バリ島とその他の地域(インドネシアの観光地 2)
バリ島 (Pulau Bali) は、ジャワ島のすぐ東に浮かぶ東西140km、南北100kmのほぼひし形をした島です。
インドネシアの中で唯一イスラムの影響を受けない島で、ヒンズー教と土着の宗教が混じりあった「神々の島」といわれる信仰の厚い風土です。
その祭礼や儀式に使われる舞踊であるケチャやレゴン、楽器のガムランなどが、バリ島のイメージとして旅行者には定着しています。
南部のデンパサールが国際空港がある観光の起点で、島の南岸を中心にビーチ・リゾートが集まっています。
バリ島
- デンパサール (Denpasar)
- バリ島南部のバリ州の州都で、オフィスや行政機関が集まっています。
高い建物はなく、比較的道が狭くて都会化されていません。
町の中心には「ププタン広場 (Puputan Square)」があり、近くにバリ島の伝統文化を紹介する「バリ博物館 (Museum Bali)」、市内最大のヒンズー寺院「ジャガッナタ寺院 (Pura Jagatnata)」などがあります。
- バリ島のビーチ
- バリ島の主要なビーチは南部のデンパサールの近くに集まっています。
南東5kmの「サヌール (Sanur)」はバリで最初に開発されたビーチ・リゾートで、気取らない落ち着いたビーチとして古くから欧米人に人気です。
南南西10kmの「クタ (Kuta)」から北西に「レギャン (Legian)」、「スミニャク
(Seminyak)」と数kmにわたって続くビーチは、ホテル、レストラン、バー、土産物店などが建ち並ぶ賑やかなエリアです。西に海が開け、夕陽が美しいビーチです。空港にも近い位置にあります。
「ジンバラン (Jimbaran)」はクタの南5kmにある新興のビーチリゾートです。クタに比べ静かなリゾートです。
「ヌサ・ドゥア (Nusa Dua)」はジンバランの東5kmの東海岸にある高級リゾートです。大型ホテルが並んでいます。
- ウルワトゥ寺院 (Pura Uluwatu)
- ジンバランの南西10km、バリ島南端にあるバトゥン半島の最西端の断崖絶壁にあるヒンズー寺院です。
11世紀に建てられ、16世紀に再建されたバリでも最古の寺院の一つです。
長い石段を登って門までは行けますが、異教徒は本堂には入れません。
断崖の下の海は波が荒く、上級者向けのサーフ・スポットとなっています。
夕陽が美しいスポットの一つです。
- タナロット寺院 (Pura Tanah Lot)
- デンパサールの西15km、バリ島南西岸の岩礁の上に建つヒンズー寺院です。
16世紀にジャワの高僧がこの地の眺めに感動して建てたものと伝えられています。
満潮時には岩礁が海に島のように浮かび、夕陽を背景に眺める美しい景観が有名です。
干潮時に寺院のそばまで行けますが、異教徒は本堂には入れません。
- ウブド (Ubud)
- デンパサールの北北東20km、森と田園風景に囲まれた芸術の町です。
1920年代から西洋の芸術家がアトリエを構えて、西洋とバリの絵画を融合した「ウブド・スタイル」を生み出しました。
町には多くの美術館やギャラリーが点在し、質の高い芸術作品を見ることができます。
宿泊施設やレストランはバリの伝統様式で建てられ、ビーチリゾートと異なるバリ本来の生活様式を体感することができます。
- ブサキ寺院 (Pura Besakih)
- ウブドの北東25km、バリの最高峰で標高3142mの火山・アグン山 (Gunung Agung) の中腹にあるバリ・ヒンズー教の総本山です。
ブラフマン、ビシュヌ、シバのヒンズー三大神を祀る3寺院を含めて、30余りの寺院が集まる巨大な複合寺院です。
10世紀ごろには寺院の形ができていたといわれています。
なお、ここにはライセンスを持たず、法外な料金を請求する「ローカル・ガイド」がいるので注意が必要とのことです。
- キンタマーニ (Kintamani)
- ウブドの北35km、バリ島北東部の高原リゾートです。
バトゥール山 (Gunung Batur/1771m) とカルデラ湖のバトゥール湖を臨む外輪山の上にあり、展望の良い町です。
南のペネロカン (Penelokan)にはホテルもありますが、南部のリゾート地からの日帰りツアーも可能です。
標高が高いため霧が出やすい地域です。
スラウェシ島
- マナド (Manado)
- スラウェシ島の北西端、セレベス海に臨む港町です。
オランダの植民地であったためキリスト教徒が多く、多民族の混血によって色白の美人が多いといわれています。
また16世紀頃には日本人も多くいたようで、「マナド」は日本語の「港(ミナト)」が語源ともいわれます。
北20kmのブナケン島 (Bunaken) は、透明度が高く、急な崖に大珊瑚礁が発達した世界的なダイビングスポットです。
- タナ・トラジャ (Tana Toraja)
- スラウェシ島中央部の山中にあるマレー系民族のトラジャ族の住む地域で、標高800mの町・ランテパオ (Rantepao) が中心です。
「葬式のために生きる」という伝統を持つ民族で、葬式には舞踏や闘牛などの余興を数日間行い、死者に捧げる生贄として水牛を屠殺する儀式を行います。
葬式の観光ツアーもあります。
舟の舳先のような屋根を持つ「トンコナン」と呼ばれる民家、どくろの並ぶ墓地、死者の身代わりに作る「タウタウ人形」など多くの見所があります。
その他の島々
- ロンボク島 (Pulau Lombok)
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バリ島の東50kmにある、東西80km、南北70kmの島です。
北部に標高3726mのカルデラ火山・リンジャニ山 (Gunung Rinjani) がそびえています。
略奪婚が伝統のササック族が住み、比較的人口が多い島です。
国内一といわれる美しい浜辺を持つ島で、リゾート開発はまだ途上です。
西岸のスンギギ (Sengigi)、北西部の珊瑚礁の3つの小島が浮かぶ ギリ (Gili) などがリゾート・スポットです。
- コモド島 (Pulau Komodo)【世界遺産】
- バリ島の東450kmにある、南北30km、東西15kmの島です。
全島が密林に覆われ、世界最大のトカゲ「コモド・ドラゴン」が多数生息しています。
長さ3m、体重は130kgにもなり、家畜や人も襲うことがあるといわれます。
アクセスは東30kmにあるフローレス島の港町で空港もあるラブハンバジョー (Labuhanbajo) から船になります。
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