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ウズベキスタンの国旗 ウズベキスタン各地

タシケント

タシケント (Tashkent) は、ウズベキスタン東部にある人口220万人を擁する首都で、北西10kmにはカザフスタン、南60kmにはタジキスタンの国境があります。
乾燥して暑い夏と、雨が多い冬という地中海性気候に分類される地域にあり、緑が多く、水も豊かな、ウズベキスタンの中でも恵まれた風土にあります。
古代からこの地域の交易都市として発展してきましたが、支配する国が交代するたびに破壊と再生を繰り返してきました。
現在の町は、1917年のロシア革命以後の社会主義的な町づくりがベースですが、1966年の大地震で壊滅した後に復興した街並みとなっています。
そのため、古い建造物はほとんどありませんが、イスラムの廟や神学校(メドレッセ)が多く点在します。また中央アジアで数少ない地下鉄の走る町です。
スターリンの強制移住政策の結果、多種多様な人種が暮らしているのも特徴です。

ナボイ劇場 (Alisher Navoi Opera and Ballet Theatre)
市の中心部にある大きな劇場で、正式名称は「アリシェル・ナヴォイ・オペラ・バレエ劇場」です。
第二次大戦後に抑留された旧日本軍の捕虜500人が強制労働で建設に参加して、1947年に完成したものです。
劣悪な環境のため、79人もの死者を出しましたが、高い技術力で妥協のない仕事をし、3年の工期を2年でクリア、細部まで完璧に仕上げています。
1966年の大地震では市内の78000棟が倒壊したにもかかわらず、この建物はびくともせず、市民の避難場所にもなりました。
1996年にはカリモフ大統領の指示で、建設にかかわった日本人を「恩人」として讃えるプレートが設置されています。
クカルダシュ・メドレセ (Kukeldash Medressa)
ナボイ劇場の北西2km、旧市街の中心にあるイスラムの神学校です。
16世紀後半に建てられ、現在は200人以上の学生が就学中で、モスクとしても使われます。
チョルスー・バザール (Chorsu Bazaar)
クカルダシュ・メドレセのそばにある市内でも歴史のあるバザールです。
水色のドームとその周辺に店が広がり、様々な果物や香辛料などが売られています。
ハスト・イマーム広場 (Khast Imam Complex)
クカルダシュ・メドレセの北1.5kmにある、イスラム建築が集まっている広場です。
16世紀に建てられた、バラクハーン・メドレセ、ジュマ・モスク、カファリ・シャーシ廟などがあります。

サマルカンド

サマルカンド (Samarkand) は、タシケントの南西250kmにある人口40万人ほどの町です。夏は乾燥した酷暑の一方、冬は寒いという土地です。
紀元前からのオアシス都市で、8世紀にイスラム化、ソグド人によるシルクロードの交易都市として栄えました。
1220年にモンゴル軍に破壊されましたが、15世紀にはチムール朝の首都として再建、17世紀以降は支配する国の交代のたびに盛衰を繰り返しました。
抜けるような青空と、イスラムの青タイルから、「青の都」と呼ばれています。
町は "文化の交差点" として世界遺産に登録され、ウズベキスタン観光のハイライトでもあります。

レギスタン広場 (The Registan Square)【世界遺産】
市の中心、旧市街の真ん中にある広場で、サマルカンドの象徴的な存在です。
広場をコの字に囲むように3つの神学校(メドレセ、マドラサ)が建っています。
西側が「ウルグベク・メドレセ (Ulughbek Medressa)」で、広場で最古の1420年の創建。1階にモスクと講堂、2階に学生寮があります。
北側が「ティラカリ・メドレセ (Tilla-Kari Medressa)」で、1660年創建。天井に金箔をふんだんに使った装飾が施されています。
東側が「シェルドル・メドレセ (Sher-Dor Medressa)」で、1636年創建。イスラムでは珍しいライオンの絵が正面のアーチに描かれています。
グリ・アミール廟 (Guri Amir Mausoleum)【世界遺産】
レギスタン広場の南西1kmにあるチムール一族の墓所です。
1404年にチムールが戦死した孫を悼んで建設し、翌年急死した本人も葬られています。
木製の骨格で補強された青色のドームが特徴です。
ビビハニム・モスク (Bibi-Khanym Mosque)【世界遺産】
レギスタン広場の北北東1kmにある中央アジア最大のイスラム寺院跡です。
チムールが晩年に建設し、王妃ビビハニムの名を冠したものです。
しかし完成の3年後の1405年にチムールが没した後は、巨大な建物の突貫工事だったこともあり、寺院は次々崩れていったといわれています。
1974年から修復が行われていて、青いドームは復元されています。
シャブ・バザール (Siab Bazaar)【世界遺産】
ビビハニム・モスクのすぐ北にあるサマルカンド最大の市場です。
野菜や果物の他、香辛料や穀類、生活用品などが大量に売られています。
サマルカンド名物の分厚いパン「ナン」も売っています。
アフラシャブの丘 (Afrasiab Hill)【世界遺産】
ビビハニム・モスクの北東方に広がる古代都市遺跡のある丘です。
13世紀にモンゴルに破壊されたもともとのサマルカンドの町があったところで、現在も発掘調査が行われています。
麓に出土品を展示する博物館があります。
シャヒージンダ廟群 (Shah-i-Zinda)【世界遺産】
アフラシャブの丘の南麓にあるチムール一族の廟墓群です。
マホメッドの甥クサム・イブン・アバスを丘に祀り、11世紀から20世紀にわたって造られた17の廟と17の回教寺院がすらりと並んでいます。
それぞれの建物は、青い彩色の中世イスラム建築の粋が集められています。
ウルグ・ベク天文台 (Ulugh Beg Observatory)【世界遺産】
ビビハニム・モスクの北東3kmにある天文台の跡です。
1429年にチムールの孫ウルグ・ベクが建設し、かつて30mの高さの建物がありましたが、現在は丸い天文台の基礎部分と六分儀の地下部分が残るのみです。
1年を1分以内の誤差で算出したり、1018個の星の位置を示す天文表が作成されたり、驚くべき精度があったそうです。

シャフリサーブス

シャフリサーブス (Shahrisabz) は、サマルカンドの南70kmにある人口5万人強の町です。標高600m余にあるオアシスの町で、市内には多くの緑があります。
紀元前からの歴史を持つ町で、最初はキシュ (Kesh) と呼ばれました。
1336年にチムールが生まれ、その後町は発展しましたが、16世紀にブハラ・ハン国によって破壊されました。
チムール時代の建造物がいくつか残っており、世界遺産に登録されています。

アクサライ宮殿跡 (Aq-Saray Palace)【世界遺産】
町の北側にあるチムールの夏の宮殿跡です。
1405年の創建で「白い宮殿」の意味ですが、実際には青と金のタイルで装飾されていました。
宮殿自体は崩壊し、50mあまりの高さがあったと推定される2つの塔も、現在38mの高さまでが残っています。
ドルッティロヴァット建築群 (Dorut Tilyovat)【世界遺産】
町の南側にある「瞑想の家」3つの建築物群です。
チムールの孫のウグル・ペグによって作られ、青いドームで1435年創建の「コン・グンバス・モスク」、1438年創建の「グンバズイ・サイダーン廟」、1374年創建の「シャムスッディーン・クラール廟」があります。
ドルッサオダット建築群 (Dorus-Saodat)【世界遺産】
若くして亡くなったチムールの長男・ジャハンギールが眠っているジャハンギール霊廟を中心とした建築群です。
創建は1392年で、周辺に関連の遺構が点在します。

ブハラ

ブハラ (Bukhara) は、サマルカンドの西220kmにある人口25万人ほどのオアシス都市です。
古代からサマルカンドと並ぶソグド人による重要な交易都市でしたが、13世紀にモンゴルによる破壊後は、チムール朝の中心がサマルカンドに置かれたことで、町は低迷していました。
16世紀末にウズベク人によって再興、ブハラ・ハン国の都として、19世紀のロシア帝国に征服されるまで繁栄しました。
ロシアからソ連に移る間に、ブハラは1共和国に移行、その後ウズベキスタン独立の際にその一部となっています。
サマルカンドに比べると「青」の色は少ないですが、町全体が世界遺産になっています。

カラーン・モスク (Kalan Mosque)【世界遺産】
旧市街の中心に建つ、1万人以上を収容するブハラ最大のモスクです。
8世紀末の創建で、モンゴルに破壊された後、1514年に再建されました。
ソ連時代は倉庫として使われましたが、1991年から信仰の場として復活しています。
カラーン・ミナレット (Kalyan minaret)【世界遺産】
旧市街の中心に建つ高さ46mの塔です。
1127年に建造され、モンゴル侵入時にも破壊は免れ、古くからブハラのランドマークとなっています。カラーン・モスクから塔に登ることができます。
焼き煉瓦造りで、外壁は14種類の模様が彫られています。
18〜19cには死刑囚を袋に入れ、頂上から落として処刑したという実話もあります。
ミル・アラブ・メドレセ (Mir-i Arab Madrassah)【世界遺産】
カラーン・モスクの東隣にある神学校で、現在も学生が学んでいます。
16世紀の創建で、アラブ出身の指導者がいたためにこの名がついています。
マゴキ・アタリ・モスク (Magoki Attori Mosque)【世界遺産】
カラーン・モスクの南東0.3kmにあるモスクです。
1936年に砂の中から発掘されたというブハラ最古のモスクで、地面の最下層は6世紀頃の仏教寺院跡、その上にゾロアスター教の寺院跡があり、さらにその上に12世紀ごろ創建の3層のイスラム寺院跡があります。
ラビ・ハウズ (Lab-i Hauz)【世界遺産】
マゴキ・アタリ・モスクの東にある1620年に造られた四角い池のある広場です。
周辺には木が植えられ、茶店(チャイハナ)の木陰には寝台が置かれ、のんびり過ごす市民の憩いの場となっています。
ナディール・ディヴァンベギ・メドレセ (Nadir Divanbegi Medressa)【世界遺産】
ラビ・ハウズの東にある神学校です。
1622年の創建で、偶像崇拝を否定するイスラムの教義に反して、正面には2羽の不死鳥と鹿、顔のある太陽が描かれています。
現在内部は土産物屋になっていて、夏場の夜は民族舞踏のショーも開かれます。
チャル・ミナル (Char Minar)【世界遺産】
カラーン・モスクの東1kmにある、4本の青い屋根のある塔をもつ建物です。
1807年に神学校の門番小屋として建てられたもので、今は神学校やモスクはなく、この建物だけが残っています。
アルク城 (The Ark)【世界遺産】
カラーン・ミナレット北西0.5km、古代に造られた丘の上に立つ、ブハラ・ハーンの居城です。
この周辺がブハラ発祥の地といわれ、丘の建設は紀元前5世紀、その後町の砦として、戦いによる破壊と修復・拡張を繰り返してきました。
現在は、1920年のソ連の爆撃による破壊のままの姿となっています。
バラハウズ・モスク (Bolohauz Mosque)【世界遺産】
アルク城の西にある1718年創建のブハラ・ハーン専用だったモスクです。
ブハラでは珍しいアイヴァン建築様式で、高い天井とカラフルな装飾、さらに正面にある20本の高さ12mの木製の柱が特徴になっています。
イスマイル・サーマーニ廟 (Ismail Samani Mausoleum)【世界遺産】
アルク城の西1kmにある、900年頃創建のサーマーン朝の王族の霊廟で、市内最古のイスラム建築の一つです。
日干し煉瓦で造られ、四角の建物にドームが載っています。
長らく砂に埋もれ、破壊を免れたもので、発見はソ連時代の1925年です。
チャシュマ・アイユブ廟 (Chashma-Ayub Mausoleum)【世界遺産】
イスマイル・サーマーニ廟の北東にある建物です。
水不足の折、アユブ(旧約聖書のヨブ)が杖を刺したら泉(チャシュマ)が出た伝説に基づき、創建は12世紀です。
その後増築を重ね、小さなドームと三角錐の尖塔が特徴のユニークな形をしています。

ヒヴァ(ヒワ)

ヒヴァ(ヒワ) (Khiva) は、ブハラの北西400kmにあるオアシスの町です。
1世紀ごろから町ができ、8世紀にイスラム化しています。
16世紀からヒヴァ・ハーン国の首都となりましたが、1740年にペルシャの攻撃で壊滅、復興後は1873年にロシア帝国に滅ぼされて、そのままソ連の一部となりました。
町の主な建造物はこの期間に造られたもので、旧市街は美しい建物が残り「中央アジアの真珠」と呼ばれています。
北東30kmの町・ウルゲンチ (Urganch) に国内線の空港があり、一般的にはここから入るのが便利です。

イチャン・カラ (Itchan Kala)【世界遺産】
町の中心にある旧市街で、東西約450m、南北約650mのほぼ長方形のエリアで、その周囲は高さ8mほどの城壁で囲まれています。
東西南北に門があり、メインの門は西門「アタ・ダルワザ門 (Ota-darvoza)」になっています。
内部には、20のモスク(寺院)、20のメドレセ(神学校)、6基のミナレットなどほか、たくさんの古い住居が残っています。
主な建造物として、西門そばの未完成ながらカラフルな青タイルの塔「カルタ・ミナール (Kalta Minor)」、17世紀建造の古い宮殿「クフナ・アルク (Kukhna Ark)」、 東門そばの19世紀創建の新宮殿「タシュ・ハウリ宮殿 (Tosh-Khovli Palace)」などがあります。
アヤズカラ (Ayaz Qala)
ヒヴァの北東90km、西部ウズベキスタンからトルクメニスタンにかけての領土があった古代ホラズム王国の都だった地です。
アヤズカラは、そのうちの6〜7世紀ごろ宮殿の遺跡で、砂漠の中の遺跡となっています。
大小3つの宮殿跡が近接した丘の上に点在します。
なお南西40kmには、宮殿跡の他、民家も区画も残る遺跡「トプラク・カラ (Topraq Qala)」があります。
またこの周辺では、遊牧民の移動キャンプ「ユルタ」の宿泊体験もできます。


ウズベキスタンの観光地

ウズベキスタン南東部の地図

タシケント、ナボイ劇場タシケント、ナボイ劇場
(Photo Alisher Navoi Theater by D-Stanley)

チョルスー・バザールチョルスー・バザール
(Photo Chorsu Bazaar, Tashkent by Aleksandr Zykov)

オアシスの町、サマルカンドオアシスの町、サマルカンド
(Photo Registan24 by joepyrek)

レギスタン広場レギスタン広場
(Photo IMG_3891 by giladr)

グリ・アミール廟グリ・アミール廟
(Photo IMG_0618 by erh1103)

シャヒージンダ廟群シャヒージンダ廟群
(Photo Samarkand, Shah-i-Zinda by Arian Zwegers)

ウルグ・ベク天文台ウルグ・ベク天文台
(Photo Samarqand_4463pp by Stefan Munder)

シャフリサーブス、アクサライ宮殿跡シャフリサーブス、アクサライ宮殿跡
(Photo Les vestiges du palais de Tamerlan (Shahrisabz) by dalbera)

ブハラ、カラーン・モスクとミナレットブハラ、カラーン・モスクとミナレット
(Photo Kalyn Mosque by Pricey)

チャル・ミナルチャル・ミナル
(Photo Char Minar by D-Stanley)

アルク城アルク城
(Photo Uzbekistan 2007 079 Ark Bukhara by David Holt London)

イスマイル・サーマーニ廟イスマイル・サーマーニ廟
(Photo Bukhara, Uzbekistan by stefan_fotos)

ヒヴァ、イチャン・カラヒヴァ、イチャン・カラ
(Photo IMG_1071 by erh1103)

アヤズカラアヤズカラ
(Photo Ayaz Kala (Khorezm, Ouzbékistan) by dalbera)

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