台湾中部と南部(台湾の観光地 2)
台湾中部から南部は、中央を高く険しい山脈が走り、その中央に富士山よりも高い玉山がそびえます。
山脈の西のふもとには平野が広がり、台中、嘉義、台南という都市があって人口が多く、台湾新幹線もこちら側を走っています。
東側には、太魯閣峡谷とその入り口の町、花蓮がありますが、平野も少なく概して人口は少ない地域となっています。
台湾中西部
- 宝覚寺(パオチュエスー)
- 台北南西120km、台湾中西部の街・台中(タイチョン)市北郊にある1928年創建の寺です。
高さ30mの金色の「弥勒大仏」が有名です。本殿や七重の塔などのほか、日本から贈られた「友愛鐘楼」や日本人墓地といった日本に関係の深い施設があります。
- 台湾民俗村(タイワン・ミンスウツン)
- 台中の南南西15kmにある、台湾300年の歴史や旧跡、文化を紹介した1993年にオープンしたテーマパークです。
52万uの敷地をテーマエリアに分け、移築した歴史的建築物の展示や、伝統儀式、伝統産業の実演なども行われます。
- 日月潭(リーユエタン)
- 台中の南東40km、台湾中央部山中の標高748mにある湖です。
周囲は24kmで、湖に浮かぶ光華島を境に北を日潭、南を月潭と呼びます。
周囲は山に囲まれ、湖の周りを環潭公路という一周道路が走っています。
この道路沿いに「文武廟(ウェンウーミャオ)」、「玄奘寺(シェンザンスー)」などの名刹や「孔雀園」、「胡蝶館」などのスポットがあります。
なお、1999年の台湾大地震の震源がこの近くで、大きな被害を受けましたが、現在は復興しています。
- 九族文化村(ジウズー・ウェンホアツン)
- 日月潭の北岸にある、台湾の原住民9部族の文物や文化を紹介するテーマパークです。
建物の展示や、原住民の歌や踊りなどが見れます。また遊園地やヨーロッパ風の庭園などもあります。
- 玉山(ユイシャン)
- 台中の南南東80kmにある標高3952mの北東アジアの最高峰です。
日本統治時代から太平洋戦争までは、明治天皇が富士山より高い山として命名した「新高山(にいたかやま)」と呼ばれました。
主峰を中心に4つの峰があり、3千m以上は寒帯林となっています。
登頂のツアーもありますが、入山には台湾政府の許可が必要です。
- 阿里山(アーリーシャン)
- 玉山の西に連なる標高2270〜2500mの山地です。
西方40kmの麓の町・嘉義(チャイー)から頂上近くまで阿里山森林鉄道が通じています。
日の出、夕霞、雲海、鉄道、神木が阿里山観光の「五つの宝」といわれ、玉山からのご来光には早朝から大勢の人が集まります。
また、樹齢千年を越えるヒノキの「神木(シェンムー)」や「三代木(サンタイムー)」が遊歩道に沿って繁り、近くには、「受鎮宮(ソウツェンコン)」や「慈雲寺(ツーコンスー)」などの社寺もあります。宿泊施設もあります。
台湾東部
- 花蓮(フアーリエン)
- 台湾東岸の中央部、太平洋に臨む町です。
明治時代から日本人が多く住んでいた町で、「昔の日本」の風情が残っています。
また大理石の産地としても有名で、町の歩道やベンチ、空港ビルまで大理石でできています。
台湾東部の観光拠点でもあります。
- 阿美文化村(アーメイ・ウェンホアツン)
- 花蓮の南2kmにある、東海岸一帯に住むアミ族の部落を再現した観光村です。
民族衣装や、生活用具、武器、工芸品などの展示館の他、祭りなどの歌や踊りのショーを見ることができます。
- 太魯閣峡谷(タイルーコー・シャークー)
- 花蓮の北25km、急流が大理石を侵食してできた大峡谷です。「タロコ」とも読みます。
下流の太魯閣が入り口で、20km上流の天祥(テンシャン)まで、高さ100〜200mの断崖絶壁や奇岩が連続する雄大な景色を見ることができます。
途中にいくつもスポットがあり、観光バスかタクシーでの観光が便利です。
台南(タイナン)
台南は、台湾の南西部にある町で、清時代に台湾統治の中心地だった古都です。
市内に多くの寺や史跡が残っています。ヤシやガジュマルが繁る南国の京都といった雰囲気をかもし出しています。
- 赤嵌楼(チーカンロウ)
- 台南の中心部にある、オランダ植民地時代の1653年に防衛用の陣地として建てられた城です。元の名は「プロビンティア城」といいます。
1661年に鄭成功がオランダを追い払った後は首府として使われましたが、1862年の地震で全壊し今の建物は再建されたものです。
なお鄭成功は、母が長崎県平戸の田川氏の娘で、日本人とのハーフです。
- 武廟(ウーミャオ)
- 赤嵌楼の南にある、17世紀中頃に建てられた台湾最古の寺です。
三国時代の名将・関羽を祀っています
- 大天后宮(ターティエンハウコン)
- 赤嵌楼の南西にある1684年創建の廟です。
漁業の女神「媽祖(マーツー)」を祀っています。
- 天壇(ティエンタン)
- 赤嵌楼の南東0.3kmにある寺で、天国の統治者・玉皇大帝を祀っており、台南の中で最も参拝者の多い中心的な寺です。
額に刻んだ大きな「一」の字は有名です。
- 孔子廟(コンズーミャオ)
- 赤嵌楼の南東0.5kmにある孔子を祀った廟です。
1665年に建てられ、台北のものより古い国内最古のものです。
清代末期までは台湾の最高学府とされ、儒学が結集されていました。
何度も修復を繰り返し、現在のものは1917年の日本統治時代のものです。
碑文や歴代元首の額、祭礼用具や楽器などが保存されています。
- 大南門(ダーナンメン)
- 赤嵌楼の南南東1kmにある、かつての14あった台湾府の城門の一つです。
1736年に建てられ、外側を半円形の石壁で囲んでいるため「半月城」とも呼ばれます。
日本統治時代に取り壊されましたが、1977年に公園整備にともない復元されたものです。
- 大南門碑林(ダーナンメン・ペイリン)
- 大南門の南西にある石碑の収集所です。
日本統治時代に町の整備のため、街中にあった石碑を1ヶ所に集めたもので、清朝以後のものが61基あり、歴史的価値も高いといわれています。
- 延平郡王祠(イェンピンチュンワンツー)
- 赤嵌楼の東南東0.8kmにある、台湾の英雄・鄭成功とその一族を祀る廟です。
1662年に鄭成功が亡くなった際に民衆が建てたもので、数少ない中国福建省の建築様式です。別名は「開山王祠」といいます。
「台南民族文物館」も併設しています。
- 安平古堡(アンピンクーパオ)
- 台南市街の東4km、港近くの安平地区にある城跡です。
1642年にオランダによって造られた台湾最初の城で、日本統治時代は西洋風の部屋が税関の宿舎として使われていました。
現在は本丸が記念館になっています。
台湾の観光地