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中国の国旗 華南東部、広東と福建(中国の観光地 7)

広州は広東省の中央部、南シナ海に注ぐ珠江(チュージアン)のデルタ地帯の北端に位置する省都で、人口1000万を擁して北京、上海に次ぐ中国第3位の大都市です。

古代から華南の中心的な都市で、戦後の中華人民共和国成立後は植民地であった香港に近いために、対外貿易港の機能を持っていました。
また「食は広州にあり」と言われる食都としても有名です。

深圳は、広州の南東100kmにある1980年に中国最初の経済特区に指定され、最も経済発展が目覚しい都市です。
西に珠江が注ぎ込む湾「珠江口」があり、南は深圳河をはさんで香港に接します。
新興都市のため、観光スポットも新しいテーマパーク的なものが多く造られています。

広東省の北東に位置する福建省は、全般に山がちで耕地が少なく、古くから海へ出ていく人が多く、世界の華僑の多くが福建省出身です。

広州(クアンチョウ)

越秀公園(ユエシウ・ゴンユエン)
市の中心部、広州駅の南東にある丘「越秀山」を中心にした公園です。
敷地内には3つの人造湖があり、「鎮海楼」などの楼閣があります。
また南西の隅にある「五羊石像」は、5匹の羊が五穀豊穣をもたらしたという伝説に基づくもので、広州が「羊城」とも呼ばれる言われにもなっています。
鎮海楼(チェンハイロウ)
越秀公園の中央、越秀山の山頂に建つ明代の1380年に造られた楼閣です。
高さ28mの5層で、しばしば氾濫を起こした珠江を海に見立て、それを鎮めるために命名されたものです。
1929年にコンクリート造りに改修し、内部が「広州市博物館」になっています。
中山紀念堂(チョンシャン・チーニエンタン)
越秀公園の南にある革命の父・孫文を記念して1931年に建てられた講堂です。
八角形の宮殿風の外観で、1921〜22年に臨時大統領就任中に総統府があった地に建っています。
蘭圃(ランプー)
広州駅の近く、越秀公園の西にある公園でランが1万鉢以上あります。
大通りに面しながら静かな都会のオアシスとなっています。
園内に中国茶館がいくつかあります。
西漢南越王墓博物館(シーハン・ナンユエワンムー・ボーウークアン)
蘭圃の南にある、紀元前2世紀の前漢(西漢)時代の南越王・趙昧の墓や出土品を展示している博物館です。
1983年の建設工事の際に偶然発見されたもので、墓室のほかに千点を越える副葬品が出土しています。
光孝寺(グアンシャオスー)
越秀公園の南西1kmにある広東省最古の禅寺です。
前漢時代の南越王の邸宅が5世紀に寺とされ、名前を変えながら明代の1482年に「光孝寺」になりました。
各時代に建てられた建物が多く残っています。
六榕寺(グアンシャオスー)
光孝寺の南東にある南北朝時代の537年創建の寺です。
もともとは「浄慧寺」といいましたが、宋代の詩人・蘇東坡が訪れた時に境内の6本の榕樹(ガジュマル)を讃えて「六榕」と書き残して以来「六榕寺」と呼ばれるようになりました。
中央にある高さ57mの八角9層の「花塔」は広州最古の仏塔です。
陳氏書院(チェンシー・シューユエン)
六榕寺の西1.5kmにある廟で、「陳家祠」ともいいます。
清代末期に広東省内の「陳」姓を名乗る人々が祖先を祀る廟として建てたもので、建物の各所に精巧な装飾が施されています。
一族の子弟が科挙受験の私塾としても使われました。
現在は広東省の民間工芸品の展示を行っています。
清平市場(チンピン・シーチャン)
六榕寺の南西2km、珠江近くにある広州最大の食品市場です。
広東料理を支えるバラエティ豊かな食材が集まっており、野菜や魚はもちろん、ヘビ、ウサギ、ネズミ、犬、猫、タヌキ、サソリ、亀といった驚くような材料が売られています。
沙面(シャーミエン)
清平市場の南、明代に珠江の河畔を埋め立てて造られた小さな人工島で、石造りの洋館が並ぶヨーロッパ風情の街並みです。
東西900m、南北300mほどの地域で、19世紀後半に欧米列強の租界地となって領事館などの開設のために建てられたものです。散策が楽しめます。

深圳(シェンチェン)

深圳博物館(シェンチェン・ボーウークアン)
市街の東部にある1988年開館の博物館です。
4つのフロアに古代の青銅器から明・清代の絵画まで各時代の展示があります。
ツアーなどにはよく組み込まれていますが、土産物の販売が強引だという話も伝わっています。
錦繍中華(ジンシウ・チョンフア)
市街の西15km、深セン湾岸にあるミニチュアのテーマパークです。
30万uの敷地に、中国各地の名勝や遺跡を1/15の大きさで精巧に作ったものが80余り並んでいます。
一巡りするだけで中国全土の観光地がわかります。
中国民俗文化村(チョンクオ・ミンツー・ウェンフアツン)
錦繍中華の西隣にある中国少数民族の家屋を再現したテーマパークです。
20万uを越える敷地に21の少数民族の民家が再現され、中には生活がわかるように民具や調度品が置かれています。
衣装、音楽、舞踊、工芸なども紹介しています
世界の窓(シーチエ・チーチュアン)
中国民族文化村の西にある世界の名所や民族を紹介しているテーマパークです。
48万uの敷地に100を越える世界の名所のミニチュアがあります。
日本のものでは富士山や法隆寺などがあります。

肇慶(チャオチン)

肇慶は、広州の西80km、東シナ海に注ぐ西江(シージアン)の北岸の町です。
東郊に良質な硯の石を産する渓谷「端渓」があり、市内は昔ながらの硯工場があり、ここで製作された硯が「端渓硯」です。
また広東省随一の景勝地でもあります。

七星岩(チーシンヤン)
市街北部にある7つの岩山とそれらを取り囲む5つの湖が広がる景勝地です。
岩山は石灰岩で、鍾乳洞もいくつもあります。
周辺には寺院も点在し、崖には唐代以降の石刻などもあります。

厦門 [アモイ](シアメン)

厦門(アモイ)は、福建省東南部、台湾海峡に面する町です。
主要部は大陸と厦門港を挟んだ厦門島の西側にあります。大陸と島は橋で結ばれています。
明代から貿易港として栄え、南京条約の開港でさらに発展しました。
付近の風光も美しく、経済特区にも指定され活気があります。
なお「アモイ」は日本語での読みで、現地訛りで聞こえた音がそのまま読みになったらしいということです。ですから現地で「アモイ」と言っても通用せず、現地語では「シアメン」です。

南普陀寺(ナンプートゥオスー)
厦門島の南部、五老山の南麓にある寺です。
唐代の創建で興廃を繰り返し、清代の再建時に浙江省の普陀山の南にあることから南普陀寺となったといわれます。
境内には堂々とした建物が並び、この地域の仏教の聖地となっています。
独特の精進料理も有名で、一般参拝客も食べることができます。
胡里山砲台(フーリーシャン・パオタイ)
厦門島の南部海岸にある、清代の1891年に建てられた砲台跡です。
沿岸防衛のために設けられ、城壁や濠の他、宿舎や弾薬庫なども保存されています。
砲台には長さ14mのドイツ製の大砲が残っています。
鼓浪嶼 [コロンス島](グーランユー)
厦門島の南西に700mの水路を隔てて浮かぶ長さ2km、幅1kmほどの小島です。
島中に花が咲き乱れて「海上の楽園」といわれます。
南西部に高さ92mの最高地点「日光巌」があり展望台になっています。
1903年に租界地となり、ヨーロッパや日本などの外国人が建てた別荘が多く残っています。
清代初めにこの地域で戦った英雄の「鄭成功博物館」や海浜庭園の「菽荘花園」などのスポットもあります。

泉州(チュアンチョウ)

泉州は、福建省南東部にある町です。
12世紀の宋代から13世紀の元代に、中国一の貿易港として賑わい、マルコポーロの「東方見聞録」にも紹介されました。
現在は港は土砂で埋まって貿易港の面影はありませんが、当時の繁栄を示すスポットがいくつも残っています。

開元寺(カイユアンスー)
市街の北西部にある寺です。
唐代の686年の創建で、福建省最大の敷地を誇り、建物の各所に古代インドの神話に基づく彫刻があります。
境内に高さ48mの東塔、高さ44mの西塔、両者をあわせて「双塔」という石塔があり、町のシンボルとなっています。
海外交通史博物館(ハイワイ・ジャオトンシー・ボーウークアン)
市内の2ヶ所にある貿易港・泉州の歴史を伝える資料を展示する博物館です。
開元寺の東にある建物には、1974年に泉州湾で発見された宋代の沈没船が展示されています。
また町の東郊にある建物には、海事活動の文物や、宋・元代以後のイスラム教、バラモン教、マニ教などの墓石や石刻などが展示されています。
清浄寺(チンジンスー)
市街の南部にある中国最古のイスラム寺院です。
アラビア語の碑文により1009年の創建で、1310年に改修されたと記録があります。
高さ20mのアラビア風のアーチ型入り口を持つ大門が残っています。
洛陽橋 (ルオヤンチャオ)
市の東10km、洛陽江に架かる橋です。
宋代の1059年に完成したもので、長さ834m、幅7m、橋脚が31あります。
湾に注ぐ河口にあり、波が荒い場所で、貝のカキを使って基礎を固める独特な工法が特徴となっています。

福建省各地

武夷山(ウーイーシャン)【世界遺産】
福建省北東部の山地です。
天遊峰が最高峰で1155mですが、36峰99岩72洞108景といわれ、山々を渓谷が刻み、奇峰、奇岩があちこちに点在します。
山々を縫いながら流れる「九曲峡」がハイライトで、約10kmを竹作りのいかだで川下りを楽しむことができます。
またこの付近は「岩茶」と呼ばれる烏龍茶の産地としても有名です。
永定客家土楼民族文化村(ヨンティン・クーチャ・トゥーロウ・ミンツー・ウェンフアツン)
【世界遺産】
厦門の西北西150km、広東省との省境近くの町・永定にある民族文化村です。
漢代に黄河流域から争いを逃れて移住してきた民「客家(ハッカ)」が、この地で建てた独特の円筒形や方形の土作りの巨大な一族集合住宅「土楼」がいくつもあります。
主なものに「承啓楼」、「振成楼」などがありますが、周辺の地域には数百の土楼が点在します。


中国の観光地

華南東部の地図


広州中心部の地図


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広州、光孝寺広州、光孝寺
(Photo by (c)Tomo.Yun)

広州、六榕寺広州、六榕寺
(Photo by (c)Tomo.Yun)

肇慶、七星岩肇慶、七星岩
(Photo ZhaoQing by preetamrai)

アモイ港、コロンス島の地図


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南普陀寺南普陀寺
(Photo DSCN1300 by sly06)

コロンス島からアモイ島を望むコロンス島からアモイ島を望む
(Photo DSCF1365 by Jimmy Xue)

泉州、開元寺泉州、開元寺
(Photo ps0455 by tom@hk | 湯米tomhk)

武夷山、九曲峡のいかだ下り武夷山、九曲峡のいかだ下り
(Photo by Hello World! 世界一周旅行)

永定の土楼永定の土楼
(Photo Gaobei Tulou cluster by Ningbo Ningbo)

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