に完成した現代的な建物ですが、高さ74.5mはアイスランドで一番高い建築物です。
最上階が展望台になっていて、エレベーターで登ることができます。
- ホブジ・ハウス (Höfði)
- 市北東部、チョルトニン湖の東1.7kmの海岸沿いにある迎賓館です。
1909年にフランス領事館として建てられたものですが、1986年に、アメリカのレーガン大統領とソ連のゴルバチョフ書記長による冷戦終結に向けた会談がここで行われ、以後の歴史に大きな影響を与えたことで知られています。
2009年に火災で屋根が一部焼けましたが、その際内部の貴重な文化財や資料は、消防士や市民によってすべて外に持ち出されて危うく難を逃れました。現在は建物も修復が完了しています。
- ペルトラン (Perlan)
- チョルトニン湖の南東2kmの丘にある熱湯貯蔵ステーションです。郊外の地熱発電所から送られた熱水がここの6つのタンクに集められ、市内に供給されています。
25mの高さの中央の建物は複合施設となっていて、歴史博物館のほかに最上階の回転レストランでは市内を一望できる展望台となっています。
丘の西側にはレイキャビク空港があります。
- アゥルバイル屋外民族博物館 (Árbæjarsafn)
- レイキャビクの中心部から東南東7kmにあるアイスランドの伝統や歴史的遺物を保存するテーマパークです。
国内各地にあった古い教会や民家を移築または復元し、伝統的な生活様式を紹介しています。
また伝統工芸品や料理の実演販売、民族衣装を着た人々のフォークダンスなども見ることができます。
- エーシャ山 (Esja)
- レイキャビクの北東20km、台地状に広がる山です。
最高地点は標高918m、レイキャビク市内からは湾をはさんだ対岸に見え、その荘厳な姿で「ミス・マウンテン」と呼ばれます。
13人のサンタクロースが住むといわれて市民に親しまれています。
ゴールデン・サークル
ゴールデン・サークル (The Golden Circle) は、レイキャビクの東方30〜80kmの範囲にある、大陸プレートの割れ目や間欠泉など、世界でも珍しい自然景観が見られる観光エリアです。
アイスランド観光では欠かせないスポットが点在して、これらをめぐるツアーも多くあります。
- シンクヴェトリル国立公園 (Þingvellir National Park)【世界遺産】
- レイキャビクの東北東40〜50kmの範囲に指定された国立公園です。
溶岩の平原が広がっていて、930年に世界最初の民主議会「アルシング」を開き、憲法を制定したというアイスランドが誇る史跡があり、その場所に国旗が立てられています。
またこの一帯は大西洋の海嶺が表面に出ている場所で、「ギャウ」と呼ばれる "地球の裂け目" があちこちで見られます。(アイスランドの他の地域でも見られますが、ここの裂け目が最大です。)
南方には、アイスランド最大の天然湖「シンクヴァトラヴァトン湖」(Þingvallavatn) が広がっています。
- ゲイシール (Geysir)
- シンクヴェトリルの東40kmにあるアイスランドを代表する間欠泉群です。
10ほどの間欠泉がありますが、代表名のゲイシール間欠泉はかつて70mの高さまで吹き上げていましたが現在は弱まって、日に1度程度しか噴出しません。
代わりの主役は、数分おきに30mほど吹き上げるストロックル間欠泉 (Strokkur) となっています。
周辺には、温泉の湧き出ている泉があちこちにあります。
- グトルフォス (Gullfoss)
- ゲイシールの東10kmにある滝です。
氷河から流れ出た水が幅70m、数十mごとの階段状の溶岩層を豪快に流れ下っています。
落差は1段目で約15m、2段目で約30mあります。
アイスランド語で「黄金の滝」の意で、水煙が晴れた日には虹がかかり黄金色に輝くことからこの名が付けられています。
- クヴェラゲルジ (Hveragerði)
- レイキャビクの東南東40kmにある小さな町で、地熱を利用してグリーンハウスで果樹や野菜、花の栽培が盛んです。
アイスランドの中でもオーロラ観測がしやすい町として知られています。
なお周辺には温泉があちこちに湧き出ていて、天然の露天風呂としてバックパッカーの人気があります。
- ケリズ火口湖 (Kerið)
- クヴェラゲルジの北東20kmにある、3千年前の噴火でできた火口に水がたまったカルデラ湖です。
カルデラの深さは55mで直径270m、湖の直径は170mほどです。
赤褐色の岩壁に緑色のコケが生えた急斜面の内壁と、深緑色の水面のコントラストが美しい景観を作っています。
レイキャビク周辺
- ブルーラグーン (Bláa lónið / Blue Lagoon)
- レイキャビクの南西40km、レイキャネス半島南西部の内陸にある温泉リゾートです。ケフラヴィーク国際空港が北西15kmにあります。
自然湧出の温泉ではなく、隣接するスヴァルトセンギ地熱発電所で使う地下の熱水を利用した温泉施設です。
50mプール4個分にあたる5000平方メートルの湖が、発電所から排出された熱水でできた世界最大の露天風呂で、水着着用で利用します。
塩分を含み、沈殿した白い泥もミネラルを豊富に含み、皮膚病治癒に効果がありとされています。そのためヨーロッパ各地からの湯治客も多いリゾートです。
- クヴァールフィヨルズル (Hvalfjörður)
- レイキャビクの北20km付近から、北東に向かって30kmほど入りこむフィヨルドで、幅は3〜5kmほどです。
最奥部には198mと国内一の高さをもつグリムール滝 (Glymur) があります。
夏には多種類のクジラが泳ぐことで有名で、名前もアイスランド語で「鯨の峡湾」の意味です。
近年、フィヨルドの口近くに、横断する海底道路ができ、西北部への交通が便利になりました。
- ボルガルネース (Borgarnes)
- レイキャビクの北50km、フィヨルドの北岸から南に突き出す小さな岬にある町です。
人口はわずか1900人ほどですが、商工業の盛んな町で、北西部観光の拠点にもなっています。
ホテルもいくつかあり、シーズンにはホテルの窓からもオーロラが見えます。
- レイクホルト (Reykholt)
- ボルガルネースの東北東40kmにある小さな村です。
アイスランドでの歴史上の重要人物で、13世紀の著作家のスノーリ・ストゥルトソンが住んだ街で、博物館があります。また自身が作った温泉プールが残っています。
オーロラ観測のスポットでもあり、日本の国立極地研究所のオーロラ観測点が近郊の農家にあります。
- フロインフォッサル滝 (Hraunfossar)
- レイクホルトの東20kmにある滝です。
溶岩台地を川が侵食し、その険しい岸壁の隙間から台地に浸み込んだ水が、無数の小さな滝となって川に流れ落ちています。
この滝は1kmにわたっていて、アイスランドでも類を見ない光景です。
アイスランドの観光地