セブ島とその他の島々(フィリピンの観光地 2)
セブ島 (Cebu Island) は、フィリピン北部のルソン島と南部のミンダナオ島の中間にある島です。
南北に230km、最大幅40kmの細長い島で、周辺の島々をあわせたビサヤ諸島 (Visayas) の中の中心となる島です。
東岸中央部には中心地である人口72万人のセブ (Cebu) 市があり、日本からも国際線が飛んでいます。
パラワン島 (Palawan Island) は、フィリピンの南西部にある、長さ400km、幅40kmの非常に細長い島です。
島の大半は熱帯雨林のジャングルで覆われ、「フィリピン最後の秘境(フロンティア)」と呼ばれます。
ミンダナオ島 (Mindanao Island) は、フィリピン南部にある、北海道の1.2倍の面積を持つ大きな島です。バナナやパイナップルなどの大規模プランテーション農業が盛んで、林業や漁業なども主要産業です。
古くからイスラム教が根付いた地ですが、植民地後のキリスト教の広がりやプランテーションにおける北部からのキリスト教地主の流入などで主導権が奪われ、反動としてのイスラム独立運動が内戦として頻発する地域です。
近年は中東のイスラム原理主義とも連携し、従来にも増して危険な地域となっています。
セブ島
- マゼラン・クロス (Magellan's Cross)
- セブ市のダウンタウン中心部、八角堂の中に立つ高さ5mほどの木製の十字架です。
1521年に航海者マゼランが、フィリピンで最初に洗礼を受けたフマボン王一族を記念して立てたものです。
「奇跡を呼び、万病に効く」と信じられて地元民が少しづつ削り取ったたために十字架は補強され、保護するために1735年に八角堂が建てられたものです。
- サン・アグスチン教会 (San Agustin Church)
- マゼラン・クロスの北隣にある、1565年創建の国内最古の教会です。
建物は焼失や破壊で、1740年に再建されたものです。
守護聖人サント・ニーニョを祀るため、別名「サント・ニーニョ教会 (Basilica Minore del Ssnto Niño)」とも呼ばれます。
第二次大戦の戦火でも無傷で、奇跡の守護神として多くの信者が訪れます。
- サン・ペドロ要塞 (Fort San Pedro)
- マゼラン・クロスの東、港の近くにある要塞跡です。
小さな要塞ですが国内最古で、1565年の建設開始から完成まで約200年かかりました。
18世紀には海賊の見張り台として、また第二次大戦中は牢獄や捕虜収容所として使われました。現在付近は公園になっています。
- カルボン・マーケット (Carbon Market)
- マゼラン・クロスの南西、港に面する市場です。
市民の台所的な存在で、野菜や魚などの生鮮品の他、日用品や籐製品、土産物屋が並んで賑わっています。
現地の市場を覗くのが観光の楽しみではありますが、貧困地区の市場のため日本人など観光客は一人で行かないようにと言われます。
- 道教寺院 (Taoist Temple)
- セブ市ダウンタウンの北西8km、高級住宅地ビバリー・ヒルズにある中国の老子を祀った寺院です。
第二次大戦後に入ってきた華僑が寄進して1964年に建立されたものです。
99段の階段の上に赤や緑の中国建築の本堂があり、境内からはセブ市内やマクタン島を眺めることができます。
- トップス (Tops)
- セブ市の北10kmにある展望台です。セブ市街やマクタン島、天気の良い日は遠くにボホール島まで望むことができます。
24時間オープンしており、夜は夜景を楽しむことができます。
- アレグレ (Alegre)
- セブ市の北60km、島の北東岸にある高級ビーチ・リゾートです。
1993年にオープンした新しいリゾートで、白砂のビーチを見下ろす斜面に豪華なコテージが点在します。
設備やサービスも充実し、環境保護対策も取られた秀逸なリゾート地です。
- プルクラ (Pulchra)
- セブ市の南西30km、島の東岸にあるビーチ・リゾートで、日系資本によるリゾート地です。
ダイビングなどのマリンスポーツが目玉で日本人スタッフが常駐しており、ダイビングツアーにも参加できます。
セブ島周辺の島
- マクタン島 (Mactan Island)
- セブ市の南東、狭い水路をはさんで浮かぶリゾート・アイランドです。
長さ10km、幅5kmほどあり、セブ島と2本の橋で結ばれています。南東岸の外海に面した海岸には多くのビーチがあります。
1521年に航海王マゼランが事実上の世界一周を成し遂げた地でしたが、セブ島の指導者フマボンを王に推したためにマクタンの酋長ラプラプが反発し、戦闘の結果ここで戦死しました。
島の北東には「マゼラン記念碑」とともに「ラプラプの像」があります。
世界でも定評のあるギター生産地で、工房の見学ができます。
またセブの国際空港はこの島にあります。
- ボホール島 (Bohol Island)
- セブ島の南東40kmに浮かぶ、東西110km、南北80kmほどの大きな島です。スペインのレガスピ総督が1565年に上陸した歴史があります。
南西部の島の中心地タグビララン (Tagbilaran) 周辺には、レガスピと島の酋長シカツナが友好のため互いの血をワインに落として飲んだのを記念して立てられた「血の同盟記念碑 (Blood Compact Site)」や、1595年建造の「バクラヨン教会 (Baclayon Church)」などのスポットがあります。
タグビラランの北東10kmには世界最小のメガネザル「ターシャ」の保護園があります。
また、島のほぼ中央部には、高さ40mほどの円錐形の小山がほぼ等間隔に密集する「チョコレート・ヒル (Chocolate Hills)」の奇観があります。
セブからタグビラランまで高速船で1.5時間、マニラからは国内線があります。
- パングラオ島 (Panglao Island)
- タグビラランの南西に浮かぶ東西15km、幅8kmほどの島で、タグビラランから2本の橋でつながっています。
南端の「アロナ・ビーチ (Alona Beach)」は白砂の浜が4km続くビーチ・リゾートで、ボホール観光の滞在拠点になっています。
また、島の北側の「ヒナグダナン洞窟 (Hinagdanan Cave)」は内部に池があり、洞の天井から差し込む光で幻想的な光景を作り出している人気のスポットです。
- バンタヤン島 (Bantayan Island)
- セブ島北端の西20kmに浮かぶ島です。
南北20km、東西7kmほどの大きさで、海外からの観光客はまだ少ない素朴なリゾート島です。
中心地は南東部のサンタフェ (Santa Fe) で、小さなリゾート・ホテルが点在します。
セブ島北西部のハグナヤ (Hagnaya) からフェリーで約1時間で渡れます。
- ネグロス島 (Negros Island)
- セブ島の西に20〜30kmの海峡を隔てて浮かぶ南北220km、幅60〜80kmの大きな島です。
平野部は広大なサトウキビ畑が広がり、フィリピンの砂糖産業の一大拠点です。
北西部のバコロド (Bacolod)は人口40万人の島最大の都市で、砂糖産業の中心地であり、西方のパナイ島へのフェリーが出ています。
南東部の町ドゥマゲテ (Dumaguete)は、東南アジア有数の「シリマン大学 (Silliman
University)」がある学園都市ですが、東方沖のシキホール島 (Siquijor Island)
や南方のアポ島 (Apo Island) などのダイビング・スポットの拠点となっています。
- パナイ島 (Panay Island)
- ネグロス島の北西に浮かぶ四国の3分の2ほどの面積を持つ大きな島です。
南東岸の都市イロイロ (Iloilo) は島の中心の町で、スペイン統治時代の面影を残す建物が多く残っています。
西35kmの町ミアガオ (Miagao) にはバロック様式で世界遺産の「ミアガオ教会
(Miagao Church)」があります。
- ボラカイ島 (Boracay Island)
- パナイ島北西端のすぐ沖に浮かぶリゾート・アイランドです。
長さ7kmほどの小島ですが、遠浅の珊瑚礁と白砂のビーチで、ヨーロッパからの観光客がに人気のリゾート地です。
特に西岸の4kmにわたって白い砂浜が続くホワイト・ビーチ (White Beach) の景観は美しく、リゾート施設が集中します。
島へは対岸のパナイ島のカティクラン (Caticlan) からボートで上陸します。
カティクランへはセブから国内線で、またマニラからは南東50kmのパナイ島の町・カリボ (Kalibo)へ国内線で入り、ここからバスがあります。
- レイテ島 (Leyte Island)
- セブ島の東100kmに浮かぶ南北200kmほどの大きな島です。
太平洋戦争において、レイテ沖海戦や、1944年にマッカーサー率いる連合軍との戦闘など、日本軍8万人が犠牲となった地です。
セブからの玄関で西岸のオルモック (Ormoc)や、東岸の島の中心地タクロバン (Tacloban)が周遊拠点です。
タクロバンの南10kmのパロ(Palo)はマッカーサーの上陸地で、彼が歩む姿の銅像が海岸に立っています。
パラワン島
- プエルト・プリンセサ (Puerto Princesa)
- パラワン島中部、東岸にあるパラワン島の中心の町で、フィリピン国内の3分の2の水揚げを誇る漁業の町です。
町の近くにダイビング・スポットが多数点在し、しばしばジュゴンも見かけることがあります。
- 地底川 (Underground River)【世界遺産】
- プエルト・プリンセサの北20km、島の西岸の湾奥にある「セント・ポール洞穴 (St.Paul Cave)」の中を流れる川です。
洞穴は鍾乳洞で、約8kmの奥から洞の中を川が緩やかに流れ、直接湾に注ぎます。
川幅に比べ内部は天井高が非常に高く、コウモリが生息しています。
観光はガイドの乗る手漕ぎの小さなボートで海から洞に入ります。
- エル・ニド (El Nido)
- パラワン島北部の西岸にあるビーチ・リゾートです。
近海に大理石で出来た島が50ほど点在し、それぞれが高さ数百mもの断崖で囲まれ、白砂の浜と熱帯林の景観とあわせて独特の雰囲気を持っています。
”神々の島”と呼ばれる「ミニロック島 (Miniloc Island)」、”人魚の島”と呼ばれる「ラゲン島 (Lagen Island)」に小さなコテージが並ぶビーチがあります。
ミンダナオ島
- ダバオ (Davao)
- ミンダナオ島南東部、ダバオ湾に面する都市で、130万人の人口を持つ南部の大都市です。
20世紀初めに日本人のマニラ麻農園経営で発展し、一時は2万人の日本人が住んでいました。
太平洋戦争では日本軍の重要拠点となり、米軍上陸後の戦闘で民間人を含めて日本人2万5千人が犠牲になっています。
現在も多くの日系人が住み、定年後の移住先としても人気がある地です。
市内には、かつてのプランテーションの跡地「フルカワ・プランテーション」をはじめ日本人ゆかりのスポットが多くあり、また太平洋戦争における歴史的なスポットも点在します。
近郊には多くのランを栽培している「ラン園 (Orchid Farm)」や、西方にそびえる標高2954mのフィリピン最高峰「アポ山 (Mt.Apo)」などもスポットです。
- サマール島 (Samal Island)
- ダバオの東、ダバオ湾に浮かぶ島で、近年開発が進められているリゾート・アイランドです。
かつて真珠養殖場だった「パール・ファーム・ビーチ」が代表的なリゾートです。
- サンボアンガ (Zamboanga)
- ミンダナオ島の西部、西に長く延びるサンボアンガ半島 (Zamboanga Peninsula) の先端にある町です。
イスラム教徒が住む町で、モスクの他、タルクサンガイ (Taluksangay) 地区では水上集落を見ることができます。
また海上ではカラフルな帆を張った「ビンタ船」もこの地の風物詩です。
フィリピンの観光地