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クロアチアの国旗 クロアチア各地

ザグレブ (Zagreb) は、クロアチア北部の内陸、標高120mにある人口80万人ほどの首都です。
町の南をサバ川 (Sava River) が西に流れ、北方には標高1000mほどの山地が横たわっています。

町は山地のふもとの川沿いに広がり、高層ビルも点在する近代的な新市街(「下町」Lower Town)を形成しています。
新市街の北側の丘の上には、古代から続く旧市街(「上町」Upper Town)があります。

見どころは、新市街の中心部と旧市街に集まっています。
路面電車が走っていて、移動に便利です。

ドゥブロブニク (Dubrovnik) は、クロアチアの南端のアドリア海に臨む人口2万8千人ほどの都市で、スタジオジブリのアニメ「紅の豚」の舞台になった地です。

ローマ帝国時代からの町で、1667年の大地震で多くの建物が倒壊して再建されましたが、12〜13世紀ごろからのものも残る中世の風情を残す城塞都市です。

紺碧の海を背景に、オレンジ色の屋根に石造りの家が密集する美しい町の景観は「アドリア海の真珠」といわれています。

1979年に世界遺産に登録され、多くの観光客が訪れていましたが、1991年、クロアチアがユーゴスラビアから独立する際にセルビア・モンテネグロの軍に砲撃を受けました。
7か月間の戦闘では、多くの建物が損傷を受け、100人を超える市民も犠牲になりました。
そのため一時は危機遺産に指定されましたが、市民が中心になって丹念な修復作業を行い、1998年に危機遺産は解除されました。

ドゥブロブニクはクロアチアの飛び地になっていて、間にボスニア・ヘルツェゴビナ領がわずか数キロだけ海岸部まで入り、この地域を分断しています。
国際空港が町の南東20kmにあり、空路で入るのが一般的です。

なお発音では「ドゥブロブニク」で、「ドブロブニク」と書くこともよくありますが、この「ドブロブニク (Dobrovnik)」と発音する都市が北隣のスロベニアにあるので、混同しないようにする必要があります。

ザグレブ

イェラチッチ広場(共和国広場) (Ban Jelacic Square)
市街の中心部、新市街の北部で、旧市街の東のふもとに位置する広場です。
古くから物々交換の場として形成された場所で、19世紀のクロアチアの英雄・イェラチッチ総督の騎馬像が立っています。
旧ユーゴスラビア時代の1947年から1991年までは「共和国広場」と呼ばれました。
さまざまな催しが行われるにぎやかな広場で、観光案内所もあります。
ドラツ市場 (Dolac Market)
イェラチッチ広場のすぐ北にある市場です。
野菜や果物、肉、はちみつ、ハーブ、チーズなどいろんな食材が並び、早朝から昼過ぎまで多くの人でにぎわいます。
露店の赤いパラソルが並ぶのがシンボルです。
ザグレブ大聖堂 (Zagreb Cathedral)
イェラチッチ広場の北西0.2kmにある大聖堂です。
正式には「聖マリア被昇天大聖堂」(Cathedral of the Assumption of Mary) で、過去のハンガリー統治時代には「聖ステファン大聖堂」と呼ばれたことがあります。
11世紀末に建造が始まり、1242年のタタール侵入で破壊、13世紀末に再建されました。
さらに1880年の地震で倒壊、現在のネオゴシック様式のもので再建されています。
高さ105mの2本の尖塔が特徴で、クロアチアのカトリック教会の中心となっています。
ウスピニャチャ (Uspinjaca)
イェラチッチ広場の西0.2km、下町と上町をむすぶケーブルカーです。
標高差はわずか30m、走る長さもたった66mという世界一短いケーブルカーで、乗車時間もわずか30秒です。
聖マルコ教会 (St. Mark's Church)
ウスピニャチャの北0.2km、旧市街の中心にある教会です。
13世紀に創建のゴシック様式の教会で、屋根には19世紀に造られたクロアチアの紋章のモザイクがあります。
クロアチアの重要な行事はここで行われ、周辺には国会議事堂や首相官邸などのクロアチアの政府機関が集まっています。
石の門 (Stone Gate)
聖マルコ教会の東100m、かつて旧市街を囲んでいた城壁の東門です。
18世紀に大火があって木造だった城壁や門は焼け落ちましたが、この門だけが残りました。 その火事の際に、灰の中から無傷で見つかったマリア像があり、この門を石造りに作りなおしたときにその像をここに安置しました。
現在は市民の礼拝堂のような存在になっています。
失恋博物館 (Museum of Broken Relationships)
聖マルコ教会の南100mにあるユニークな博物館です。
恋の告白ができなかった、死別で恋が終わったなど、恋の終わりにまつわる様々な品が世界から寄贈されて展示されています。
個々の品物とともに、エピソードや交際期間なども記されています。
人生や恋を改めて考えさせてくれる博物館です。
トカルチチェバ通り (Tkalciceva Street)
旧市街の東側のふもと、イェラチッチ広場付近から北へ走る通りです。
19世紀末に流れていた小川を埋め立てて造った通りで、色とりどりの建物が立ち並び、カフェやレストラン、土産物店が入っています。
ミロゴイ墓地 (Mirogoj Cemetery)
旧市街の北3kmにある墓地です。
ヨーロッパで最も美しい墓地のひとつといわれて観光スポットになっています。
中世の領主だったミロゴイスキ家が所有していた土地に、19世紀に別荘が建てられ、所有者の死後にザグレブ市が買い取って中央墓地にしたものです。
公園のような広い敷地に、墓地がありますが、城のような墓や教会のような回廊もあります。

ドゥブロブニク

城壁と旧市街 【世界遺産】
ドゥブロブニクの旧市街はアドリア海に臨む小さな半島の上にあり、東西・南北とも400mほどの範囲です。
この周囲を、13〜16世紀に造られた長さ約2km、最大高25m、厚さは5〜6mの堅固な城壁が囲っています。旧市街東側の城壁の外は港(旧港)になっています。
城壁のところどころに門や要塞が設けられていて、保存状態はよく、城壁の上を歩いて巡ることができます。
旧市街はオレンジ色の屋根の建物が密集し、狭い路地が縦横に走っています。
半島の上にあるため、起伏があり、あちこちに階段があります。
自動車は入れないので、歩いての散策となります。
ピレ門 (Pile Gate)【世界遺産】
旧市街西側の門で、4つある門のうちでは一番大きく、前にバスのターミナルがあるためにほとんどの観光客はここから入ります。
手前に堀があり、門の前には石橋がかかっています。
プラツァ通り (Placa)【世界遺産】
ピレ門の前から旧市街を東西に横切るおよそ300mのメインストリートで、現地語では「ストラドゥーン」(Stradun) と言います。
両側には石造りの建物が立ち並んでショップやレストラン、銀行などが入っていて、その建物の間に狭い路地があります。
オノフリオの大噴水 (Onuphrius' Fountain)【世界遺産】
ピレ門近くにある、1438年に造られた16角形のドーム型の構造物で、各面に刻まれた顔の彫刻の口から水が噴き出しています。
12km離れた山中の湧水を引いてきているもので、おいしい飲用水となっています。
ルジャ広場 (Luza Square)【世界遺産】
プラツァ通りの東端にある広場です。
正面に1444年に造られた「時計付きの鐘楼」、北側には1516年の創建でもともとは貿易商たちの豪華な集会所だった「スポンザ宮殿」、南側にはドゥブロブニクの守護聖人を祀る「聖ヴラホ教会」があります。
また「オノフリオの小噴水」という小型の噴水もあり、この広場の少し南には青空市場が開かれる広場があります。
総督邸 (Knezev Dvor / Rector's Palace)【世界遺産】
ルジャ広場の南にある14世紀から19世紀初頭まで「ラグーサ共和国」を名乗っていた当地の政府施設で、共和国総督の住居でもあった建物です。
15世紀に創建され、1667年の大地震の損壊後に修復されています。
現在は歴史博物館になっています。
聖母被昇天大聖堂 (Assumption Cathedral)【世界遺産】
総督邸の南にある大聖堂です。
12世紀に、十字軍の帰路中に嵐に遭ったイギリスのリチャード1世を救助した縁で、この聖堂が創建されたものです。
もともとはロマネスク様式でしたが、1667年の大地震後はバロック様式で再建されています。
ミンチェタ要塞 (Minceta Tower)【世界遺産】
城壁にある要塞のうちで、旧市街北の最も山側にあるもので、陸側の守りのため強固な造りになっています。
海をバックに旧市街が眺められる絶好のスポットです。
スルジ山 (Srd Mountain)
ドゥブロブニク旧市街のすぐ北にそびえる標高412mの山で、ロープウェーで登ることができます。
広々としたアドリア海とオレンジの屋根が埋め尽くす旧市街全体を眼下に見ることができます。
ロクルム島 (Lokrum)
ドゥブロブニク旧市街の南0.6kmに浮かぶ、南北1.5kmほどの細長い小島です。
11世紀に修道院が造られ、1859年にはハプスブルク家のマクシミリアン大公が別荘の島として邸宅や庭園を造りました。
1959年には植物園も造られていて散策路が整備されています。
島の南東部はヌーディストビーチになっています。

クロアチア各地

スプリト (Split)【世界遺産】
ドゥブロブニクの北西140km、クロアチア南部にある人口20万人ほどの都市で、本土から西へ突き出た小さな半島の上にあります。
3世紀ごろからの歴史を持ち、引退したローマ皇帝・ディオクレティアヌスが隠居用に建造した「ディオクレティアヌス宮殿」(Diocletian's Palace) を中心とした歴史地区が世界遺産となっています。
宮殿は295年から10年ほどかけて建造されたとされ、水を引いていたローマ水道の遺跡も含め、現在も比較的良好な保存状態で残されています。
すぐ南が町の港となっています。
トロギル (Trogir)【世界遺産】
スプリトの西10kmにある小さな町で、2300年にわたる歴史を持つ街並みが世界遺産に登録されています。
紀元前3世紀にギリシャ人が入植したのが始まりで、1123年にサラセン人に破壊された後に13世紀ごろから復興と急速な発展で町が造られました。
中心部は城壁に囲まれて宮殿や多くの教会、住居などが集まり、その建築様式もロマネスクからゴシック、ルネサンス、バロックといったさまざまな時代のものが残っています。
フヴァル島 (Hvar)
スプリトの南40km、アドリア海に東西に80kmに横たわる非常に細長い島です。
紀元前3500年ごろからの歴史がありますが、中世以後は日照時間の長い立地から農業や漁業の盛んな島として現在に至っています。
特にラベンダーの栽培が有名で、風光明媚なリゾート地としても人気があります。
南東端に近いフヴァルの町が中心で、スプリトからフェリーで1時間ほどで訪れることができます。
プリトビツェ湖沼群 (Plitvice Lakes)【世界遺産】
ザグレブの南南西120km、クロアチア中部にある国立公園です。
ディナル・アルプス山脈の中のカルスト地形の一つで、標高500〜600mの山中の8kmにわたって、大小16の湖と92の滝が点在しています。
湖沼の色はエメラルドグリーンをはじめ紺碧、紺青などさまざまな美しい色を見せています。
遊歩道が整備されており、首都ザグレブからバスで日帰りでの訪問が可能です。


クロアチアの観光地

クロアチアの地図

クロアチアの地図

ザグレブ、イェラチッチ広場ザグレブ、イェラチッチ広場
(Photo Ban Jelacic Square. by ironypoisoning)

ドラツ市場ドラツ市場
(Photo 30.3.13 Dolac Market, Zagreb 30 by donald judge)

聖マルコ教会聖マルコ教会
(Photo St Marks Church by Fearless Fred)

スルジ山ロープウェーから見るドゥブロブニクの町とロクルム島スルジ山ロープウェーから見るドゥブロブニクの町とロクルム島
(Photo Cable car to Srd Mountain and Imperial Fortress, Dubrovnik, Croatia by Threat to Democracy)

ドゥブロブニク、プラツァ通りドゥブロブニク、プラツァ通り
(Photo Stradum_HPIM2669 by darioalvarez)

オノフリオの大噴水オノフリオの大噴水
(Photo Great Onofrio Fountain by Anosmia)

城壁を歩いてミンチェタ要塞へ城壁を歩いてミンチェタ要塞へ
(Photo Croatia Summer 2008 1081 by skeddy in NYC)

ミンチェタ要塞から見る旧市街ミンチェタ要塞から見る旧市街
(Photo Croatia-01819 - Tower View by archer10 (Dennis))

スプリト、ディオクレティアヌス宮殿スプリト、ディオクレティアヌス宮殿
(Photo Peristyle of Diocletian's Palace, Split by Following Hadrian)

トロギルトロギル
(Photo Trogir by pululante)

フヴァルの町と港フヴァルの町と港
(Photo Hvar 042 by Sitomon)

プリトビツェ湖沼群プリトビツェ湖沼群
(Photo Plitvice Lake by 29cm)

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