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ドイツの国旗 ロマンティック街道(ドイツの観光地 4)

ドイツ南部のほぼ中央を南北にたどる観光ルートがロマンティック街道 (Romantische Straße) で、ドイツ観光の目玉になっています。

ロマンティック街道は、ドイツ中部のヴュルツブルクから、南端のオーストリア国境に近いフュッセンまで、南北に走る約360kmの街道です。
かつてローマ人がローマへの巡礼のために造った街道で、現代の「ロマンティック(夢想的)」という言葉はそれが語源になっています。
ただ、実際には一つの道が貫通しているのではなく、直線的に並ぶ観光地をつないだ観光エリアと考えたほうがいいです。

第二次大戦後、アメリカの将校たちがこの地域で家族と盛んにバカンスを過ごしていたため、観光地として整備されたという経緯があります。

26の中世の雰囲気が残る町を結び、美しい自然や陽気な南ドイツ気質に触れることができます。

ヴュルツブルク

ヴュルツブルク (Würzburg) は、ドイツ中央部、フランクフルトの東南東100kmにあるマイン川 (Fluss Main) 沿いの人口13万人ほどの町です。
8世紀に司教座が置かれた古都で、日本に近代医学を伝えたシーボルトや、X線の発見者レントゲンなどの出身地です。
ロマンティック街道の起点であるとともに、周辺のフランケン・ワインの集積地として知られています。

マルクト広場 (Marktplatz)
マイン川東岸の旧市街の中心にある広場です。
普段から出店が並ぶ賑やかな場所で、クリスマスの時期にはクリスマス・マーケットが立ちます。
広場の一角には、14世紀のロココ様式の建物で、かつて司祭の住居だった「鷹の家 (Haus zum Falken)」があり、観光案内所が入っています。
ノイミュンスター教会 (Neumünster)
マルクト広場の南東にある教会です。11世紀に最初の大聖堂のあった場所にロマネスク様式で建てられ、正面の赤砂岩のファサードは18世紀に造られたものです。
内部は美しいレリーフやフレスコ画で飾られ、聖キリアンの墓廟もあります。
大聖堂 (Dom)
ノイミュンスター教会の南にあるドイツ屈指の規模を誇る大聖堂で、正式には「聖キリアン大聖堂」といいます。
788年に現在のノイミュンスター教会の場所に造られたのが最初で、855年に焼失、1188年にロマネスク様式で現在の場所に再建されました。
しかし第二次大戦で破壊され、オリジナルの修復は断念し、現代風にアレンジして1989年にやっと修復が終了しました。
内部の柱には歴代大司教の墓標が取り付けられています。
レジデンツ (Residenz)【世界遺産】
マルクト広場の南東1kmにある1744年に造られた国内最大のバロック様式の宮殿です。
ナポレオンが「ヨーロッパ一美しい」と称賛した大司教の居城で、内部に多くの部屋があります。
特に600uという世界最大のフレスコ画のある「階段の間」や「庭園の間」、「白の間」、「皇帝の間」などの他、敷地内の庭園「ホーフ庭園」も見所です。
ガイドツアーで見学することができますが、内部の撮影は禁止となっています。
アルテ・マイン橋 (Alte Mainbrücke)
旧市街とマイン川西岸を結ぶ石橋です。15〜16世紀に造られ、第二次大戦で破壊されて復元されたものです。
橋の上に当地にゆかりの聖者の石像が12体並んでいます。
マリエンベルク要塞 (Festung Marienberg)
アルテ・マイン橋の南西の丘の上にある、13〜18世紀の歴代の大司教の居城です。
長い期間に改修や拡張が行われてさまざまな建築様式が混在しています。
レジデンツへ居城が移って以後は廃墟となり、第二次大戦で破壊された後に修復されて2つの博物館が入っています。

ローテンブルク

ローテンブルク (Rothenburg ob der Tauber) は、ヴュルツブルクの南50km、タウバー渓谷にある中世の街並みが美しい街です。
10世紀に町ができ、13世紀に「帝国自由都市」となり発展しましたが、1618年からの三十年戦争によって衰退しました。
第二次大戦で町の半分が破壊されましたが、世界からの寄付によりほぼ完全な形で復元されています。
なお、正式地名は国内の同名の町と区別するため、「タウバー川河畔の」という意の添え書きが付きます。

市庁舎 (Rathaus)
市街の中心「マルクト広場 (Marktplatz)」に西側に建つ建物で、現在も行政局として使われています。
13〜14世紀のゴシック様式の建物の前方に、16世紀のルネサンス様式の建物が増築されています。
高さ60mの鐘楼に登ることができ、市街を展望することができます。
市議宴会場 (Ratstrinkstube)
マルクト広場の北側にある、1446年に市会議員の宴会用に建てられた建物です。
壁に1683年に主時計が、1910年に仕掛け時計が取り付けられています。
仕掛けは、30年戦争の際に町を包囲した敵将が出した3リットルのワイン一気飲みという難題を、時のヌッシュ市長がやってのけ、町の破壊と首切りを免除されたという故事にちなむものです。
聖ヤコプ教会 (St.Jakobs-Kirche)
マルクト広場の北西にあるプロテスタント教会です。
14〜15世紀に建造されたゴシック様式の建物で、内部にある15世紀の「聖血祭壇」、「12使徒祭壇」などの彫刻や、ステンドグラスが見所です。
また1968年に納められた5500本のパイプを持つオルガンの響きが素晴しく、夏には週2回コンサートが行われます。
郷土博物館 (Reichsstadtmuseum)
聖ヤコブ教会の北にある博物館です。13〜16世紀にドミニコ修道尼院だった建物で、当時使われていた台所がそのまま残されています。
1631年にヌッシュ市長がワインの一気飲みで町を救った際に使われたというワイン大杯も展示されています。
ブルク公園 (Burggarten)
市街の西の端にある公園です。
ドイツ皇帝の家系となるシュタウフェン家が1142年に城を構えた地ですが、1356年の地震で崩壊してしまい、「ブラジウス礼拝堂 (Blasiuskapelle)」だけが再建され、「ブルク門 (Burgtor)」が建てられています。
全体に庭園となっており、町やタウバー川の渓谷を眺めることができます。
プレーンライン (Plönlein)
マルクト広場の南0.2km、中世の街並みで最も美しいといわれる地区です。
14世紀の「ジーバース塔 (Siebersturm)」が通り沿いに建ち、西側には渓谷に下りる「コーボルツェラー門 (Kobolzeller Tor)」があり、周辺は中世の瀟洒な民家が建ち並びます。
夜は街並みがライトアップされます。

ローテンブルク南郊

ディンケルスビュール (Dinkelsbühl)
ローテンブルクの南40kmにある町です。
ベルニッツ川 (Fluss Wörnitz) 沿いにあり、13世紀に防衛設備を持つ帝国自由都市となりました。
三十年戦争では、1632年に町を包囲した敵将に子供たちが慈悲を請い、破壊を免れたといわれています。
また第二次大戦でも戦火を免れ、中世の街並みが残っています。
15世紀のゴシック様式の美しい教会「聖ゲオルク教会 (Münster St.Georg)」があります。
ネルトリンゲン (Nördlingen)
ディンケルスビュールの南南東30km、1500万年前に隕石が落下してできたというリース盆地の中にある、直径1kmほどの円形の町です。
周囲は城壁で囲まれ、17世紀以後は街並みに全く手を加えずに現在に至っています。
15世紀の「聖ゲオルク教会 (St.Georgkirche)」などの中世の建造物の他、隕石に関する紹介を行う「リースクレーター博物館 (Rieskrater Museum)」もあります。

アウクスブルク

アウクスブルク (Augsburg) は、ネルトリンゲンの南南東60km、ミュンヘンの北西50kmにある人口25万人の町です。
紀元前1世紀にローマ皇帝アウグストゥスが植民地としたのが始まりで、中世はフッガー家の拠点となり、近郊での銀や銅の採掘による富で発展しました。
第二次大戦で壊滅しましたが、忠実に再現されて今日に至っています。
なお市名は日本語では「アウグスブルク」とも呼ばれますが、現地発音では「ク」が濁らずに「アウクスブルク」です。

市庁舎 (Rathaus)
市街の中心部にある、1620年に建てられた美しいルネサンス様式の建物です。
3階にある「黄金の間 (Goldner Saal)」は金がふんだんに使われた豪華な部屋で見所になっています。
市庁舎の前は広場になっており、16世紀に造られた「アウグストゥスの噴水 (Augustusbrunnen)」があり、市庁舎の北側には1618年に造られた高さ76mの「ペルラッハの塔 (Perlachturm)」があります。
大聖堂 (Dom)
市庁舎の北0.5kmにある聖堂です。10世紀から建設が始まった古い歴史を持ち、11世紀半ばという世界最古のステンドグラスがあります。
内部には古い美術品が多くあります。
モーツァルトハウス (Mozarthaus)
大聖堂の北にある、作曲家モーツァルトの父レオポルトが生まれた家です。
モーツァルトにちなむ楽器や家具などの資料が展示されています。
フッゲライ (Fuggerei)
市庁舎の東0.4kmにある福祉住宅です。1519年にフッガー家が救民のために建てた世界最古の社会福祉施設で、長屋風の住居が並んでいます。
一部が博物館となり、内部の様子を見学することができます。

フュッセン

フュッセン (Füssen) は、アウクスブルクの南100km、オーストリア国境間近にある町です。
標高830mはドイツで最も高いところにある町で、ロマンティック街道の終点となっています。
古代ローマ時代から交通の要衝とされ、中世にはイタリアの交易で繁栄しましたが、17世紀の三十年戦争で衰退しました。
現在は近郊の観光拠点となっています。

ノイシュバンシュタイン城 (Schloss Neuschwanstein)
フュッセンの南東5km、アルプスの麓に建つ白亜の美しい城で、「白鳥城」ともいわれます。
バイエルン王ルートビッヒ2世が国の財政を脅かすほどの資金を投じて、1869年から17年かけて建設したもので、心酔していた作曲家ワーグナーのオペラに登場する騎士の城をイメージして造られました。
完成後間もなく王は謎の死を遂げ、その後一般に開放されました。
ドイツを代表する観光スポットで、ディズニーの「シンデレラ城」のモデル、映画「チキチキバンバン」の舞台などになっています。
ホーエンシュバンガウ城 (Schloss Hohenschwangau)
ノイシュバンシュタイン城の西1km、アルプ湖 (Alpsee) 畔に建つ黄色の城です。
12世紀の創建で、一時荒廃していましたが1836年にマクシミリアン2世が再建し、息子のルートビッヒ2世がノイシュバンシュタイン城の完成まで生涯の大半を過ごしました。
城内の部屋はさまざまな様式の装飾が施され、ワーグナーが弾いたというピアノもあります。
リンダーホフ城 (Schloss Linderhof)
ノイシュバンシュタイン城の東20kmの山中にある小さな城です。
王家の狩猟地にルートビッヒ2世が1879年に造ったもので、ベルサイユ宮殿を模し、外面はイタリア・ルネサンスとバロック様式、内部は金色と鏡をふんだんに使った絢爛たるロココ調となっています。
庭園内にはワーグナーの歌劇「タンホイザー」の世界を表現し、当時画期的な発電機のライトアップ照明をつけた「ビーナスの洞窟」があります。
ヴィース巡礼教会 (Wallfahrtskirche zum Gegeißelten Heiland auf der Wies)【世界遺産】
フュッセンの北東20kmの町シュタインガーデン (Steingaden) 郊外の牧草地にぽつんと建つ教会です。
1738年に町の農婦が、もらった救世主の木像に熱心に祈りを捧げていたところ像が涙を流す奇跡が起こり、巡礼地となって1754年に教会が建てられたものです。
外観は質素ですが、内装はヨーロッパ随一といわれるきらびやかなロココ様式となっています。


ドイツの観光地

ドイツ南部の地図

ヴュルツブルクの町とマイン川ヴュルクブルクの町とマイン川
(Photo Wuerzburg Alte Mainbrücke by Tilo 2007)

レジデンツとその庭園レジデンツとその庭園
(Photo IMG_1092_1 by acme)

ローテンブルクの通りローテンブルクの通り
(Photo Rothenburg ob der Tauber by tm-md)

マルクト広場、正面に市議宴会場マルクト広場、正面に市議宴会場
(Photo Rothenburg ob der Tauber by Moyan_Brenn)

ローテンブルク、プレーンライン地区ローテンブルク、プレーンライン地区
(Photo Rothenburg ob der Tauber by tm-md)

ディンケルスビュールディンケルスビュール
(Photo Dinkelsbühl by sedoglia)

空から見たネルトリンゲンの町空から見たネルトリンゲンの町
(Photo Nördlingen - Air View (Postcard) by roger4336)

アウクスブルク、市庁舎アウクスブルク、市庁舎
(Photo 2004-02-01 Ulm, Augsburg 087 Augsburg, Rathaus by Allie_Caulfield)

フッゲライフッゲライ
(Photo Augsburg - Fuggerei by roger4336)

ノイシュバンシュタイン城ノイシュバンシュタイン城
(Photo Neuschwanstein Castle by Nite Dan - Enjoypixel)

ホーエンシュバンガウ城ホーエンシュバンガウ城
(Photo Schloss Hohenschwangau by JackVersloot)

リンダーホフ城リンダーホフ城
(Photo Allgaeu_09_2005_ 200 by rs-foto)

ヴィース巡礼教会ヴィース巡礼教会
(Photo 2009-05-22 Pfaffenwinkel 081 Wieskirche by Allie_Caulfield)

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