ガラパゴス諸島、 イースター島各地
ガラパゴス諸島
ガラパゴス諸島 (Galapagos Islands) は、東西300km、南北250kmの広い範囲に及んでいて、主要な島も比較的大きいです。
島によって異なりますが、観察できる動物はゾウガメ、アシカ、グンカンドリ、カツオドリ、アホウドリ、フィンチ、ペンギンなどで、これらの固有種の進化を実証する地域として全体が国立公園および世界遺産に登録されています。
ホテルがある有人の島は、サンタクルス島、イサベラ島、サンクリストバル島、フロレアーナ島の4つです。
諸島内の観光は、公認のナチュラリスト・ガイドがついたツアーに参加しなければならず、気ままに自由な行動はできません。
ホテルからの日帰りツアーの他、遊覧船による数日間のクルーズ・ツアーなども用意されています。
また各島に上陸する場合も、港などは造られておらず、沖に停泊したクルーズ船からボートに乗り換えて上陸するという方法をとります。
なお、この地域の動物たちは人間を全く怖がらず、町中でも平然と我が物顔で現れ、逃げません。
どこでも野生の動物を見るチャンスがあります。
滞在の拠点
- バルトラ島 (Baltra Island)【世界遺産】
- 諸島のほぼ中央部にある小島で、国内線の空港があるだけのガラパゴス観光の玄関口です。
太陽光や風力による発電で電力がまかなわれるエコ空港となっています。
4kmほどバスで南端に移動し、渡し船でサンタクルス島に渡ります。
- サンタ・クルス島 (Santa Cruz Island)【世界遺産】
- バルトラ島のすぐ南に浮かぶガラパゴス観光の中心となる島です。
東西60km、南北50kmの楕円形で、諸島の中では2番目に大きい島です。諸島全体の6割にあたる約1万5千人がここに住んでいます。
南岸のほぼ中央に、最大の町プエルト・アヨラ (Puerto Ayora) があり、バルトラ島からの渡し船は北岸に着き、島を縦断する唯一のハイウェイでプエルト・アヨラに入ります。
市街地を除くと全般に国立公園になっていて、内陸部も海岸部もあちこちに動物の保護区があります。
- プエルト・アヨラ (Puerto Ayora)【世界遺産】
- 約1万2千人が住む諸島随一の町で、ホテルや土産物店のほか、政府機関、銀行などもあります。
町はアカデミー湾 (Academy Bay) に面し、ここから大小のクルーズ船が発着します。
- チャールズ・ダーウィン研究所 (Charles Darwin Research Station)【世界遺産】
- プエルト・アヨラ市街の東端にある、1964年設立の生物学研究所です。
世界各国の多くの研究者が集まって日々研究を続けています。
各島々固有のゾウガメやイグアナの飼育場を見学することができます。
- サン・クリストバル島 (San Cristóbal Island)【世界遺産】
- サンタ・クルス島の東80kmに浮かぶ島で、長さ40km、幅15kmほどの細長い形をしています。
西端に人口7千人余のプエルト・バケリソ・モレノ (Puerto Baquerizo Moreno) の町があり、そばにもう一つの国内線の空港がある、ガラパゴス諸島の2つ目の玄関口となっています。
ホテルもありますが、サンタ・クルス島よりも観光プログラムは少ないです。
この島にも内陸、海岸部ともにさまざまな動物が生息しています。
クルージングで訪れる主な島々
- ノース・セイモア島 (North Seymour Island)【世界遺産】
- 空港のあるバルトラ島のすぐ北にある平坦な小島です。
林の中でコロニーを作っているグンカンドリやカツオドリなどを観察することができます。
- サンティアゴ島 (Santiago Island)【世界遺産】
- サンタ・クルス島の北西30kmにある、東西30km、南北25kmほどの島です。
溶岩が冷えて固まった複雑な地形が海岸にあり、アシカやオットセイを見ることができます。
1930年代に製塩を行っていたことがあり、その遺構が残っています。
- バルトロメ島 (Bartolomé Island)【世界遺産】
- サンティアゴ島の東海岸に隣接する小島です。
設置された350段の階段で頂上に登ると、周囲にガラパゴスの島々の風景を見ることができます。
- イサベラ島 (Isabela Island)【世界遺産】
- サンタ・クルス島の西40kmにあるガラパゴス諸島最大の島です。
南北130kmもあり、面積は沖縄本島の4倍弱あります。島の北部を赤道が通っています。
標高1707mを筆頭に6つの1000m級の活火山が連なっていて数年に一度噴火や溶岩流が起き、その都度生息する動物たちへの影響が心配されます。
南岸に唯一の町、プエルト・ビジャミル (Puerto Villamil) があり、町はずれにゾウガメ人工繁殖センターがあります。町からは自然観察のための歩道が整備されています。
全般に海岸は断崖が多く、西海岸には火山のクレーターが湾になった「タグス・コーブ (Tagus Cove)」、多くの生物が集まる高い断崖海岸の「プンタ・ビセンテ・ロカ (Punta Vicente Roca)」、1954年に珊瑚が隆起してできた海岸「ウルビーナ・ベイ (Urbina Bay)」、溶岩でできた黒い海岸「プンタ・モレーノ (Punta Moreno)」などのスポットがあります。
船で訪問して上陸したり、シュノーケリングができるスポットもあります。
- フェルナンディナ島 (Fernandina Island)【世界遺産】
- イサベラ島のすぐ西にある東西・南北とも30kmほどの島で、諸島の最西端にあたります。
火山活動が活発で、ほとんど植物は生えず、マングローブ林が海岸にある程度です。
しかしここはイグアナやペンギンなど多くの動物が生息しています。
- サンタ・フェ島 (Santa Fe Island)【世界遺産】
- サンタ・クルス島の南東25kmにある、東西5kmほどの島です。
この島だけに生息する固有種のイグアナを観察することができます。
- フロレアナ島 (Floreana Island)【世界遺産】
- サンタ・クルス島の南60kmに浮かぶ東西・南北とも20kmほどの島です。
諸島で最初に移住者が棲みついた島で、西岸に小さな村のプエルト・ベラスコ・イバラ (Puerto Velazco Ibarra) があります。
北岸のポスト・オフィス・ベイ (Post Office Bay) は、かつて船乗りが郵便物を回収していった樽ポストが残されている観光地となっています。
- エスパニョーラ島 (Española Island)【世界遺産】
- サンタ・クルス島の南東90kmにある東西10kmほどの島です。
北岸のガードナー・ベイ (Gardner Bay) と西端のプンタ・スアーレス (Punta Suarez) がスポットで、多くの海鳥の楽園となっています。
- ヘノベサ島 (Genovesa Island)【世界遺産】
- サンタ・クルス島の北北東100kmにある直径3kmほどの小島で、南側が小さなクレーターの湾になっています。
諸島の中で数少ない北半球側にある島で、多種のグンカンドリやカツオドリが観察できます。
イースター島
イースター島 (Easter Island) は、東西・南北18kmほどの辺が直角をなす二等辺三角形のような形の島で、広範囲の近海に島がない絶海の孤島です。
海底から噴き出した火山でできた島で、ちょうど3つの角の所に休火山があります。北部のテレバカ山が最高峰で標高は507mです。
南西部にあるハンガロア村 (Hanga Roa) が唯一の村で、空港やホテルが集中しています。
モアイ像が見られるスポットは島内に点在し、ある程度道路も整備されているので車(レンタカーや乗合タクシー)などで周ることができます。
- オロンゴ (Orongo)【世界遺産】
- ハンガロア村の南3km、島の南西端のラノ・カウ火山のふもとにある岬です。
火山の頂上のカルデラは「儀式村」と呼ばれ、1500年ごろから鳥の頭を持つ神「鳥人」を崇める儀式が行われた地でした。
毎年各部族から選ばれた者がここからオロンゴ岬を駆け下りて荒海を泳ぎ、数百m沖の小島に営巣する鳥の卵を持ち帰るレースが行われ、その勝者の部族が翌年に島を支配することになっていたそうです。
- タハイ (Ahu Tahai)【世界遺産】
- ハンガロア村の北のはずれにあるモアイ像で、島で唯一、目が入っています。
- ビナプ (Ahu Vinapu)【世界遺産】
- ハンガロア村の東には空港があり、その滑走路の東端近くにあるモアイ像です。
倒されたり、地中に埋まっていたりして散乱していますが、祭壇の石組は南米インカ時代以前の石組みに似ている精巧なもので、考古学的に貴重です。
- プナパウ (Puna Pau)【世界遺産】
- ハンガロア村の東北東3kmにある、モアイ像の頭にかぶせる帽子のようなもの(プカオ)を切り出していた場所です。
当時、位の高い人は髪を赤く染めて結っていたため、その表現のために赤色の岩が採れるこの地が選ばれたということです。
- アキビ (Ahu Akivi)【世界遺産】
- ハンガロア村の北東6kmにある、7体の横に並んだモアイ像です。
島で唯一、内陸の丘の上から海の方を向いているというものです。初期に建てられたとみられ、赤い帽子はかぶせられていません。
- バイフ (Ahu Vaihu)【世界遺産】
- ハンガロア村の東4kmの海岸沿いにある、17〜19世紀の内乱によるモアイ倒し合戦の激戦地です。
8体のモアイ像はすべて、目は抜かれ、顔を地面につけるように倒されています。
- アカハンガ (Ahu Akahanga)【世界遺産】
- ハンガロア村の東8kmの海岸沿いにある、伝説の初代王が葬られたと伝えられる地です。
かつては大きな町があったといわれ、いくつかの住居が復元されています。
周辺は、13体のモアイ像が倒し合戦の末に倒されて転がったままになっています。
- ラノララク (Rano Raraku)【世界遺産】
- ハンガロア村の東15km、島東端のラノララク山のふもとにある、かつて島内すべてのモアイ像が制作された地です。
およそ400体の作りかけのモアイ像が数百年間放置されたままになっています。
切り出し直後の石から、完成間近の像まで、その制作過程がよくわかります。
- トンガリキ (Ahu Tongariki)【世界遺産】
- ラノララクの東1km、島内最大のモアイ像遺構で、イースター島の目玉です。
約100mの祭壇に15体のモアイ像が並んでいる姿は勇壮です。
1960年のチリ沖大地震で大津波に襲われた際に、このモアイ像が全部流されたのですが、1992年から日本のクレーンメーカーのタダノが支援して、1995年にほぼ完全に修復が完了しました。
ここの15体のモアイの立像はイースター島全体の3分の1にあたる数です。
- テピトクラ (Te Pito Kura)【世界遺産】
- トンガリキの北5km、島の北岸中央部にある丸い石の遺構です。
直径80cmほどのほぼ球体の石が置かれ、それの1m外側に高さ50cmほどの石垣が取り囲んでいます。
「世界のへそ」と呼ばれていますが、かつでどんな儀式が行なわれたのかはわかっていません。
周辺には倒されたモアイ像が点在しています。
- アナケナ海岸 (Playa de Anakena)【世界遺産】
- テピトクラの北西3kmにある美しい白砂のビーチで、イースター島唯一の海水浴場となっています。
ここにもモアイ像があり、7体のうち5体が完全な形で残っています。
背面には線のようなレリーフがあり、それが「ふんどし」のように見えることで知られています。
ガラパゴス諸島、イースター島の観光地
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