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ブータンの国旗 ブータン各地

パロ

パロ (Paro) は、ブータン西部の標高2200〜2300mにある人口1万5千人ほどの小さな町です。
町のすぐ南にブータン唯一の国際空港があり、ブータン観光の玄関になっています。谷間にあるため、飛行機の離発着には高度な操縦技術が要求されるそうです。
町をパロ川が流れ、周辺はのどかな水田が広がり、両側には山が迫るという、日本の山村にも似た風景です。
10世紀ごろからの歴史があり、いくつもの寺院や素朴な民家などを見ることができます。
ブータンの玄関口のため、メインストリートには伝統家屋を使った土産物屋が多く並び、景観保存のために電線はすべて地下に埋めています。

パロ・ゾン (Paro Dzong)
パロ市街の南東1kmの高台にある城塞で、正式名称は「リンプン・ゾン (Rinpung Dzong)」です。「宝石の山の城」を意味します。
もともとは15世紀に造られたものですが、1646年に堅牢なものに造りかえられ、以後町をチベット族の侵入から守る役割を果たしてきました。
しかし、1907年に火災で焼失し、現在のものはその後に再建されたものです。
敷地内には、デヤンカ広場 (Deyangkha Lhakhang) があり、毎年春にはブータン最大の祭り「パロ・ツェチュ祭」がここをメイン会場として行われます。
またすぐ近くの丘の上には、1649年建造の7階建ての望楼「タ・ゾン (Ta Dzong)」があり、現在はブータン国立博物館として使われています。
1993年には、映画「リトル・ブッダ」のロケがこのパロ・ゾンで行われています。
ドゥンツェ・ラカン (Dungtse Lhakhang)
市街の北0.5km、橋を渡った先にある寺院です。
15世紀の建造で、内部の仏像や壁画はすばらしいものが多いです。
ただ暗いので、見るときは懐中電灯を持参しましょう。
キチュ・ラカン (Kichu Lhakhang)
市街の西4kmにある7世紀にチベットを統一したソンツェン・ガンポ王が創建したとされるブータン最古の寺です。
彼は悪魔の体の108のツボに寺院を建てたといわれ、ここはその左足にあたるとされています。
本堂の本尊の前の床には、千年以上人々が祈りをささげてきた証として、足の形のへこみができています。
また中庭には、ご利益によって一年中実をつけている不思議なミカンの木があります。
タクツァン僧院 (Paro Taktsang)
キチュ・ラカンの北6km、山中の断崖に張り付くように建てられた僧院で、チベット仏教の聖地の一つです。
「虎の巣」という意味の通り、8世紀に僧グル・リンポチェが虎の背に乗ってヒマラヤを飛び越えてここにたどり着き、洞窟で瞑想したというゆかりの言い伝えがあります。
1988年に火災で焼失しましたが、2004年に再建が成っています。
参拝は、まずふもとから山道を2時間ほど登って僧院の全貌が望めるカフェテリアへ、そこからさらに1時間登って僧院にたどりつくという行程になります。
ドゥゲ・ゾン (Drukgyel Dzong)
キチュ・ラカンの北西10kmにある廃墟の要塞跡です。
パロの谷の最奥にあたり、1647年のブータンとチベットとの戦いでブータン軍が勝利したのを記念して建てられたもので、名前は「ドゥック派の勝利」を意味します。
1951年に火災で焼失したまま再建されずに廃墟として残っています。
周辺の山へのトレッキングのスタート地点ともなっています。

ティンプー

ティンプー (Thimphu) は、パロの東30km、標高2300〜2400mにある人口10万人ほどのブータン最大の人口を持つ首都です。
1955年から1961年にかけて北東のプナカから、小さな村だったここへ首都が遷都されて現在に至っています。
ブータンの中心都市となって人口流入も進んでいますが、町には信号もなく、建物も伝統様式であることが法律で定められていて、近代的な色はあまりついていません。
メインストリートは南北に走る「ノルジン・ラム (Norzin Lam)」で、市街の範囲はこの通りに沿った約2km程度です。

時計塔広場 (Clock Tower Square)
メインストリートのほぼ中央にある広場で、町の中心です。
小さな時計塔とマニ車が設置されています。
メモリアル・チョルテン (Memorial Chorten)
時計塔広場の南西0.5kmにある白い仏塔で、ティンプーの街のシンボルになっています。
第3代国王が建造を考え、それがかかなわぬまま1972年に死去、その遺志を継いで第4代国王が1974年に建立したものです。
高さは15mあり、毎日この周囲を回って祈りをささげる市民は絶えません。
中央郵便局 (National Post Office)
時計塔広場の北0.5kmにある郵便局で、ホログラムの切手やブータン国家が流れるCD切手など、世界的にも有名なユニークな切手を売っています。
その場で撮った自分の写真を3分ほどで使用可能な切手にしてくれるコーナーもあります。
サブジ・バザール (Sabji Bazaar)
中央郵便局の東にある2階建ての市場で、木曜の夕方から日曜の夕方までの週末に開かれています。
ブータン各地やインドからの野菜や果物、乳製品や肉の加工品などが大量に売られています。
織物博物館 (National Textile Museum)
時計塔広場の北0.7kmにある、ブータンの染色を中心に紹介する博物館です。
ブータン各地の織物だけでなく、王族の着る織物も展示されています。
民俗博物館 (Folk Heritage Museum)
時計塔広場の北1.5kmにある、100年以上前に建てられた民家を博物館にしたものです。
内部には、ブータンの昔ながらの伝統的な生活様式や日用品が展示されています。
タシチョ・ゾン (Tashichhoe Dzong)
ティンプー市街の北のはずれ、時計塔広場の北2kmにある、ブータンの政治と宗教の中心となる政庁です。
もともとは13世紀にチベット僧が造った砦で、17世紀に大改築され、その後も何度かの改築の後で、1969年に現在のものが造られました。
釘をまったく使わないブータンの伝統建築技法で建てられているため、外から眺めると軒が微妙に曲がっているのがわかります。
中には国王のオフィスと、宗教会の最高権威であるジェ・ケンポ大僧正の部屋があります。
周辺には質素な現国王の宮殿や、官公庁の建物が立ち並んでいます。
また毎年秋にはパロと並ぶブータン最大の祭り「ティンプー・ツェチュ祭」が隣接するスタジアムで行われます。
ドゥプトプ尼僧院 (Drubthob Goemba)
タシチョ・ゾンの南西0.5kmの高台に建つ尼僧院です。
ブータンに鉄を広めたといわれる高僧タントン・ギャルポが瞑想したという場所に建てられていて、50人ほどの尼僧が暮らしています。
入り口あたりがタシチョ・ゾンの絶好のビューポイントとなっています。
チャンガンカ・ラカン (Changankha Lhakhang)
市街の西1km、丘の上にある寺院です。
15世紀の創建の古刹で、十一面観音菩薩像が本尊として祀られています。
また、その左にある「ドムツァプ」像はティンプーの町を守る神様として信じられ、子供が生まれたらまずその子を連れてここへ参拝するのが習わしということです。
ターキン放牧場 (Motithang Takin Preserve)
市街の北西2km、丘の上にある珍獣 "ターキン" を飼育する林の中の飼育場です。
ターキンはウシ科の動物で、「神の頭、牛の体」を持つ神聖な動物として、ブータンの国獣に指定されています。
サンゲガンの丘 (Sangaygang Hill)
ターキン放牧場から東へ1kmほど登った丘で、ブータン国営放送 (BBS) の電波塔が立っています。
ティンプーの町を一望できる人気の展望台です。
クエンセルポダン (Kuenselphodrang)
市街の南3km、ティンプーの町を見下ろす丘の上に立つ大仏です。
高さ51mの大仏は世界最大で、シンガポールと香港の資産家から寄贈されて2012年に完成しました。
地元の人には「ブッダ・ポイント」と呼ばれ、ティンプーの新しいビュー・スポットとなっています。
タンゴ僧院 (Tango Monastery)
市街の北15km、標高3500mの山間にある僧院です。
12世紀の創建で、18〜19世紀に再建されており、現在は、高等仏教学校として多くの修行僧が暮らしています。
僧院の建物には美しい壁画が描かれており、細かな彫刻や見事な仏像などを見ることができます。
自動車道の終点から約1時間ほど山道を登りますが、ほぼ富士山頂上近くの標高なので、高山病には注意が必要です。
チェリ僧院 (Cheri Monastery)
タンゴ僧院の西1kmにある僧院です。
1620年にブータン建国の祖のシャブドゥン・ンガワン・ナムギャルが建てたもので、昔から瞑想のための重要な場所とされていました。
自動車道の終点から約1時間半の登山で行くことができます。

ティンプーからプナカ

プナカ (Punakha) は、ティンプーの北東30kmにある町で、1955年まではブータンの首都でした。現在は人口はわずか数千人で、町というより小さな村という風情です。
標高は1200〜1300mで、ティンプーに比べて温暖な気候です。
ティンプーからは、峠を越えて山を迂回して道路が走っているので、車で3時間ほどかかります。

ドチュラ峠 (Dochula)
ティンプーの北西10kmにある、プナカへ向かう道路が超える峠です。
標高は3150mで、天気の良い時にはヒマラヤの山々を望むことができます。
2004年に建立された108基の仏塔があり、宿泊可能なカフェテリアもあります。
チミ・ラカン (Chimi Lhakhang)
ドチュラ峠の東15kmにある、のどかな田園風景に囲まれた村、ロベサ (Lobesa) の丘にある寺院です。
15世紀後半にユーモアで布教をした僧ドゥクパ・キンレイのために建てられたもので、子宝の寺としても信仰を集めています。
クルタン (Khuruthang)
プナカの新市街で、旧市街の南5kmにあります。
ホテル、レストランや民家が集まる現在のプナカの中心地です。
プナカ・ゾン (Punakha Dzong)
プナカの旧市街にある城で、1637年に政庁と宗教の中心施設として造られました。
1955年の遷都までは、冬の首都として使われ、今の第5代国王の戴冠式がここで行われるなど、現在でも重要な建物として機能しています。
ポ・チュ(父川)とモ・チュ(母川)という川の合流点のそばにあるため、たびたびの水害に見舞われましたが、そのたびに増改築が行われて美しい姿を保っています。
ウォンディポダン (Wangdi Phodrang)
プナカ・ゾンの南12km、ロベサの南東5kmにある町で、中央ブータン方面への入り口となります。
1638年に造られ、創建当時の姿を保っていた砦、ウォンディポダン・ゾン (Wangdi Phodrang Dzong) が観光の大きな目玉でしたが、2012年6月に火災で焼失してしまいました。
今後再建されることにはなっているようです。

ブータン各地

(Haa)
パロの西南西20km、標高約2730mにある小さな村で、ハ・チュ(ハ川)沿いに町並みがあります。
インド軍の駐留地がある関係から、2001年にようやく外国人観光客の訪問が許可されたということで、美しい自然と一昔前のブータンの風情によって近年観光客が増えています。
主なスポットとして、"白寺"、"黒寺" の意味の「ラカン・カルポ (Lhakhang Karpo)」「ラカン・ナルポ (Lhakhang Nagpo)」という2つの寺があります。
また砦の「ハ・ゾン (Haa Dzong)」は1915年に建てられた国内では新しいものですが、現在はインド軍の施設となっています。
パロとの間には標高3988mのチェレラ峠があり、車で3時間ほどかかります。
プンツォリン (Phuntsholing)
パロの南70km、標高300mに満たないブータン南西部のインドとの国境の町で、インドとの間の陸路はここを通ります。
ブータンでは数少ない亜熱帯の町です。
その国境地点には「プンツォリン・ゲート」があり、町の中には「サンドペルリ・ラカン (Zangtho Pelri Lhakhang)」や「カラバンディ・ゴンバ (Kharbandi Goemba)」といった寺院があります。
ここからパロまでは車で6時間以上かかります。
ポブジカ (Phobjikha)
ウォンディポダンの東40km、ブータン中央部にある小さな村で、素朴な村の風情が美しい村です。
絶滅危惧種のオグロヅルの越冬地となっていて、毎年11月ごろに数百羽が飛来、牛の放牧地で過ごし、2月ごろにヒマラヤの山々のはるか上空を越えてチベットに向けて帰っていくということです。
シーズン中は自然研究センターから観察ができますが、望遠鏡でしか姿を見ることができません。
村には「ガンテ・ゴンバ(Gantey Goempa)」というニンマ派の僧院があり、オグロヅルが帰るときはこの寺の上を旋回してから飛んでいくといわれます。
トンサ (Trongsa)
ウォンディポダンの東70km、現ワンチュク国王家ゆかりの地です。
山の斜面に階段状に造られた城塞「トンサ・ゾン(Trongsa Dzong)」の雄大な姿が目に入ります。
1648年に造られ、初代と第2代国王はここで政務をとっていたという歴史があります。
ブムタン (Bumthang)
トンサの東20km、チュメ、チョコル、タン、ウラという4つの谷が集まる地域の総称で、10km四方以上の広いエリアになります。
古代にチベットから仏教が最初にもたらされた地で、「ブータン人の心の故郷」とも称される地です。
エリアの中には多くの寺院が点在します。
トンサからの道路はチュメ谷を通り、中心となる町であるチョコル谷のジャカル (Jakar) に至ります。
この両谷だけでもいくつも寺院があり、観光には1泊以上が必要です。


ブータンの観光地

ブータン西部、中部の地図

パロのメイン・ストリートパロのメイン・ストリート
(Photo P1000387 by Olivier Lejade)

パロ・ゾンパロ・ゾン
(Photo Rinpung Dzong by aditya karnad)

タクツァン僧院タクツァン僧院
(Photo Paro 2-22 by travelinknu)

ティンプー中心部、唯一の交通整理交差点ティンプー中心部、唯一の交通整理交差点
(Photo human traffic light by juandazeng)

ティンプー、メモリアル・チョルテンティンプー、メモリアル・チョルテン
(Photo Best of Bhutan - 011 by Kyle Taylor, Dream It. Do It.)

タシチョ・ゾンタシチョ・ゾン
(Photo Tashichho Dzong in the rain by PatHey)

ティンプー・ツェチュ祭ティンプー・ツェチュ祭
(Photo Bhutan Thimphu - Tashi Cho Dzong - Thimphu Tsechu by jadis1958)

ターキンターキン
(Photo A Takin by gkrishna63)

クエンセルポダンの大仏クエンセルポダンの大仏
(Photo Thimpu-4 by travelinknu)

ドチュラ峠ドチュラ峠
(Photo WONDERFULL BHUTAN (86) by rajkumar1220)

プナカ・ゾンプナカ・ゾン
(Photo Punakha Dzong Where festival is held by amanderson2)

ポブジカ、ガンテ・ゴンバの鶴祭りポブジカ、ガンテ・ゴンバの鶴祭り
(Photo Phobjika 5-17 by travelinknu)

トンサ・ゾントンサ・ゾン
(Photo Dzong in Trongsa by thomaswanhoff)

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