アイスランド　- Iceland -

アイスランドは、ヨーロッパの北西方に浮かぶ島国です。

ヨーロッパの中でも大陸から離れている国のため、その位置を的確に把握している人はあまりいないかも知れません。

簡単に言えば、イギリスの少し左に傾いた感じのグレートブリテン島をその方向にもう一つ置いた少し先にこの島があるという位置関係になります。

正確には、イギリスの北北西約900kmにあり、またアイスランドから東1200km先はノルウェーの中部あたりになります。

一方、アイスランドの北西300kmには、氷雪で覆われた世界最大の島グリーンランド (Greenland、デンマーク領) の南東岸があります。

島は東西500km、南北350km程度の楕円に、西側にいくつかの大きな半島が突き出ているというような格好です。
高緯度にあるため、ヨーロッパ大陸中心の地図では大きくひずんで表現されるケースが多いですが、面積としては日本の東北地方と関東地方を合わせた程度です。

地球表面は、プレートと呼ばれるいくつもの巨大な岩盤で構成され、その境目には地球内部のマントル対流によってマグマが押し上げられて新しいプレートを生成し続けている「海嶺」という延々と連なる火山山脈が形成されています。
この海嶺から左右にプレートは動いていくわけで、まさにこれは「地球の裂け目」ということになります。

多くは大洋の中心部の深海にあるので「海嶺」なのですが、アイスランドはそれが海上に出ている珍しいスポットです。
「裂け目」という場所のとおり、アイスランドは1年に2cmほど東西に引き裂かれ続けているそうです。
（東はユーラシア大陸を載せたプレート、西は北米大陸を載せたプレート）

こういう地勢のため、島には活発な活火山が多く存在し、温泉や間欠泉もあちこちにあります。
（もちろん、地殻の動きによる地震も多いです。）

火山の島であることと、かつての燃料のための伐採によって、島には森がほとんどありません。

温泉を利用した暖房の他、地熱発電は発電量全体の4分の1を占め、4分の3の水力発電とともに、化石燃料消費が非常に少ないクリーンなエネルギーの国としても知られています。

9世紀ごろまでは無人島で、ノルウェーやスコットランド、アイルランドから移住してきたのがこの国の歴史の始まりです。
伝説的な王が存在しなかったため、930年に民主的な合議制の自治が生まれ、これが世界最古の民主議会の誕生となりました。

11世紀以降はノルウェーやデンマークの支配下に入りましたが、19世紀に独立運動が始まり、1918年にデンマーク国王主権下ではありますが「アイスランド王国」として独立しました。
さらに第二次大戦終盤の1944年に、ナチスに占領されたデンマークから離れ「アイスランド共和国」として完全な独立を果たしています。

古くから漁業や農業が中心の経済でしたが、第二次大戦後は工業国へ移行、高度成長を遂げてヨーロッパでトップクラスの、高い国民一人当たりのGDPを達成しました。

リーマンショック後は一時経済危機に陥りましたが、現在は回復し、問題を抱えるEUの中でも好調な経済国家となっています。

地球の生成が眼前にできるダイナミックなスポットを訪れるのが旅の主眼になりますが、北極圏近くに位置するために冬のオーロラも楽しめます。

先進国と同様なネット・インフラも整備されていて、また治安も非常に良いため、旅行がしやすい国となっています。

日本からアイスランドへの国際線の直行便はありません。
ロンドンやコペンハーゲン、オスロ、ストックホルム、ヘルシンキといった北欧主要都市経由で入るのが一般的です。
国際空港は、首都レイキャビクの西50kmのケフラヴィーク国際空港です。

アイスランドには鉄道がなく、移動はバスかレンタカーを使うことになります。
また、レイキャビク市内にあるレイキャビク空港から、各地の都市へ国内線が飛んでいます。

主要データ

面積： 10.3万k�u（本州の半分程度）
人口： 32万人（2012年）
人種： アイスランド人
言語： アイスランド語。英語とデンマーク語も話せる人がほとんどです
宗教： 福音ルーテル教（7割）

気候

高緯度にありますが、暖流の影響で、平均気温は夏が10度、冬も0度前後の気温です。
また、夏は完全な白夜にはなりませんが、日がほとんど沈みません。
冬は、一番昼が短い時期で、夜明けが11時頃、日没は15時頃になります。

時差

日本標準時 − 9時間です。
夏は日が沈む時間が短いので、ヨーロッパでは唯一サマータイムを実施していません。

通貨

アイスランド・クローナ（通貨コード：ISK）