海外旅行先の安全状況について

海外に旅行する場合に誰しも願うことは、なんと言っても無事に日本へ帰ってくることです。

昨今、世界の各地で以前よりもテロや内戦が頻発するようになり、かつては安全といわれた国も、いつなんどき事件が起こるかわからない状況です。

観光客が集まる観光地や、市内の繁華街においてもテロが発生したという報道もたまに報じられます。

テロの懸念もさることながら、平穏な市内でも特に外国人観光客を狙ったスリやひったくりなどは常にあるものと考えたほうがいいでしょう。
パスポートや財布などは簡単に外からひったくられないような場所に携帯し、カバンやリュックも常に肌身離さないようにしなければなりません。

日本も治安が悪化しているとはいえ、それでも外国に比べればいいほうです。
日本の状況が当たり前と思って、気を許すと思わぬ災難に遭う可能性が高まりますから、ぜひとも注意したいものです。

現在、外務省が海外安全情報として、治安状況に問題のある国に設定している安全度のレベルは次の通りです。
（安全に問題がない場合は、「現在、危険情報は出ておりませんが、最新スポット情報や安全対策基礎データ等を参照の上、安全対策に心がけてください。」という表現になっています。）

A.十分注意してください。

当該国（地域）への渡航、滞在に当たって特別な注意が必要であることを示し、危険を避けて頂くよう、おすすめするものです。

B.渡航の是非を検討してください。

当該国（地域）への渡航に関し、渡航の是非を含めた検討を真剣に行って頂き、渡航される場合には、十分な安全措置を講じて頂くことをおすすめするものです。

C.渡航の延期をおすすめします。

当該国（地域）への渡航は、どのような目的であれ延期されるようおすすめるものです。また、現地に滞在している邦人の方々に対しては退避の可能性の検討や準備を促すものです。

D.退避を勧告します。渡航は延期してください。

現地に滞在している全ての邦人の方々に対して、当該国（地域）から、安全な国（地域）への退避（日本への帰国も含む）を勧告するものです。

A、B、C、Dの順に危険度が上がっています。

また一般には一国の中の特定の地域に限定されたり、複数のレベルが地域ごとに指定されたりします。もちろん全土がＤというケースもあります。

いずれも外務省からは「行くな！」という表現にはなっていませんので、あえてそのような国に出かけることは可能です。
実際、CやDのレベルでも、ジャーナリストや現地で復興や医療活動のために出かける人はいます。

しかし、出かけたために誘拐や殺人に巻き込まれた邦人がいることもご存知だと思います。

「見聞を広めるため」、「危険でもぜひ今見たい」という理由で出かけるのは個人の身勝手であって、万が一危険に遭遇した時には国や国民に多大な心配と迷惑、救出のために多額の税金が使われることを肝に銘じるべきです。

外務省のホームページで最新の国別の治安情報が検索できます。

• 外務省　海外安全ホームページ

上記の治安情報が出ていない国であっても、海外旅行中は常に安全に対して気を緩めないことが必要です。

東アジア以外では、私たちの顔かたちを見れば、日本近辺からの旅行者というのは丸わかりですから、盗みを働くつもりのある人間にすれば「必ず金を持っている」と思われて格好のエサになります。

グアム、ハワイなど、至る所に日本人観光客を見かけるような場所でも、そこはやはり外国です。
日本レベルの治安状況はないものと考えましょう。

命の危険にさらされるようなケースは少ないでしょうが、スリや置き引きなどは普通にあるものと思ったほうがいいです。

最近は、近隣の韓国、中国で反日感情が高まっていて、ささいなことで暴力をふるわれる可能性もありますので、こういう国々では気を付けることが必要です。

心構えについてはいろいろなことが、様々言われていますので、ここでは列挙するにとどめます。

• 街中で、荷物はたとえ自分のそばでも手を放して置かないこと。あっという間に持っていかれることがあります。
  ひったくりや置き引きを狙う人間がうようよいると思うこと。
• 現金、カード、トラベラーズ・チェックの金銭類やパスポートといった紛失してはならないものは使った後で、スリにあわないような場所に入れること。
• 金銭類は万一盗難にあっても被害を最少に食い止めるように、分散して身につけること。
• 盗難に遭ったら警察に届けても、絶対戻ってこないと思うべし。
• 田舎よりも都市の方が治安は悪い。興味本位でスラム街などに足を踏み入れないこと。
  カメラを向けると集団でひったくりに遭うこともあります。
• 夜間の外出はできるだけ避けること。
  どうしても夜にホテル以外での食事やショーを見る場合でも、タクシーなどでホテルに帰るようにすること。
• 女性は一人での外出はできるだけ避けること。