ブダペスト(ハンガリーの観光地 1)
ブダペスト (Budapest) は、ハンガリー中北部、ドナウ川の両岸に広がる人口180万人の首都で、西岸の丘が多い「ブダ」地区と、東岸の平坦な「ペスト(ペシュト)」地区に大きくは分かれます。
14世紀から中心は王宮が置かれたブダ地区でしたが、18世紀からは行政組織の置かれたペスト地区の人口が急増し、19世紀世紀中葉にオーストリアから自治権を獲得して両地区は1873年に合併してブダペストとなりました。
ドナウ川沿いの地域と、ブダ地域が世界遺産に登録されています。
ブダペスト市内
- 王宮 (Budavari Palota)【世界遺産】
- ドナウ川西岸、ブダ地区の高さ60mほどの丘の上に建つ宮殿です。
13世紀に建設されたネオバロック様式の建物で、第二次大戦で破壊されて戦後に再建されました。
内部は、歴史博物館、国立美術館、医学歴史博物館、国立図書館が入り、膨大な展示資料や美術品が収蔵されています。
- マーチャーシュ教会 (Matyas Templom)【世界遺産】
- 王宮の北0.5km、王宮の丘にある教会です。
13世紀の創建で、16〜17世紀のオスマン・トルコ占領時代はモスクに改装されました。18世紀にバロック様式で修復され、その後1896年に当初のゴシック様式に改修されました。
高さ88mの尖塔は、15世紀にマーチャーシュ1世が建造したものです。
歴代王の戴冠式が行われた教会です。
- 漁夫の砦 (Halaszbastya)【世界遺産】
- マーチャーシュ教会に隣接して建つ、ネオ・ロマネスク様式の白い砦です。
1902年にハンガリー建国1000年を記念して王宮を囲む城壁の上に建てられたものです。
ハンガリー7部族を象徴する7つの塔があり、内部はレストランやワインバーなどがあります。
展望台からの眺めが良いブダペストでも人気のスポットです。
- セーチェニーくさり橋 (Szechenyi Lanchid)【世界遺産】
- 王宮の東麓、ドナウ川にかかる橋です。
1849年に建造されたブダペスト最古の橋で、建造以前はブダとペストの間は渡し船しかありませんでした。第二次大戦で破壊されて、戦後に再建されています。
2つの石塔とワイヤーで支える吊橋で、長さは370m、幅16mあります。
- 中央広場 (Deak Ter)【世界遺産】
- セーチェニーくさり橋の東0.7kmにある広場で、地下鉄路線も集中するペスト地区の中心地です。
周辺には、19世紀の美しい建物で活気に満ちた「中央市場 (Kozponti Vasarcsarnok)」や、1859年創建のユダヤ寺院「シナゴーグ (Zsinagoga)」などがあります。
- 聖イシュトバーン大聖堂 (Szent Istvan Bazilika)【世界遺産】
- 中央広場の北にある市最大の大聖堂です。
1851年に着工して1905年に完成したネオ・ルネサンス様式の教会で、高さ96mのドームと尖塔があります。
堂内には初代ハンガリー王イシュトバーンの右手首のミイラが安置されています。
- 国会議事堂 (Pariament)【世界遺産】
- セーチェニーくさり橋の北1km、ドナウ川東岸の河畔に建つネオ・ゴシック様式の議事堂です。
1904年に完成したもので、壮麗な外観だけでなく内部も豪華な造りになっています。
長さは268m、奥行き118m、高さ96mという堂々とした姿は、対岸のブダ地区からも眺めることができます。
- 英雄広場 (Hosok Ter)【世界遺産】
- セーチェニーくさり橋の北東3km、広大な「市民公園 (Varosliget)」の入り口に当たる位置にある広場です。
19世紀末の建国1000年を記念して造られました。
中央に高さ36mの塔があり、その頂上に天使ガブリエル像、下に7人のハンガリーの族長の騎馬像や歴代王の像が並びます。
- 市民公園 (Varosliget)
- 英雄広場の東側に広がる南北2km、東西1kmほどの公園です。
緑あふれる市民の憩いの場で、中には動物園や共同浴場もあります。
池に浮かぶ島には、1986年の建国1000年記念にハンガリー国内の美しい建物の様式を集めて造られた「バイダフニャド城 (Vajdahunyad Vara)」があります。
- マルギット島 (Margitsziget)
- セーチェニーくさり橋の北2km,にあるドナウ川の中洲の島です。
幅500m、長さ2.5kmあり、全体が市内で最も美しいといわれる公園になっています。
中世の教会や修道院、バラ園や日本庭園などもあります。
ブダペスト近郊
- アクインクム遺跡 (Aquincum)
- ブダ地区の北10km、オーブダ地区 (Obuda) にある古代ローマ遺跡です。
2〜4世紀頃、ローマ帝国のパンノニア州の都があった地で、ブダペストの起原となる場所です。
巨大な円形劇場をはじめ、神殿、浴場、住居などが残り、当時の道路網や水道設備なども残っています。
出土品は近くの「アクインクム博物館」に収められています。
- ゲデレー宮殿 (Kiralyi Kastely Godollo)
- ブダペスト北東25kmの町ゲデレーにある国内最大のバロック宮殿です。
1720年に建造されたハプスブルク家の宮殿で、ナポレオン侵攻の際は隠れ家にもなりました。
19世紀後半には皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の妻エリザベート妃が好んで過ごした宮殿です。
現在は博物館になっています。
ハンガリーの観光地